立憲民主党 山としひろ「パワフル日記」

立憲民主党 衆議院富山1区公認内定者
44歳 
人にやさしい政治

市政レポートNO.10を発行しました。

2008年06月26日 | Weblog
 今週月曜日に市議会6月定例会が終わりました。さっそく、議会で議論になったことに対する私の見解と一般質問の概要を記した「市政レポートNO.10」(社会新報号外・江南市版)を発行しました。

 これから7月上旬にかけて、地元学区などに配布する予定です。また、学区外の方、市外の方でぜひ読んで見たいという方はご一報ください。直接お持ちするか、郵送いたします。

 また、ポスティングボランティアも募集しております。散歩しながら、配っていただけませんか?

 どうぞよろしくお願いします。

 山としひろ事務所 (0587)55-4739
           info@yamatoshihiro.com

後期高齢者医療制度等の中止・撤回を求める請願書 <賛成討論>

2008年06月23日 | Weblog
 後期高齢者医療制度等の中止・撤回を求める請願書 <賛成討論(不採択とした厚生文教委員長報告に反対)>

 後期高齢者医療制度の本質的問題は,75歳以上の高齢者だけを制度の対象にしたことにあります。

 多くの自治体では「老人保険制度が後期高齢者医療制度に変わっただけだ」と説明しています。しかし,これは誤った認識です。これまでの老人保険制度においては,75歳以上の高齢者にも国民健康保険や政府管掌保険,組合健康保険といった,もともとの自分の所属がありました。加入している医療保険の資格はそのまま残りました。一方,後期高齢者医療制度では,一律にこれまでの所属から切り離されました。その点が決定的に違います。

 75歳以上の高齢者と65歳から74歳までで一定の障害のある人たちは,医療にかかる機会が一番多い人たちで,いわば弱者連合です。保険制度は支える側と支えられる側の両者が存在して初めて成り立ちます。そして,リスクを社会で分け合うことに保険制度の意義があります。こうした人たちを別枠にして切り離したことは,まさに排除の論理そのものです。「姥捨て山」に他なりません。

 保険料については,「低所得者は負担が軽減され,高所得者は負担が増える」と厚生労働省が説明してきましたが,その実態は説明とは全く逆になっていることが判明しました。

 保険料は医療費や高齢者人口に連動して2年後に改定される仕組みとなっています。保険料を値上げするか,あるいは医療給付内容を劣悪化するか,どちらにとっても高齢者にとっては「痛み」しか選択できない,あるいはその両方を促進する仕組みです。

 すでに,医療の内容を決める診療報酬に,75歳以上の高齢者だけの項目が作られています。受けられる医療を制限し,医療費を抑制しようとしていう意図が明白です。

 糖尿病や高血圧など慢性疾患の高齢者に「主治医」が治療すると,定額制(月額6,000円,自己負担600円)の「後期高齢者医療診療料」が支払われます。その算定については,1ヵ月間,1人の患者が1つの慢性疾患を持ったとみなされ,それを管理するのは1つの医療機関,主治医に限られるという「主病ルール」が持ち出されています。

 いくら検査や処置をしても医療機関への支払いは定額制です。検査や処置をするほど赤字になる仕組みですから,手抜き治療や粗末な治療になりかねません。

 そもそも,主病は1つという厚生労働省の考え方に全く医学的根拠がないという批判もあります。病気ごとに異なる医師にかかっている現状では,「主病」を1つに限定し,「主治医」を決めることは困難です。

 「相談支援料」(1人2,000円,自己負担200円)についても,生前の意思(リビング・ウィル)は尊重されるべきですが,75歳以上だけ,しかも終末期に限るという意味は何でしょうか。生きる意思を奪いたいのでしょうか。医療費がかかる延命治療を中止させること以外に考えられません。

 増加する医療費の伸びをどうするかは避けて通れない課題です。しかし,医療費抑制のみを目標として医療政策を推し進めていくことは非常に危険です。日本は,すでに世界の先進国と比べ,異常に医療費を抑えすぎています。そのツケが,医師・看護師不足,医療事故の多発,病院の閉鎖,患者のたらいまわし,無保険者の急増になって現れています。

 日本の対GDP医療費は8.0パーセントと,OECD先進7カ国(平均10.2パーセント)の中で,医療改革を断行したイギリスに越され最下位となっています。日本の国民医療費は約33兆円で,先進7カ国並に医療費を確保するとすれば,あと9兆円不足しいます。これ以上の医療崩壊を食い止め,高齢者が安心して医療を受けられるようにするために,国は早急に財源を投入すべきです。

 医療,健康は人権です。命の格差を認める「後期高齢者医療制度」は即刻廃止すべきです。国民的議論を通じて,後期高齢者医療制度に代わる,命と生活を守る持続可能な医療体制を実現していくべきです。

議案第51号 江南市市税条例の一部改正について <反対討論>

2008年06月23日 | Weblog
議案第51号 江南市市税条例の一部改正について <反対討論>

 「議案第51号 江南市市税条例の一部改正について」反対の立場から討論いたします。

1. 公的年金からの個人住民税の天引き

 公的年金からそれに係る個人住民税を天引きすることは,確かに,納税の便宜を図る観点から,高齢者が窓口まで出向かずに済むというメリットがあります。同じ天引きとはいっても,納税の義務がある税の場合とそうではない保険料の場合ではその性格は異なります。

 また,自治体における徴収の効率化を図るため,全国市長会や政令都市市長会などが国に対して度重なる要望を行い,天引き実施の機運が高まってきたことも踏まえる必要があります。

 しかし,「消えた年金」「宙に浮いた年金」といった年金記録不備問題が解決されないまま,天引きを実施するのは問題です。所得税や国民健康保険税,介護保険料,後期高齢者医療保険料に加えて,公的年金に係る個人住民税までも天引きされると,老後の生活の糧がなくなってしまいます。後期高齢者医療保険料の天引きのように2分の1判定などの制限もありません。

