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朴元淳(パク・ウォンスン)ソウル市長と面会
先日のブログに続き、訪韓の報告をさせていただきます。
7月10日、ソウル市役所を訪問。2つのテーマについてブリーフィングを受けました。そのうちの一つが「ソウル市非正規職員の正規化」について。
ソウル市でも、多くの人々が非正規雇用で働いており、雇用不安、賃金格差があり、差別されている現実がありました。そこで、朴元淳(パク・ウォンスン)市長は自らの決断によって、非正規職員の正規化を進めてきました。概要は以下の通りです。
①2012年5月以降、直接雇用の非正規職員1,369人を正規雇用に転換
・正規職員ではなく、厳密には無期契約職。
・2年以上常時継続的に業務に従事している場合、正規雇用に転換する。
・今後、新規に採用する場合も、常時継続的に業務に従事している場合は、正規雇用の原則と慣行を確立する。
・政府案よりも転換基準・方法を緩和している。
②間接雇用の非正規職員6,231人をソウル市が直接雇用・正規雇用化(現在進行中)
・掃除、警備、施設物の管理などの単純労務で、民間会社に所属する非正規雇用労働者を対象としている。
・雇用者と使用者が不一致のため、雇用不安が生じている。また、民間会社が間に入って利益を取るので、労働者の賃金が低くなっていた。また、長時間労働で、各種手当も最低レベルであった。
・業者との契約終了時、優先的にソウル市が直接雇用し、一括して正規雇用化を図っている。
・職務給を導入し、賃金の引き上げ、定年保障を行う。
・人件費は増加する分以上に、アウトソーシングにかかるコストを抑制しており、現在のところ、追加的費用がかかっていない。
この問題、日本の地方自治体も同様の問題を抱えています。私も議会質問をたびたび行い、非正規職員の待遇改善を訴えてきました。
官民問わず、厳しい労働環境が拡がり、格差・貧困で将来を展望できない人々が少なくありません。働く人々を大切にするソウル市の姿勢に大変感銘を受けました。社会の葛藤を解消し、持続可能な発展を目指し、自治体が労働政策でリードしていく動きを作っていきたいです。
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手前が旧ソウル市庁舎(現・中央図書館)、奥のガラス張りの建物が現市庁舎
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市庁舎正面入口
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セウォル号の犠牲者を追悼する祭壇とイエローリボン