熊澤良尊の将棋駒三昧

只今、生涯2冊目の本「駒と歩む」。配本中。
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中将棋大盤と駒

2011-10-02 06:53:02 | 文章
10月2日(日)、曇り。

昨日は、宮居さんと神崎七段と11時頃から17時ころまで中将棋三昧。
解説用大盤に関しては、丁寧な局面の解説のためには是非必要という意見です。

ところで、どこから注文を受けたという訳ではないのに「何故、大盤を作る気になったのか」という質問がありました。

これに関しては、昨年の公開対局では、パソコンの対局盤面の映像はありましたが、「この駒がここに利いている」とか「この手もある」の変化などは駒を操っての解説が出来ない状態でありました。
打ち上げの席上でも関係者の皆さんは、事務局を含めて「大盤があれば・・」という意見でした。

そんなこんなが伏線にあって今年になった訳ですが、8月下旬時点で用意されていないということが分かりました。
「あと2カ月。到底今年は間に合わない」と言う意見もありますが、その気になれば今からでも出来るというのが小生の考え方。
中将棋の大盤は、これまで聞いたことはないけれども、「ならば作ってみよう」と、その気になった訳です。

作るからには「ベストのもの」を作る。これが基本ポリシー。
ひと月近くあれこれ考えて、当初は磁石を使わない「衝立式」を考えました。
利点は、駒らしい駒が作れそう。
それにもう一つ。
「磁石式」も考えました。
9月下旬に材料集めを開始、仕事の合間に、基本設計を開始することにしました。
それぞれは一長一短。

結局は「磁石式」に決めて、必要な資材を発注。
間もなくそれらが届きました。
芯となる木材は、たまたま別の目的で1月ほど前に調達して手元にあったものが素材的にもぴったり、それを流用することにしました。
つい数日前のことです。

そんなとき、神崎七段から電話。
3日後に、宮居さんと一緒に来てくれるということで、試作品作りをピッチアップ。
具体的に、見てもらいました。

ということで、完成にはあと半月ほどかかるでしょう。
注文を貰ったわけでもないし、公開対局で使っていただけるという確証はありません。
自分が作りたいから作る。
そんなことは良くあること。
他人がやらないことにチャレンジ。
極小の小将棋駒。これから作ろうとしている、中将棋の極小駒も発想は同じです。

当日は、京都文化祭に行くので、前日までに主催者が取りに来てもらいさえすれば、お貸しするつもりでいます。

では、また。



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中将棋は面白い

2011-10-02 00:59:42 | 写真
本日の宮居中将棋名人対神崎七段の対局。
その中盤から終盤に移行する局面です。

今日の14時に始まった三時間に及ぶ熱戦は、差し掛けに。



その局面に至る少し前。

ここでは、左の神崎七段が少悪いとの自己評価でしたが、
その後は、やや形勢を持ち直して、差が少し縮待ったとのことでした。


中将棋の対局を垣間見たことはあっても、集中して盤側で見るのは今回が初めて。
今日は、二人に、眼の前で対局してもらいました。
見ていての第1の感想は、「中将棋は面白い」ということ。
普通の「小将棋」とは違った感覚というか、異質のボードゲームであることが分かりました。
具体的に言えば、序盤が結構長い。
中盤に差し掛かる頃は、辛抱と用心深さのゲーム。
駒の取り合いというより、駒を取られない用心深さが必要。

一番強力な駒が「獅子」。
駒の利きは、周りに接する8区画と、さらにその外側12区画を加えた20区画にまで及ぶ。
一手で、2回指すが如しの大技。
つまり一度で2枚の敵駒を食らうことが出来たり、「居喰い」と称して、隣の駒を掻っ攫って元居た場所に戻ることもできたり。
これは小将棋には無い、独特のルール。

ついで強力なのが「奔王(ほんおう、ほんのう)」。
これは「飛車」と「角行」とが合体したスペッシャルマシーンなのだ。

それに次ぐ「龍王」と「龍馬」。
これは普通の「小将棋」の飛車角の裏側と同じ性能だが、裏がより強力な「飛鷲(ひじゅう)」と「角鷹(かくおう)」。
まあ、そういったことぐらいは、ルールブックでは知っていても、聞くのと見るのでは大違い。
中盤から終盤にかけては、「角行」や「龍馬」の斜めの利きを生かす戦いでもあるようです。
今日の対局を間近に見て、大凡、実感として理解が進みました。
しかし、裏表30種類ある駒の性能を覚えるのは大変だというのが実感。

そこで大盤駒には、初心者が分かりやすいように、「行き先を示す点や線」を「朱色」で入れようと思います。
これは400年前の水無瀬神宮の「象戯図」や、小生が持っている江戸時代前期の「俊光作・中将棋駒」にも書かれてある古人の知恵。
それを大盤の駒に、無断拝借させていただきます。

ーーーー

10月30日の水無瀬神宮での中将棋公開対局。
あと30日を切った訳ですが、PRがほとんど出来ていないのが気がかり。
去年は、雨ふりにもかかわらず何十人かの観戦者がありました。
遠い人では、九州や千葉県からも。
今年も多くの観戦者が来てくれることを願っておりますが、PR不足(ゼロに近い)のが気になります。


今年の対局者は、宮居正芳中将棋名人vs牧野光則四段。
解説者は、神崎健二七段。
アシスタントが東京から伊藤明日香女流初段。
明日香さんは、あの伊藤果七段のお嬢さんですが、最近になって中将棋を覚えられたと聞いています。

最近と言えば、対局者の牧野四段は、プロ棋士になって2年足らずの新進気鋭。
最近は中将棋にも目覚めたとかで、メキメキ腕を上げていて、いずれは名人の地位を争うとの評判です。
ということで、10月30日は、面白い戦いを期待しています。


今日の中将棋対局を観戦して改めて思うことは、駒数が多いことと、大局に時間がかかるということ。
それに駒が30種類もあるので、初心者にとってルールを覚えるのが大変だということ。

これらを如何にクリヤーするかが中将棋普及のキーポイントですが、今日の観戦で「これは面白い」と実感しました。







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