 もっとも,生計費は非課税にするという原則に反しており,生活権やプライバシーを侵害しています。天引きを実施するにしても,天引きか窓口納付(普通徴収)か、納税者の選択に任せるべきです。



2. 個人住民税における寄付金税制の見直し

 個人住民税における寄付金税制の見直しが行われ,その目玉策としていわゆる「ふるさと納税制度」が導入されました。居住地以外の自治体などに寄付した場合,住民税の1割を限度に寄付金額から5,000円を除いた額を,居住地の住民税納税額から控除する制度です。

 しかし、住民税は,地域における行政サービスの経費をまかなうために,地域住民が能力と受益に応じて負担しているものです。居住地の自治体からさまざまな行政サービスを受けている応益原則を考慮すると,住民税は居住地の自治体に納税すべきです。同じ所得で同じ給付を受けているにもかかわらず税負担が異なると,負担と受益の関係という税の根本原則が損なわれるのではないでしょうか。

 この制度は,自治体の財政格差是正をめぐる議論の中で浮上したものです。しかし,格差が拡大した要因は何だったのでしょうか?「構造改革」によって「財政健全化」が推進され,効率の悪い部分が切り捨てられるようになりました。そのため,地方よりも都市部が重視されるようになり,「三位一体の改革」と称して地方交付税が5兆円以上も大幅に削減され,格差が一層拡大しました。地方は完全に疲弊しています。

 もともと自治体間には,人口や企業立地,地形などによって差異があり,財政格差があります。しかし,どこに住んでいても最低限のミニマムサービスは国が責任を持って保障すべきです。格差是正のためというのであれば,地方交付税を増額するのが筋です。そして,思い切って地方へ税源移譲を進めるべきです。

 格差是正を自治体まかせにし,国は知らん顔を決め込み,自治体の「自助努力」「自己責任」に転嫁することは許されません。大都会から地方へ税金がまわるというのは幻想であり,政策立案能力やメニュー,宣伝力が豊富な自治体に税金が流れ,さらなる格差拡大のおそれさえあります。

 「ふるさとに恩返ししたい」「がんばっている自治体を応援したい」と思うのはごく自然なことです。また,地方分権が推進される中で自治意識を高揚させ,税金の使い道に対する納税者の意思を反映させることも大切です。そう言われるともっともだと思われるかもしれません。しかし,別の見方をすると,自治体の財政が都市部の富裕層の意のままに左右されることになりかねません。去年は「ふるさと」(居住地以外の自治体など)に納税したけれど,今年は居住地に納めるという気まぐれな富裕層が増えれば自治体は予算が組めなくなります。税の再配分機能が弱まり,財政民主主義の根本が突き崩される危険性があります。ふるさとの自治体などを応援したいという個人の意思を尊重するならば、1993年度にできた「ふるさと寄付金控除」制度を拡充すれば済む話です。
 
 自治体間の財政格差は「ふるさと納税」のような思いつきの政策で解決できる問題ではありません。



3. 証券税制優遇の特例措置継続

 証券税制については,上限額を設けつつ,譲渡益,配当とも2年間優遇措置が延長されますが,上場株式については,いずれも一律20パーセントの税金がかかるのが本来の姿です。高額所得者や資産家優遇はやめて,きっぱりと本則に戻すべきです。

一般質問原稿② 学校給食について

2008年06月12日 | Weblog
【学校給食センターの民間委託問題について】

(1) 民間委託の目的

 行財政構造改革「集中改革プラン」(第5次行革)によると、来年度(2009年度)を目途に学校給食センターの民間委託が予定されています。
 昨年(2007年)12月定例会において、教育次長が「北部学校給食センターの民間委託を計画している」「委託業務は調理業務とボイラー業務である」と答弁されています。しかし、給食センターの民間委託について詳しい説明を受けた覚えはありません。

質問①:いつ、どこの、どのような会議において、どのような理由で「北部学校給食センター」を民間委託の対象に選んだのですか?

質問②:北部学校給食センターを民間委託する方針に変わりありませんか?具体的に、いつごろから民間委託を開始したいのですか?

質問③:なぜ民間委託が必要なのですか?多様なサービスが実現することができる、質が向上するといったメリットがありますか?

(2) 民間委託の進め方と市民合意の必要性 ☆

 すでに、近隣の自治体(一宮市、稲沢市、春日井市、小牧市、犬山市など)では、給食調理業務の民間委託が実施されています。

質問①:江南市が民間委託を進めるにあたって、どこの自治体の事例を参考にしていますか ?

 民間委託の進め方に関わって、「業務仕様書」の内容をこれからきちんと検討していただかなければなりません。
 また、性急に事を進めると、市民から反発を受けることになります。市民合意が十分得られていない民間委託は成功しません。

質問②:いったいどれだけの市民が、給食センターの民間委託を知っていると思いますか?

質問③:保護者や学校関係者、市民に対していつ、どのように説明責任を果たすつもりですか?関係する学校で説明会を開催すべきではないでしょうか?

質問④:保護者や学校関係者、市民の意見・要望をどのように反映していくつもりですか?例えば、民間委託の実施要綱などについて、パブリックコメントを実施しますか?

