東北道の夜空は広い

2012-10-16 01:46:57 |  ’12秋休み
'12秋休み その5

藤岡PAを出て、那須へ向かう。
いつの間に出来たのか北関東道というのがあって、関越道の高崎から東北道の岩舟まで東西に繋がっていた。
素晴らしい。
これがなければ関越道を外環まで上らなければいけないところだった。

平日夜の北関東道、空いている。
視界にトラックが1台2台、といったところ。
出口の案内表示は、伊勢崎とか桐生とか足利とか、昔旅した時に見た事があるような無いような地名が流れていく。
ゆっくりと走らせば、想いを巡らす余裕を持てる。
今自分は関東地方にいるんだ。
その感慨は若い頃この辺りを旅した記憶に結び付く。
深夜に東北道や国道4号を、車中泊する場所を探しつつ移動したものだった。

夜のドライブで聴くCDを流してみた。
夜(専)用のアルバムは複数あるが、今回は「安田成美全曲集」。
若かりし頃の安田成美が白い花束を胸に思いっきりソフトフォーカスしたジャケット。
女優として有名だが、デビューは歌手だったはず(違う?)。
アルバムのトップは「風の谷のナウシカ」である。
購入当初、その他の曲もファンタジックな世界を歌うものばかりなんだろうと思ったが、さにあらず。
アイドル歌謡の時代、恋の歌も入っている。

演奏はポワポワした電子楽器を多用してリズミカルだけど静かな曲調。
ドライブのBGMとして耳に慣れすぎいつも聞き流していたが、今回じっと聴いてみたら声に若い艶があって、可愛いではないか。
歌い方もかわいいのに(上手い訳ではない )、歌詞には「えっ」と思わせる男と女のやり取りが混じっていたりする。
なかなか恥ずかしい台詞である。
どうせなら純愛路線オンリで攻めて欲しかったなあ。
…まあ、それもいい。

学生時代、夜更かしする部屋で聴いていたからか、車で聴くときも夜ばかりだった。
夜のイメージしか湧かないアルバムである。
東北道も私には夜のイメージが濃い。
聴覚と視覚と記憶の夜が共鳴し、ただ移動するだけの時間を甘酸っぱい時に仕立ててくれた。