風の記憶

≪記憶の葉っぱをそよがせる、風の言葉を見つけたい……小さな試みのブログです≫

2010年04月27日 | 詩集「家族の風景」
Mado22


階段の上に子供がいる
それはぼくだ
ぼくは階段をのぼる
すると
子供はもういない


階段の下に子供はいる
それもぼくだ
ぼくは階段をおりる
するとまた
子供はいない


かつて誰かを
階段の途中で待っていた
ぼくと誰か
そのときは
ふたりとも子供だった
その日
父が生まれ
母が生まれた


(2008)


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