山形弦楽四重奏団 ブログ

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山形Q 練習日誌59-vol.6(今井記)

2016-03-13 23:36:21 | 練習日誌
 「去年今年 貫く棒の如きもの」。俳人、高浜虚子の代表作と言えるものでしょう。長いようだったりあっと言う間だったり、十人十色で捉えどころのない「時間」という概念を見事に切り取っています。
  
 今日は、次回の定期で演奏する池内友次郎(1906-1991)の「プレリュードとフーガ」を初合わせ。この池内氏、実は高浜虚子の次男なのです。西洋音楽といえばドイツが主流だった時代にパリ音楽院へ留学、帰国後は教育の場でも尽力し、小倉朗、黛敏郎、間宮芳生、林光、三善晃、尹伊桑といった、綺羅星の如き門弟を育てています。
 
 チェロの印象的なモノローグで始まるこの曲も、四人で弾き始める導入部は、ナルホド、響きを聞いていると近代フランス音楽の趣があります。テーマにはどこか懐かしさが感じられ、層のよう重なっていく半音階やピチカートなども実に効果的。なかなか聞く機会はありませんが、とても面白い曲です。是非多くの人に聞いて頂きたいと思います。

 ちなみに写真は、この曲が収録されたCDですが、お弟子さんである小倉氏、黛氏、三善氏の作品も収められており、連綿とつながっていった時に思いを馳せてしまいました。

 他にはベートーヴェンのOp.127の2、3楽章、そして来月セレモニーで演奏予定のラズモフスキー1番、2番、3番から緩徐楽章を。ふと気付けば、4月のセレモニーとアランフェスさんでのコンサートまで、あまり時間がありません。時に流されてしまわないよう、「棒の如き」強い意思をもって演奏に臨みたいと思います。

~チラシを貼らせていただいたり、置かせてもらう活動しています。~
 ただいま18箇所

 
コメント
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