政務活動費を使用して出かけた研修について報告します。随分前になりますが、4月28日(金曜日)午前中、参議院議員会館にて「子育て支援」をテーマに、厚生労働省、内閣府、内閣官房担当者からレクを受けました。
以下、議長に提出した報告書をアップします。ご一読いただいと思います。ご意見等がありましたら、よろしくお願いします。
■目的
江南市は近年、「子育て先進市」を目指して、子育て支援策の充実に力を注いでいる。そのため、政府の「子ども・子育て新制度」の最新の動向を把握し、江南市の実情にあった施策に取り入れていきたいと考えている。
■内容
2016年4月1日現在の待機児童数は23,553人で、前年度と比較して386人増加した。そのうち、1・2歳児が全体の71.1%を占めている。待機児童は年度後半になると増える傾向にある。
女性(25歳~44歳)の就業率と1・2歳児保育利用率ともに、年々上昇傾向にあり、同日現在の利用率は41.1%であった。両者には正の相関関係がある。つまり、1・2歳児をきちんと受け入れできている自治体ほど、女性の就業率が高くなっている。
政府は待機児童解消に向け、2013年度から17年度末までの5年間で、約48.3万人分の受け皿拡大を図っている。この他、企業主導型保育事業により約5万人分の拡大を進めている。
他方で、保育人材(約9万人)の確保が喫緊の課題である。保育士は全産業と比較すると、月額11万円も賃金が低い。保育士の有効求人倍率は2017年1月に2.76倍にまで上昇し、高い水準となっている。そのため、政府は、消費税増税分などを財源に処遇改善を進めている。さらに、研修による技能取得により、民間の保育士がキャリアアップできる仕組みを構築し、月4万円の賃金アップを目指している。
■所感
家庭の経済状況が厳しいため共働き世帯が増えており、今後も1・2歳児の利用率は上昇していくであろう。ある意味で、待機児童問題は保育士の人材確保問題であるといえる。江南市は待機児童ゼロであるものの、未満児が増えていくことを念頭に、保育士の確保に注力していくべきだ。
そのため、江南市は非正規保育士の処遇(特に賃金)を改善することはもちろん、正規職員を増員する方向で人材確保に努めるべきだ。
また、シティープロモーションを推進する観点から、子育て世代に対して、待機児童ゼロを積極的にアピールすべきである。
企業主導型保育事業は、待機児童解消の一助として民間の力を借りるものである。待機児童問題が深刻な都市部を対象とした事業であり、江南市内で事業化の動きはないが、政府の施策は細目に把握しておくべきだ。
政府は、マイナポータルで子育てワンストップサービスを推進している。しかし、マイナンバー制度に対する国民の理解が進んでいない現状で、オンライン化などは普及しないだろう。それよりも、江南市は、現在進めている子育て支援策の周知徹底に努力すべきだ。