(3) 偽装請負ではないか? ☆☆☆

 民間委託の手法について検討しておく必要があります。「職業安定法」第44条と関わって、「労働者派遣事業」と「請負」を区別できるかが最大のポイントです。
 労働者派遣事業とは、派遣元事業主が自己の雇用する労働者を、派遣先の指揮命令を受けて、この派遣先のために労働に従事させることを業として行うことをいいます。
 請負とは、労働の結果としての仕事の完成を目的とするものですが、労働者派遣との違いは、請負には、注文主と労働者との間に指揮命令関係を生じないという点にあります。
 給食センターの調理業務の民間委託は請負に該当します。委託業者は市から独立して、請け負った業務を自らの業務として行わなければなりません。栄養士など(市)が、自らの指揮命令の下に働かせることはできません。
 しかし、両者の区別をつけるのは簡単ではありません。「職業安定法施行規則」第4条や「労働者派遣事業と請負により行われる事業との区分に関する基準」という労働省告示(1986年4月)で判断していくことになります。

質問①:江南市で事前に作成した献立と食材に基づき、定められた調理場で調理を行う労務提供型請負は、実質的に労働者派遣=「偽装請負」にあたりませんか?あたらないと考えるならば、その根拠を示してください。

 自らが持っているノウハウで、学校給食を作り上げていくのが委託業者の任務だと理解します。
 ところで、施行規則や告示の規定に従うと、委託業者が調理場の機械、設備、器材や食材などを自ら提供し、光熱水費も負担するのが、請負のあるべき姿です。ですから、市の設備などを無償で使わせることができないのではないか、という指摘もあります。

質問②:法令との関わりで、どのようなことが課題として挙げられますか?

 文部省体育局長通知「学校栄養職員の職務内容」(1986年3月)によって、栄養士の職務内容が定められています。しかし民間委託されると、栄養管理(学校給食の調理、配食及び施設設備等に関し、指導、助言を行うこと)や衛生管理(調理員の衛生、施設設備の衛生及び食品衛生の適正を期するため、日常の点検及び指導、助言を行うこと)について、直接関与することができなくなります。
 つまり、民間委託されると栄養士の仕事は、献立を作る、業務仕様書を作る、指示書を作る、食材を購入する、でき上がった給食を検食するだけになります。
 しかし、学校給食は学校教育の一環として重要な位置を占めています。だからこそ、教職員、栄養士、調理員が学校教育の担い手として一体感を保ち、学校給食に対する考えが一致していることが不可欠です。

質問③:栄養士が本来担うべき役割が十分に発揮することができなくなりませんか?栄養士と調理師が連携できなくなり、質に影響を与えるおそれはありませんか?

質問④:栄養士(市)は委託業者の責任者に業務指示書を出すことができますが、かえって、連絡調整事務など新たな業務が増え非効率ではありませんか?

質問⑤:現在、調理員が学校に出向いて子どもと一緒に給食を食べたりすることがありますか?具体的取り組みを挙げて説明してください。

質問⑥:民間委託すると、委託業者の調理員が、学校給食における食育推進活動など学校行事に参画できなくなりませんか?

(4) 民間委託を労働問題としてとらえる必要性 ☆☆☆

 民間委託されると、それを食べる子どもや教職員がとりあえず調理結果だけに出会います。味のよしあしは主観や好みに左右されるので、客観的評価にはなりえません。また、おいしければそれでよしということでもありません。
 今回は民間委託を労働問題としてとらえ、そこに潜む問題を考えていきます。

 集中改革プランが出される前から退職者不補充としパート化の比率を高めてきたと思います。

質問①:具体的にはいつごろから退職者不補充を実施していますか?その当時から、民間委託を意識していたのですか?

 保育園にも調理師が配置されています。

質問②:今後とも、退職者不補充の方針を貫くのですか?

質問③:民間委託した場合、委託料は年間いくらになりますか?そのうち人件費に相当する部分は何パーセントですか?

質問④:現在と比べて、年間いくら削減することができますか?割合でいうと何パーセントの削減になりますか?

質問⑤:どうして委託業者はそれだけのコストを削減できると思いますか?

質問⑥:(学校給食センターの)調理員について、正規職員、非常勤職員(パート)はそれぞれ何人いますか?パート化率(全職員に占める非正規雇用職員の割合)は何パーセントですか?

質問⑦:正規職員の平均年収(税込み)、勤続年数はどのくらいですか?

質問⑧:非常勤職員の時間給、年収(税込み)はどのくらいですか?

質問⑨:民間の同種の労働者の年収がいくらぐらいか分かりますか?それと比較すると、正規職員の年収は高いですか?

質問⑩:こうした数字を総合すると、結局のところ、調理員は非正規雇用・低賃金で働かざるを得ないのではないでしょうか?

 国際競争力を取り戻せ、利益の出る体質を強化せよ、という経済界の掛け声と並行して、1990年代後半から、政府の「構造改革」による労働市場の規制緩和が強引に進められてきました。その歪みは、契約社員、パート、アルバイト、臨時社員、派遣社員、請負社員といった非正規社員の急増・固定化とリストラによって減らされた正社員の労働強化に現れています。
 「均等待遇」という視点を欠いた多様な雇用形態の拡大によって、非正規社員は、低賃金で雇用の打ち切りが可能な労働力として、構造的に企業の底辺に組み込まれ、若者、女性を中心に非正規社員にならざるを得なかった人々が増えています。彼らは、セーフティーネットであるはずの社会保険や労働保険など社会保障制度からもはじかれています。
 雇用の二極化による所得格差の拡大によって、最低限度の生活を営めない勤労世帯、いわゆるワーキングプアの出現は深刻な事態です。さらに、非正規社員は働き続けることに将来の希望が持てないことから、仕事と家庭生活の両立が困難となり、日本は少子化から抜け出せない、あるいは社会保障制度が持続できないなど、社会不安の要因にもなっています。
 年収200万円以下の給与所得者は1,022万人もおり、全労働者の3人に1人、若者や女性の2人に1人が非正規雇用で働いています。就職氷河期(1993年から10年間)に増加した非正規労働者と無業者が120万人に及び、77万4000人が潜在的な生活保護受給者であるという試算もあります。
 こうした問題は民間だけではなく、公務労働においても相当広がっています。落ち着いてよく考えてください。公務員の待遇がそんなに恵まれているのでしょうか。公務員が贅沢な生活をしているのでしょうか。
 労働をめぐる厳しい現状があっても、それに追随し、自治体やそれに関係する職場が労働条件を引き下げ、労働環境を悪化させる方向に舵を切ってもよいのでしょうか。そんなことをすれば、行き着くところは「官製ワーキングプア」です。そうではなく、必要なところはきちんと自治体がまもっていくべきです。そして、人間らしく生き働ける希望の社会を地域からつくる方策を、市民と「協働」して追求していくべきです。

質問⑪:民間委託によって、ワーキングプアにつながりかねない大量の低賃金・非正規雇用を生み出すことについての責任をどのように考えていますか?

