社民党新ポスターの発表後、ポスターを見た方から相当数のご意見・ご指摘をいただいています。全てにお返事することはできませんが、私たち社民党がポスターに込めた想いを、みなさんにより正確に理解していただきたいと思います。以下、箇条書きで想いを述べさせていただきます。
○「あの日から、パパは帰ってこなかった」について
・父親が自衛隊から海外派遣されたことをまず想起されるかもしれませんが、父親の職業は自衛隊員とは限りません。イラク戦争など過去の戦争では、民間人(軍事関連業務への従事者など)にも犠牲者が出ています
・さらに一歩踏み込んで、「自分の家族、恋人、友達も帰ってこなかった」ということもイメージしていただきたいです。政権は今のところ「徴兵制」を否定していますが、与党幹部の発言などを考慮すれば、これからの子や孫の世代で戦争に行く時代がきてしまうのではないかと、危惧しています。
・「ママは帰って来なかった」ということも考えられます。94%が男性自衛官ですが、言い換えれば、6%は女性自衛官です。ポスターのコピーなので、多くの人に考えてもらうきっかけのために、「パパ」とさせていただきました。
○日本人が被害者となるばかりではなく、加害者になることも大変懸念しています。そのため、コピーを考えた時は両方の視点で検討し、結果として被害者の視点を採用しました。悲惨なことや残酷なことは考えたくもありませんが、それが「集団的自衛権」の行使によって「現実」になってしまうのです。
○私たち社民党は、戦争を外交とは認めません。いかなる関係であろうとも話し続けること、対話を続けることが外交の基本と考えます。
○「社民党は自衛隊を違憲として認めていない」と勘違いされている方がいらっしゃいますが、社民党は村山政権以来、「自衛隊合憲」を堅持しています。実際に自衛隊員として働かれている方がいらっしゃり、自衛隊員の人権問題に積極的に取り組んできました。また、自衛隊は災害派遣など「いのちを守る」活動もされていること、領土問題の対立が深まっていることなどを認識しており、自衛隊そのものの「存在」を否定していません。「現状、明らかに違憲状態」(社民党宣言)なのは、その「あり方」であって、規模や装備、防衛費などを指します。平和外交や民間交流の促進などによって、「緊張と対立のアジア」から「平和と友好のアジア」へと転換し、「非武装の日本」「非核のアジア」を目指していくのが社民党の立場です。
※新ポスターをどのようにとらえるのか、その人の立場や思想によって十人十色だと思います。新ポスターは、集団的自衛権の行使容認が引き起こすかもしれない1つの未来を示したものです。みなさんが集団的自衛権の問題を考え、議論するきっかけにしていただければと思います。