今日いただいた。ニンジンさんのコメントです。
内容は、次のようなことでした。
ーーー 偶然、銀波荘での第16期王将戦の対局中に盤が割れるハプニングがあった。と言う記事を新聞で見ました。
以下原文です。
大山名人に、若き日の加藤九段=当時ハ段=が挑んだ67年の第16期王将戦。
対局中、「ピシッ」という音とともに将棋盤の側面にひびが入り、加藤八段の駒が数枚はね上がった。
「事前に盤を一生懸命磨いたんですが、表面のロウまで拭き取ってしまい、木が乾燥したのが原因のようでした。」
半世紀以上たった今も忘れられない苦い経験だ と書いてありました。ーーー
もう、何十年も前のことですが、王将戦と言えば、冬の時期ですね。
冬は、対局場に暖房のためのストーブが入る場合もあって、そのような環境は、「盤にとっては最悪な条件」になるわけです。
しかも、盤に塗られていた「蝋」をきれいに拭きとっていた。
やがて一夜が明けて、対局が始まって、その最中に「ビシっ」と音がして、盤が割れた。そのような話ですね。
多分、新しい盤だったのかもしれません。会場設営者は、何もわからず、ベトツいていた蝋が邪魔になるので、タオルでゴシゴシと蝋を取り去ってしまった。無知ほど恐ろしいものはないという実例です。
ここで、もう一つ、その前に問題があります。
盤屋さんは、商品として在庫している間は、割れてはいけないので、ベトベトに蝋を塗っているわけです。
蝋でベトベトになっている盤は、未熟品なのです。
ベトつくまでになっている「盤」(新しい盤にはそのようなものが多い)を、タイトル戦に採用したとすれば、そのこと自体が問題ではないでしょうか。
8月30日(水)、曇り。
ふたたび「盤のヘソ」の話。
先に述べた「へそ」の効用ですが、ヘソにもいろいろあって、浅いものとか深いものが有るので、分厚い盤には、深く彫ったヘソが、機能的にも良いわけです。
それは、作り手が手間をかけて深く彫るわけですから、作り手の気持ちも込められているわけです。
一方、周りを漆で塗られた蒔絵の盤も、「へそ」が彫られているわけですが、これは、完全に装飾だけの「へそ」なので、本来の効用は無く、周りの空気の水分(乾燥具合)の影響は、素材がむき出しとなる盤面だけが受けることから、「ヒビ割れ」には特に注意、留意が必要で、普段は盤覆いをかぶしているので問題は無くても、長時間むき出しにすることは出来るだけ避ける。そのような配慮が必要です。
盤の「へそ」、何のために有るかですが、おっしゃるように、「割れ防止」のために、あのような細工がなされていることになります。
盤の素材、すなわち榧とかの木材には、ある程度の水分が包含され続けています。
生木の時は水分が多く、それが伐採されて材木状態となると、徐々に周りの環境(空気)に同化して、水分が抜けて行くことになります。この時、周辺部は周りの影響をモロに受けるので、中心部に比べて乾燥速度が速いわけで、それが急激に進むと「ヒビ割れ事故」が、起きることになります。
ですので、盤にするには、10年、20年と何年もかけて、ゆっくりと用材全体の乾燥速度のバランスを取りながら、ある程度の乾燥状態になるまで管理してゆくわけです。
盤に加工するのは、割れない見極めをして、着手するのですが、「盤」に設えた後も、水分が抜けるわけで、それを少しでも抑えるための策として、盤には蝋をたっぷり塗り込んで、外気直接触れないようにするわけです。(無暗に蝋を取ると、割れにつながるので要注意)
一方、出来上がった「盤の上面(盤面)」は、底面に比べて、水分が抜けやすい。それで、「へそ」を刻むことによって、外気との接触面積を増やすわけで、乾燥を促進させる効果があり、上面との乾燥進み速度を幾分でも上面に合わせようとしているのです。
これは、職人たちの知恵と永年の経験で培われたものだと思います。
8月29日(火)、晴れ。
夏空続きの毎日です。
「盤」の話の続きで、脚付き盤の底面に刻まれた「へそ」の話。
あれは何のためにあるかです。
いくつかの説があるようですが、どれが正しいか考えてみます。
皆さんも考えてください。
将棋好きな皆さんですから、とっくにご存じだとは思いますが、
思いついたことをコメントいただければと思います。
この続きは、また明日、と言うことでよろしく。
8月27日(日)、晴れ曇り。
