ポジャギアートYangja-pang

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七人猩々

2010-11-14 08:50:00 | アート2010
私メは柄にもなく「能」が好きです。
とくに、「異界のもの」が跳梁跋扈する威勢のいいお話が。
中でも「猩々」は、派手だし目出たいし楽しいし…で、大好きな演目の1つです。

「猩々」は伝説上の生き物で、一説ではオランウータンを指すともいわれますが
能においては、酒を愛し、酒をたたえる妖精のこと。
陽気な酔っ払いですから面も赤く、全身真っ赤な装束で登場します。
通常は一匹しか出てこないのですが、昨日のNHK教育テレビでは
これが景気よく七匹も登場する「七人猩々」(宝生流)が放映されました。
(観世流では「大瓶猩々」。私はそちらのネーミングのほうが好きですが…)
以前から一度観てみたいものだと思っていたので、ラッキー!(^^)!



お話はいたってシンプルで、
月の美しい晩、海に棲む酒の精・猩々が、
親孝行な青年にいくら酌んでも酒が尽きない大瓶を与え、
機嫌よく酔い、舞い踊って再び海に還っていくというもの。



全身真っ赤とはいえ、装束はお揃いではありません。
それぞれ贅を凝らした「猩々緋」と金のバリエーション。
もっとも、狭い能舞台で七匹が乱舞するというわけにはいかず、
メインは三匹でしたね(^_^;)

七匹の猩々を動員するのは物理的にも大変でしょうから
滅多に演じられるものではありませんが、
願っていればいつかはかなうものなんですね(~o~)
しっかり保存して、
気分を高揚させたい時に観ようと思っております。

※写真はテレビ画面を撮影したもので、ダビングではありません。

青磁

2010-10-19 09:01:00 | アート2010
青磁──この美しい文字を見ただけで、もう目が洗われるような気がします。



もっとも、一口に青磁と言っても、その色味はさまざま
でも私メはやはり、「雨の後、雲から覗く一瞬の青空」と称される
わずかに白を含んだ、しかし透明感のある青が好きです。
このような系統の青磁は「砧青磁」と呼ばれているのだとか。


重要文化財
「青磁筒形瓶 銘大内筒」(南宋/13世紀 根津美術館蔵)


ポスターの一部にもなっているこの美しい瓶に、
どのような花が挿されていたのでしょう。
なんとなく気分は白萩。いや、紫のほうがいいかな
……そう考えると、かなり難しそう(^_^;)

根津美術館創立70周年記念特別展 「南宋の青磁」は11月14日まで。
詳しくは、HPなどでご確認ください。
わりとしっかりしたランチがいただけるカフェもお薦めです(~o~)


花矢

2010-10-16 20:35:00 | アート2010
秋の一日、上京中のJさんとアート巡りをしました。
駒場の民藝館で河井寛次郎、青山の根津美術館で南宋の青磁、
白金台の庭園美術館で古今の香水瓶と、
ちょっとばかりコア、かつレアな展示を楽しんだのち、
最後に訪れたのが、川崎市市民ミュージアムの「アイヌ 美を求める心」

アイヌ民族の「造形の美」に焦点をあてて、
先人の残した生活用具や工芸品と現代作家の作品を公開するものですが
正直言って、これほど充実した展示とは思いませんでした。
中でも私メがビビビッと「感電」してしまったのが、こちら↓



「花矢(ヘペライ)」と呼ばれるもので、
熊祭(イヨマンテ)の最初に放たれる神聖な矢です。
この木肌と墨と赤のコントラストの美しいこと!
アトゥシ織(樹皮布)も刺繍ももちろん素晴らしいけれど
なぜか私、この小さな矢に射抜かれてしまいました。
(※許可をいただいて撮影したものです。)

正直なところ、これまでアイヌの工芸については
通り一遍の興味しかもっていなかった私メですが
これからは、この「花矢」が一つのメルクマールとなりそうです。
このよ~な出会いに導いてくださったJさんにも「感謝!」です(*^_^*)



マグカップ

2010-10-03 08:37:00 | アート2010
大倉集古館で開催されている「マイセン 西洋磁器の誕生」に行ってきました。
久々にJ.G.ヘロルトのシノワズリを堪能。



私メはマイセンについて殆ど知識がなく、
しかもシノワズリ以外はあまり興味を示さない妙なファンですが
セピアと金彩だけの花模様などは、
細か~いクロスステッチなんぞで刺繍したら
さぞよかろうと思ってしまいましたね(危ない、危ない(^_^;)

お土産はヘロルトちっくな絵柄入りマグカップ。
もちろん自分用ですよ。ウチではこんなの誰もほしがりません(~o~)
たぶん、「……?」と思われる方が多いんじゃないでしょうか。



どういう訳でヘロルトに惹かれるのか、自分でも分かりませんが
たぶん、そのキッチュでおおらかなところが好きなんでしょう。
珍しいものを夢中になって模倣し、独自の世界を創り上げてしまう
そんな楽しさがあるんですよね。
会場には紙に描かれた図案も展示されていましたが、
それらが図録に掲載されていないのが、ちょっと残念。

シノワズリ

2010-09-08 12:12:00 | アート2010
東京は久しぶりの雨。
蒸し暑さに変わりはありませんが、ほっとします。
これで少し、季節が動くかな?
(とはいえ、週末はまた暑いそうですが…(^_^;)
そんなこと言ってるうちに、たちまち大雨!なんと極端な(@_@;)

さて、久しぶりにロムドシンさんのHPを覗いてみたら、
こんな展示会のお知らせがありました。

開窯300年 マイセン西洋磁器の誕生



なんと、日本で初めて18世紀の初期マイセンを特集!
私メがこよなく愛する、「器の中の奇妙な東洋人」
もとい、ヨハン・G.ヘロルトのシノワズリや
当時のヨーロッパ人が熱狂した東洋趣味を中心とした
いささかマニアックながらも実に興味深い展示会です。
最近ちょっとご無沙汰していたシノワズリの世界ですが
その独特の濃ゆ~い魅力に、また浸りたいと思っております(*^_^*)