 指定管理者制度とは違い、委託業者の業務に関わる情報が十分に伝わってこない可能性があります。調理員の労働条件や定着率について口を出すことはできません。給食センターの調理場がブラックボックスになりかねません。

質問⑫:委託業者が情報公開の対象外となることについての見解を求めます。委託に多額の税金が投入されることを考慮し、報告書などの提出や立ち入り検査を求めるべきではありませんか?それとも、請負は仕事の完成を目的とする契約なので、「関係ない」「関知しない」と考えているのですか?

質問⑬:現在、春、夏、冬の長期休業中、調理員(正規職員)はどのような業務に従事していますか?民間委託しても、従来と同水準の業務を求めるのですか?

 直営の調理師と委託業者の調理師で決定的に違うところは、直営の調理師は学校が夏休みの間でも給食の仕事をしています。すでに民間委託された自治体で、直営と委託の調理場を比較すると、長期休業中の作業(磨きものや大掃除などの)内容・量が全然違うという事例があります。
 それだけではありません。行政が主催する研修会に参加することはもちろん、組合で研修会や学習会を開いて給食について学び、調理師同士が交流して情報交換できます。
 一方、委託業者の調理師は自分たちで給食について学ぶ機会がありません。マニュアルで指示されたことしかやらず、指示されたこと以外にやってはならないことになっています。
 別に、委託業者やそこで働く調理員を卑下しているわけではありません。これは決して委託業者の調理員個人の問題ではなく、委託というシステムはそういうものです。個人で判断してはいけないシステムです。

質問⑭:学校給食を作るには高度の専門性と熟練が必要だと思いますか?それとも、献立と食材が同じであれば、直営の調理師が委託業者の調理師に替わるだけで、でき上がる給食は何も変わらないということですか?

 調理師は栄養士が作った献立に対する意図をくみ取り、料理形態や料理法、料理に合った食材が使われているか、衛生的な取り扱いができるか、時間が間に合うかを考えた上で調理作業をしています。学校給食が日替わり献立、大量調理であることを考慮すれば、学校給食全体を見回すことができる熟練された技術と能力が必要です。
 今日の質問でも厳しく指摘しましたが、一般論として、民間委託されると「利潤やコスト削減を追求せざるを得ず、公務労働の現場よりも労働条件が厳しくなる」「そのため、調理員が頻繁に入れ替わり、経験の少ない人が作るようになる」「それが給食の遅れ、異物混入、調味料の間違いなど安全・衛生上のトラブルの原因になる」「技術や専門性が高まらず、ますますマニュアル化作業が進行する」のではないか懸念されます。
 実際、東京都足立区では2005年1月、「学校給食調理業務委託ガイドライン」を通知し、「献立を複雑にしない、過分な作業を行わない」よう、献立を立てる栄養士に指示しています。委託業者の要望を受け入れて、調理業務の大幅な合理化を容認しています。足立区の例は、給食の民間委託の将来像ではないのでしょうか。

質問⑮:こうした懸念をどのように受け止めるのか、見解を求めます。

質問⑯:これまで給食の調理場で労働災害を申請する事故が起こったことはありますか?

 あってはならないことですが、食中毒や異物混入などの事故が起こった場合、食品衛生法によって委託業者が行政処分を受けます。これは当然のことです。

質問⑰:しかし、万が一何か起こった場合、社会的、道義的な責任について、江南市はどのように考えていますか?

(5) 教育委員会における議論 ☆

質問①:給食センターの民間委託について、教育委員会においてどのような議論がなされてきましたか?また、事務局は教育委員会にどのような報告をしていますか?

質問②:教育委員会定例会などでもっと議論されてしかるべきではないでしょうか?

(6) 学校給食の教育的意義と食育 ☆☆☆

 「学校給食法」(1954年制定)は、児童・生徒の心身の健全な発達に資することを目的に掲げています(第1条)。そして、「日常生活における食事について、正しい理解と望ましい習慣を養うこと」「学校生活を豊かにし、明るい社交性を養うこと」などを目標とし(第2条)、学校教育の一環とし位置づけています。それを裏付けるため、3条以下で国や地方自治体の任務が明記されています。
 しかし、「臨時行政調査会」いわゆる「臨調行革」(1981年設置)が学校給食の合理化、民間活力の導入を推進するよう指摘しました。これを受けて文部省は1985年、「学校給食業務の運営の合理化」を通知し、パートタイム職員の活用、共同調理場方式、民間委託の推進を打ち出しました。そして、2003年7月、文部科学省スポーツ・青少年局学校健康教育課長から全国の都道府県教育委員会にあてた事務連絡「学校給食の運営の合理化について」で、改めてその方針が確認されました。
 一方で、子どもを取り巻く社会環境が変貌し、子どもに対する食育の重要性が強調されるようになりました。1997年9月文部省保健体育審議会が「生涯にわたる心身の健康の保持増進のための今後の健康に関する教育及びスポーツの振興の在り方について」を答申し、「学校給食の今日的意義」が明記されました。また、2004年1月、中央教育審議会が栄養教諭制度の創設を柱とした「食に関する指導体制の整備について」を答申しました。そして、2005年4月、「学校教育法の一部を改正する法律」が施行され、栄養教諭制度がつくられました。さらに、「食育基本法」(2005年7月施行)第20条で学校における食育の推進が掲げられたことを受け、2006年3月に国の「食育推進基本計画」が公表されています。
 国も地方自治体も食育推進が時代の要請であることを認めながら、財政事情との兼ね合いによって、学校給食のあり方が大きく揺れ動いています。

質問①:これまで実施してきた学校給食についてどのように評価していますか?また、これからの給食はどうあるべきだと考えていますか?学校給食の教育的意義、国や地方自治体の動向に留意して述べてください。

質問②:食育推進することと民間委託は相容れないとは思いませんか?換言すると、学校給食は食育推進の中で大きな位置を占めるのではないでしょうか?

