山形弦楽四重奏団 ブログ

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山形Q 練習日誌79-vol.6(中島記)

2021-04-05 23:59:59 | 練習日誌

 モーツァルトはホルンの名手、ロイドゲープとの出逢いによって、4曲のホルン協奏曲を作曲したと言われています。ロイドゲープは名手であっただけではなく、モーツァルトにとって冗談を言い合えるような友人であったとか。

 …音楽を通じた交友関係というものは、さぞかし豊かで高尚なもののように感じるかも知れませんが、それは外から見た話。実際は、どうしてもお互いの格を測り合うところがあって、普通の友人のような関係にはなりにくいのです。わりとギスギスしているものなんです。
 
 そんな中で「冗談を言い合えるような関係」というのは、ものすごく稀有なものです。妬まれることも多かったはずのモーツァルトにとっては、なおさらでしょう。きっと、数少ない親友だったはずです。4曲もの協奏曲を作ったことからも、それがわかります。
 
 それに先立って作曲された「ホルン五重奏曲」は室内楽ですから、「協奏曲」よりもざっくばらんな形で、くだけたものと言えます。そのぶんさらに、才能を証明しようとか、パトロンに気に入られたいとか、お金を稼ぎたいとかいう、一切の気負いや雑念が取り払われた音楽になっています。モーツァルトがリラックスすると、ここまで明るい曲になるのかという作品。親密な間柄の中で、純粋に音楽の喜びを共有しようという、その空気を再現したいものです。
 
 さて、今日もリハーサル。ホルン五重奏を中心に。
 
 わずか2回目ではありますが、ずいぶんとこなれて来ました。やはりホルンの梅島氏の、若さによる柔軟性とポテンシャルの高さによるものです。
 
 私たちも、見習うと同時に、取り戻すべきものを感じます。
 
 この曲が本来持っている、純粋な音楽の楽しみが、会場の皆さんとも分かち合えるようにしたいと思います。
 
 チラシを貼らせていただいたり、置かせてもらう活動をしています。  
   ただいま25箇所
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