「盤」の展示貸出しですが、今回も、事故が無いことを願うばかりです。
前回は、当方で3重4重の配慮と手当をして貸し出しましたが、今回は、大学が主軸で、その労をやってもらおうと考えています。
と言いますのは、実際に対策をすることで、実感してもらおうとの考えであります。そうしないと、互いの今後のための理解と成長もままならないと思うからであります。
まあ、何事も実際にやってみることで、成長につながる。それが基本で、重要だと思うからであります。
8月27日(日)、深夜。
先に、「実力制名人戦ゆかりの盤」に関連しての注意事項をアップしました。
ですが、ちょっと見にくいのではないかと思ったので、このページで要点を書くことにします。
と言いますのは、過去に展示展や、タイトル戦で、時折り将棋盤の「ヒビ割れ事故」の話を聞いたりします。
予防のためには、最善の対策が不可欠なのですが、無知ゆえに、それが結構疎かになっている事実があると思うからです。
タイトル戦でのヒビ割れ事故は、冬に多いのですが、その原因の、部屋の暖房にあると思います。
具体的には、エヤコンの吹き出し風が強すぎたり、盤に直接吹き付けたりで起きる「盤への影響」です。
もう一つは、電気やガスストーブで、それが盤に近かったり、盤に向かっていたりして、輻射熱が長時間、盤に蓄積された結果、「ヒビ割れ」となる事故が起きるというメカニズムなのですが、会場設営の関係者は、対局者(人間)のことだけを考えていて、盤のことを考えていないからであろうと思います。
展示会では、知識不足と言いますか、間違った先入観(誤解)もあると思っています。
一般的に「展示ブース」は、ほどほどの乾燥状態にあるのが望ましいと奨励されていることが多いのですが、盤にとって、その乾燥状態が「最悪の環境」なのだということを、会場設営管理者が知らないケースがほとんどだと思います。
あるいは、展示ブースに「水を入れたガラスコップ」を置いておけば、乾燥を防げると思い込んでいるケースです。
「ガラスコップ」の一つや二つでは、盤に対するケアにはならないので焼け石に水。
コップではなく、週刊誌ほどの「バット(水皿)」が必要なのですね。それに加えて展示ケースの中にある蛍光灯の照明(輻射熱)は、乾燥状態を益々促進することになります。
「ヒビ割れ事故」は、それらの要因が重なり合って、かつ長時間(長期間)継続し続けることによって、限界点に達した時に起きるわけです。
一旦、事故が起きてしまうと、元には戻りません。
ですから、予防のための対策は、2重3重、あるいは4重5重にしておかないといけないのです。
この続きは、また明日にでも。
8月26日(土)、晴れ。
このところ、「特別将棋展」に関して、大学と意見交換をしています。
問題点はいくつかあって、その一つが「実力制名人戦ゆかりの盤」についてです。
展示に当たっては、いろいろ配慮しなければいけないことがあるので、その具体的な事項については、只今、文章にしてまとめようとしていますので、近々、開示出来ると思います。
それまで、一日二日、お待ちください。
8月22日(火)、晴れ。
夜中、前の公園からでしょうか、蛙の鳴き声が続いていました。
今朝、セミの声は遠くから。力強さはありません。
日中の気温は、相変わらずの35度超え。
最低気温は27度くらいでしょうか。
エヤコンは夜中、28度にセットしています。
秋が来るのが待ち遠しい毎日。
今日も、同じつぶやきでした。
8月20日(日)、晴れ。
雲は見当たらない、青空がいっぱい。
その朝で、気が付いたことがあります。
あれほど喧しかったセミの声が小さいのです。
一瞬、蝉がいなくなったのかなあと思いましたが、遠くからは届いているので、これは、秋が近いことを思わせる移ろいなのでしょうね。
仕事ですか。はい、今日も盛り上げをすることになりますね。
「兼成卿水無瀬」は、昨日でほぼ終えましたので、今日は「巻菱湖」の続きになりますね。
エッ、「本づくりですか?」。
そうですね、このところは進んでいません。
「無双」の盛り上げが終ったら、「本」に復帰します。
先日、「パソコンに向かい合っています」と書きましたのは、「このブログを書いています」ということでして、皆様のように、パソコンは堪能ではありませんし、時間の浪費につながりますので、普段は出来る限り遠ざけるようにしております。