 国の食育推進基本計画では、2010年までに全ての都道府県と50パーセント以上の市町村で地域版の食育推進計画を作成・実施するという数値目標が盛り込まれています。

質問③:「江南市版食育推進基本計画」作成の進捗状況について説明してください。

 同様に、学校給食における地場産物の使用割合を30パーセント以上にするよう数値目標が定められています。

質問④:現在、地場産物の使用割合は何パーセントですか?

質問⑤:子どもたちに安全な食材を提供するという観点から、加工食品を減らし、地元の食材を増やしていくという方向性を明確に打ち出すべきではないでしょうか?





【給食費の値上げについて】

 食材の値上がりが続いており、すでに給食費を値上げした自治体があります。また、今後値上げせざるを得ないと考えている自治体もあります。
 江南市においては1997年度から今日に至るまで、小学校で1食200円、中学校で1食230円で給食が提供されています。

質問①:現在のところ、必要な食材を予算内で購入できていますか?また、予算内でまかなうためにメニューに工夫を凝らしていますか?具体的も2、3挙げてください。

質問②:給食費の値上げについて検討していますか?もし検討しているならば、その時期と値上げ幅について発表してください。

質問③:どうしても値上げに耐えかねて値上げせざるを得なくなった場合でも、あえて値上げせずに、市費を投入する考えはありませんか?

一般質問原稿① 後期高齢者医療制度をはじめとする医療政策の問題点について

2008年06月12日 | Weblog
【市が行なう事務】

 3月議会の議案質疑で、「老人クラブから市政よもやま塾の申し込みがあり、順次、説明を行っている」と答弁されました。しかし、まだまだ制度に対する周知・理解が進んでいるとは思えません。

質問:加入者(75歳以上の高齢者)に対して、今後どのように制度の周知を図っていくつもりですか?

質問:連日、江南市の保険年金課に後期高齢者医療制度について問い合わせや苦情が寄せられていると思います。その内容について、具体例を挙げて説明してください。

 市と広域連合の間で事務の役割分担が決められています。
 広域連合は、加入者の所得をもとに保険料額を決定し、軽減するかどうか判定しています。一方、市は加入者との窓口役を担い、加入や脱退届を受け付けます。保険証の配布や保険料の徴収も市が行ないます。

質問:保険証が届けられなかった場合がありましたか?その理由は何ですか?

 江南市には被保険者が8,660人おり、うち20パーセントにあたる1,732人が保険料を窓口納付(普通徴収すると推計されています(3月議会答弁)。広域連合から保険料額決定の通知書が、市から納付書が、それぞれ8月に送付されます。

質問:保険料の納付率(普通徴収に限る)はどのくらいを想定していますか?その根拠も示してください。

 国民健康保険の被保険者の時に保険料を滞納していた人は、未納になる可能性が他の人よりも高いと思われます。

質問:保険料に関する事務が膨大ですが、納付率向上に向けてどのような取り組みをしますか?

 これまでサラリーマンに扶養されていた人(被扶養者)は保険料が3月までゼロだったため、負担緩和の特別措置で、9月までは免除されています。そのため、保険料額の通知書・納付書が送付されるのは10月になります。それゆえに不安を駆り立てていると思われます。
 それまでは市も広域連合も、健康保険組合などに加入するサラリーマンや、その扶養家族については「国保の加入者ではない」ということしか分かりません。被用者保険の本人か被扶養者かも把握できません。

質問:被用者保険の本人や被扶養者に対しては、10月直前まで何も対応できないということですか?こうした人々についての情報は、いつごろ診療報酬支払基金から届くのですか?

【保険料負担】

 国民健康保険から後期高齢者医療制度に移行した人々の保険料について、6月4日、厚生労働省が調査結果を公表しました。それによると、全体的には69パーセントの人々の保険料負担が減りました。しかし、所得階層別に見ると、低所得世帯(年金収入177万円未満)ほど負担増となった割合が高く(39パーセント)、一方で高所得世帯(年金収入292万円以上)の約8割が負担減となりました。
 当初、厚生労働省は、「低所得者は負担が軽減され、高所得者は負担が増える」と説明してきました。同様に、3月定例会の議案質疑で「……、負担能力に応じて負担していただくとともに、……」と答弁されました。しかし、それらと相反する結果が出ました。

質問:厚生労働省の調査結果(概要)についてどのように評価していますか?また、3月議会のあの答弁は誤りだったということでしょうか?

 調査は、所得や世帯構成が異なる12種類のモデル世帯について、保険料の変化を全国1830市区町村ごとに試算しました。

質問:江南市において保険料が軽減されたモデル世帯はどのような世帯ですか?逆に、保険料負担が増えたモデル世帯はどのような世帯ですか?

質問:全国的な傾向として、低所得者ほど負担増となった要因は何ですか?

 保険料は、所得に応じて支払う「所得割」と、全員が等しく払う「均等割」を合計して決められます。しかし、軽減方法は所得割と均等割で異なります。所得割は、一人ひとりの所得を基準に判定されます。一方、均等割は、「世帯」収入を基準に軽減されるかどうか判定されます。
 また、医療にかかった場合の自己負担割合(1割か3割か)も、「世帯」収入を基準に決められます。

質問:制度への加入や保険料負担でことさら「個人」を前面に出しておきながら、保険料の軽減や自己負担割合についてだけ「世帯」で判定とすることはご都合主義ではありませんか?

 さらに、被扶養者(全国で200万人)が新たに保険料を負担することを考慮すると、相当多くの高齢者が負担増となります。厚生労働省の調査は実態を反映しているかどうか疑問です。

【65歳から74歳までの障害認定1、2、3級の高齢者】☆☆☆

 65歳から74歳までの障害認定1、2、3級の高齢者(全国で49万人)は、75歳以上の高齢者とともに老人保健制度の対象者でした。ですから、例えばサラリーマンの子の被扶養者となっているような場合、保険料の自己負担がなく、医療費の窓口負担が1割でした。さらに、窓口負担に対しても都道府県と市町村が2分の1ずつ助成してきたため、事実上無料でした。
 そして4月から後期高齢者医療制度がスタートし、老人保健制度が廃止されました。よって、後期高齢者医療制度に任意加入するか、被扶養者などとしてとどまるか「選択」することになりました。
 ところが、愛知県では後期高齢者医療制度に加入しなければ(被保険者でなければ)、障害者対象の福祉医療の助成が受けられなくなりました。
 この問題に関して、愛知県の神田知事は、5月19日の記者会見で次のように言及しています。
 「………、できるだけある制度をうまく活用するというような考え方に基づいております。」「(以前は)老人保健の方に加入していただいて、それを前提にして医療費の助成をしようと。したがって、愛知県の場合は、今回でそれを特別変えたということではございません。」「………、当面、今すぐこれを変えてどうしようというような考え方は、県としては持っておりません。」「………、国がこうせい、ああせいと言うたぐいのものではないと私は思っております。」
 つまり、神田知事の話をまとめると、「65歳以上の障害者にはこれまで老人保健医療制度に入ってもらい、自己負担を無料にしてきた。だから、福祉医療の助成を受け続けたいならば、この制度から移行した後期高齢者医療制度に入ってもらうことが必要だ」ということです。神田知事は「問題なし」「見直す必要がない」と考えています。

質問:65歳から74歳までの障害認定1、2、3級の高齢者は何人いますか?

 老人医療の障害認定を受けていた人は、自動的に後期高齢者医療制度で障害認定を受けたものとみなされます。

質問:選択にあたって、対象者にはどのような説明をしましたか?対象者は加入にあたって特段の手続きが不要であり、全員が後期高齢者医療制度に加入したということですか?

質問:後期高齢者医療制度に加入することでこれまでよりも負担増となるのは、どのような人ですか?
・ 被扶養者は新たな保険料負担が求められる。
・ 国民健康保険の加入者など保険料を本人負担してきた障害者も、所得や住む地域によって新制度の保険料の方が高くなる場合もある。

 後期高齢者医療制度へ加入しなければ、窓口負担が4月以降は65~69歳は3割、70歳~74歳は2割(今年度は1割)にアップします。制度上、障害認定を受けた人が、認定に係る申請を撤回する旨の申し出を行った場合に、将来に向かって認定を取り消すことが可能となっています。

質問:後期高齢者医療制度に加入しなかった人に対して、その理由を尋ねましたか?また、窓口での自己負担が増えることを説明しましたか?

 中日新聞(4月17日朝刊)に掲載された障害者の声を紹介します。
 「後期高齢者医療制度を選ぶより他にない。どうして同じ年代の健常者が、被扶養者で保険料を払わなくてもいいのに、障害者だと払わなければいけないの。」(68歳女性、これまでは被用者保険の被扶養者)
 「保険料の天引きは、健常者が75歳からなのに、障害者は65歳から。医療費の自己負担を免除されているから、早く払えということ?」(70歳女性、これまでは国民健康保険の被保険者)
 当事者の声から、新たに保険料を負担しなければならない被扶養者、保険料の負担が増える人がいることがよく分かります。

質問:なぜ、後期高齢者医療制度への加入を福祉医療助成の条件にしたと思いますか?事実上の強制加入ではありませんか?

質問:後期高齢者医療制度に加入させずに助成を続けた場合の影響額はいくらですか?

 条件をつけたのは、自治体の負担軽減が目的ではないのでしょうか。非加入者の窓口負担を従来通り無料にするには、その分必要な公費が増えます。愛知県の試算では14億円増えます。制度のツケを障害者に回すものであるということを、声を大にして申し上げておきます。

【意見等の上申】☆☆

 3月議会の議案質疑で、「広域連合に関するもの(意見等)は広域連合が開催する担当課長会議などにおいて伝える」と答弁されました。
 低所得世帯の負担増や65歳から74歳までの障害認定1、2、3級の人々の事実上の強制加入などが相次いで深刻な問題が明らかになっています。

質問:現在、江南市として伝えたい意見や要望には、どのようなことがありますか?また、愛知県に対して意見を言う機会がありますか?

【高齢者担当医制度】☆☆☆

 厚生労働省のまとめでは、2008年4月14日現在、高齢者担当医に登録しているのは、全国37,000人の内科開業医の23.6パーセント、8,876人にとどまっています。

質問:どのようにして高齢者担当医を選ぶのですか?愛知県内で担当医は十分に確保されていますか?

質問:高齢者が担当医をつけることを拒否できますか?拒否したら不利益を被ることがありますか?

質問:高齢者担当医制度をどのように評価していますか?

 厚生労働省は、高齢者担当医について、「ご本人が選んだ高齢者担当医が、病気だけではなく、気分が落ち込んでいないか、日常生活に支障はないかなど心と体の全体を診て、外来、入退院、在宅医療まで継続して関わる仕組み」であると説明しています。舛添厚生労働大臣も「あなたの体のことを全部知っていて、夜でも往診に行って、なんでもかんでも見てくれるお医者さん」であると言いました。
 しかし、本当にそうでしょうか。
 後期高齢者医療診療料は、出来高払い方式から包括払い方式(定額制、月額6,000円、自己負担600円)に変わります。その算定については、1ヵ月間、1人の患者が1つの「主病」(慢性疾患)を持った人とみなされ、その主病を管理するのは1つの医療機関、主治医に限られるという「主病ルール」が持ち出されています。
 つまり、1ヵ月に何回受診しても検査や処置などの費用は毎月同じ診療報酬です。決まった額の中で医療行為をするため、検査や処置をするほど赤字になる仕組みです。何回検査しても同じ報酬なら、利益のために必要な検査を減らす医師が出てくるかもしれません。患者を囲い込むおそれもあります。
 また、複数の病気を持つ患者を、複数の医師が連携してみることがありますが、その場合、他の病院は診療料を請求できません。

質問:もし他の病気を発症した場合などに、フリーアクセスが制限されることになりませんか?「登録医制度」へ道をひらくものではないでしょうか?

 そもそも、主病は1つという厚生労働省の考え方にまったく医学的根拠がないという批判もあります。病気ごとに異なる医師にかかっている現状では、「主病」を1つに限定し、「主治医」を決めることは困難です。
 担当医制度導入の目的は医療費抑制であることが明らかです。

質問:高齢者に医療費をいくら使っているかをどのように認識させるのですか?

【健康診査、保健指導】☆☆

 後期高齢者医療制度では75歳以上の健康診査、保健指導が努力目標に格下げされました。徳島県後期高齢者広域医療連合は、健康診査の対象を、歯科を含め直近一年間で一度も病院にかかっていない人に限定しました。そのため、97パーセントもの人々が健康診査から除外される異常事態になっています。
 しかし、愛知県後期高齢者広域連合は実施する予定である、とうかがっています。

質問:今後実施される健康診査とこれまで江南市が実施していた基本健康診査には、内容面の違いがありますか?

質問:生活習慣病を持った人など特定人が除外されることはありますか?

 健康診査は広域連合から江南市に委託されます。その上、国保において特定健康診査(いわゆるメタボ健診)を実施することが義務づけられます。政府は市町村向けに保健師4,300人分の財源を手当てしています。しかし、保健師や栄養士の不足で保健指導の体制が組めずに、うわべだけの健診や薬、サプリメントに頼ることになれば、逆に医療費がかさみます。

質問:現在の市の職員体制(保健センター)で十分な対応ができますか?職員の増員を検討する考えはありますか?

 当初、健康診査を有料(1,000円)で実施するとしていましたが、結局今年度は有料化が見送られました。

質問:来年度以降は有料で実施するのでしょうか?

【特定健康診査、特定保健指導】☆☆☆

 3月に「健康日本21こうなん計画」の中間評価が公表されました。「生活習慣病」(成人病)については、8指標34項目のうち明らかに悪化したものが7項目ありました。実際に、基本健康診査やがん検診の受診率が目標値を下回りました。基本健康診査については目標値59.5パーセントに対して、2006年度実績が58.0パーセントでした。

質問:基本健康診査の受診率が目標値に届かなかったことをどのように受け止めていますか?

質問:目標値をクリアすべく、江南市としてどのような取り組みをしてきましたか?

質問:基本健康診査と特定健康診査には、内容面で違いがありますか?健診の実施主体が変わるだけですか?

 「健康日本21」など、健康診査と成人病予防を連動させるプランがなぜうまくいかなかったのか、といえば、労働環境や働き方の問題とリンクしていなかったからです。本来は労災・職業病の範疇でとらえられるべき疾病が自己責任に帰せられ、この傾向は成人病が「生活習慣病」と言い換えられることによってますます強まりました。
 そもそもメタボ体型ならば成人病リスクがこれだけ上るという確かなエビデンス(証拠)はありません。診断基準も疑問視されています。腰回りが基準値以下でも、成人病になる可能性があるといわれています。ところが、特定健康診査の受診率や保健指導率、メタボ該当者・予備群の減少率といった数値目標を自治体ごとに設定することが義務づけられます。数値目標を達成できなければ、その自治体が健診を手抜きしたとみなされて、後期高齢者医療制度への支援金が最大10パーセント増額されます(5年後から実施)。

質問:具体的にどの程度の数値目標を設定しますか?あわせて、その算定根拠についても説明してください。

質問:本当に新たな数値目標を達成することができるのでしょうか?

質問:国の健康管理政策において競争原理が導入され、かつ懲罰的手法が導入されるのは初めてのことですが、これについての見解を求めます。

 世代間の連帯を、懲罰を背景に調達する制度なんてありえません。罰則が課されると、太っている人に対して風当たりが強まらないのか心配されます。そもそも健康管理に国がどこまで介入すべきか、という問題もあります。

質問:今年度、江南市の国民健康保険から後期高齢者支援金に拠出する金額は、これまでの老人保健制度時の拠出金と比べて、何パーセント減りますか?
 
 一方、組合健保は8パーセント強増えます。なぜかと言えば、この支援金は、ゼロ歳から74歳までの加入者数かける1人頭42,000円で算出しますが、後期高齢者医療制度に移った75歳以上の人の数が組合健保は少なかったからです。
 しかし、今後のメタボ健診の目標達成については、職場の現役男性中心で、健診を民間委託できる財政的余裕もある組合健保が有利なのに比べ、地域型で女性が多く、そもそも受診率が低い国保は苦しくなります。「健康日本21こうなん計画」では、基本健康診査の受診率の目標値が60%(2010年度)とされています。
 本当はメタボが後期高齢者の病気を増やすという根拠が存在しないにもかかわらず、7割が女性を占め、またメタボ健診の対象から外されている後期高齢者の医療費の問題と、現役世代の男性が中心のメタボとを、医療費抑制の観点から無理やり結びつけた無理が、ここに表れています。ただ、唯一の例外は糖尿病で、高齢者の脳血管障害の原因疾患になるおそれが高くなります。
 これからの健診体制充実に向けては、経過観察が必要な糖尿病、地域によって健診実施や対策計画立案状況のバラつきがあるがん、職場環境に起因することが多い精神疾患にフォーカスをあてた改善が重要です。

質問:糖尿病やがん、精神疾患についての健診体制を充実させていくために、何らかの対策を講ずるべきではありませんか?

質問:職場健診を受けていない中高年のフリーターなどをフォローするための方策を検討するべきではないでしょうか?

【制度のあり方】☆☆☆

 自民党は6月9日、「『長寿医療制度』に関する地方自治体向けアンケート結果について」を公表しました。全国の全ての都道府県、市区町村の首長に対して、後期高齢者医療制度への賛否とその理由、さらに反対の場合、どのよう案制度にしたら良いと考えているのかについて質問しました。
 1180の首長がこれに回答しました(回答率64パーセント)。その結果、賛成84パーセント、反対10パーセント、どちらとも言えない6パーセントでした。

質問:江南市はこのアンケートに回答しましたか?(回答したならば、)賛成、それとも反対と答えましたか?その理由とあわせてお答えください。

 5月23日、社民党、民主党、共産党、国民新党の野党4党が、「後期高齢者医療制度の廃止等及び医療に係る高齢者の負担の軽減等のために緊急に講ずべき措置に関する法律案」(いわゆる後期高齢者医療制度廃止法案)を参議院に共同提出しました。6月6日、参議院本会議で野党の賛成多数で可決されました。

質問:制度に対する厳しい国民世論や国会の動きを、市民に身近に接する基礎的自治体の責任者としてどのように受け止めていますか?

 後期高齢者医療制度は、医療費が一番かかる人々、言い換えれば、医療を最も必要としている75歳以上の高齢者と65歳から74歳で一定の障害のある人たちを別枠にして、従来の医療保険から切り離し、費用の調整、医療の内容などについて、操作をしやすくするものです。これはまさに“排除の論理”そのものであり容認することはできません。
 今日の質問からもいろんな問題点が明らかになりました。

質問:後期高齢者医療制度を即刻廃止すべきだと思いませんか?少なくとも、抜本的な見直しが必要であると認識されていますね?

 医療、健康は人権です。命の格差を求めることはできません。後期高齢者医療制度を廃止して、命と生活を守る医療を実現しなければなりません。

【医療費抑制策】☆☆

 4月から「処方箋」の記載の仕方が少し変わりました。新薬を使うか、新薬の特許が切れた後に同じ成分で作られる後発薬(ジェネリック)を使うかで、ジェネリックの使用が「不可」の場合だけ、処方箋右下の欄に医師がサインすることになりました。以前はジェネリックを使ってもいい場合にサインしていました。つまり、 「原則」と「例外」が入れ替わりました。値段が新薬の2割から7割と安いジェネリックの使用を増やす狙いがあります。

質問:医療費の高騰を抑制するためにジェネリックの使用を勧めていきますか?

 同じ内容の治療や薬であっても、それを受ける曜日や時間帯によって医療費が変わってきます。一例として、2日分の処方薬をもらったとある市民の方の領収書と説明書のコピーをお渡ししました。
 また、薬を入れる袋や説明書も料金に含まれており、無料サービスではありません。

質問:わずかな金額かもしれませんが、医療費を抑制するために、こうしたことがらを市民に広く周知していくべきではないでしょうか?

【福祉給付金】☆☆

 愛知県は、一人暮らし・市民税非課税の73歳以上の高齢者を対象に、自己負担1割分を、市と折半して負担してきました。しかし、今年度から一人暮らし高齢者を無料化の対象から外し、年齢も75歳以上に引き上げました。その助成も7月で打ち切られます。
 江南市は助成割合をこれまでの半分にして、1年間の経過措置(来年9月まで)を取るとしています。

質問:福祉給付金の受給対象者は何人いましたか?

質問:なぜ来年9月で経過措置を打ち切るのですか?なんとか助成を継続することはできませんか?その場合、どのぐらいの財源が必要となりますか?

6月12日、市議会本会議で一般質問します。

2008年06月06日 | Weblog
 来週から市議会6月定例会が開会されます。もちろん、市議会本会議で一般質問します。

 とき:6月12日(木) 10:30過ぎ~(正午には終了)
 ところ:江南市議会本会議場(市役所3階)
 質問内容(通告事項)
  (1)後期高齢者医療制度をはじめとする医療政策の問題点について
  (2)学校給食について
     ①学校給食センターの民間委託問題
     ②食育・食の安全
  (3)自殺対策について

 ☆お時間がございましたら、ぜひ傍聴にお越しください。よろしくお願いします。

ご意見・ご要望をお寄せください。

2008年06月02日 | Weblog
 いよいよ、来週月曜日(9日)から市議会6月定例会が開会します。今、一般質問の準備をしています。

 今回は、・・・・・・

 ●後期高齢者医療制度について
   65歳から74歳までの重度障害者の「強制加入」
   担当医制
   特定健康診査(メタボ健診)
   ジェネリック薬品の使用促進
   制度のあり方-廃止しかない!-
 ●学校給食について
   北部学校給食センターの調理・ボイラー業務の民間委託
   食の安全、食育の推進
   給食費の値上げ
 ●自殺対策について
   自殺予防教育
 ●その他
   学童保育

 上記4つのテーマで質問する予定です。これらについて、どんな小さなことでも結構ですので、ご意見・ご要望をお寄せください。どうぞよろしくお願いします。

 メール:info@yamatoshihiro.com
 電話・ファックス:(0587)55-4739