私が執筆した原稿が「月刊社会民主」2009年8月号(No.651、社会民主党全国連合機関紙宣伝委員会発行、定価630円)に掲載されました。
「社民ユース議員が語る なぜ今、社民党なのか」と題する特集に原稿を寄せました。以下、その原稿の全文をUPいたします。ご一読いただければ幸いです。
「二大政党にはない政策を」
愛知県江南市議会議員 山 としひろ
「社民党では選挙に勝てない」「社民党をやめたら応援してあげる」―社民党議員であれば、幾度となくこうしたアドバイス”を受ける。
確かに議員になることだけが目的の人にとっては、今の社民党に「利用価値」はないだろうし、別の選択肢があるだろう。しかし、大切なことは何のために議員になるのかである。
植民地支配、在日コリアン、日本軍性奴隷、歴史教科書、沖縄戦、ユダヤ人虐殺……私は学生時代に比較人権論ゼミに所属したことがきっかけで、抑圧された人びと・地域の歴史問題に関心を抱くようになった。長期休暇を利用して沖縄、韓国、ドイツなど現代史の跡をたずねて回った。そして、どうして私たちと同じ人間が非人間的境遇に追いやられてしまったのか、人間であることをやめさせられてしまったのかという問いを突きつけられた。明確な答えを見い出したわけではないが、「政治は強きを挫き弱きを助けるためにあるべきだ。政治が人間を苦しめることがあってはならない」と確信し、社民党議員を志した。
ここで改めて詳細な実績を述べるまでもなく、社民党は何の見返りを求めるわけでもなく、社会党時代から一貫して社会的弱者・マイノリティの人権擁護のために活動してきた。そこに社民党の魅力がある。総選挙を前にして「構造改革路線」の功罪が議論されているが、明らかにこの10年間であらゆる分野で格差が拡大し、「生きる」という人間固有の権利すら脅かされるまでになった。若者が未来に希望を持てない世の中になってしまった。こんな時代だからこそ、大衆迎合的なバラマキ施策ではなく、基本的人権という普遍的価値を訴えてきた社民党の存在こそ重要である。
そんなわけで、私は議員になってから一貫して弱い立場にある人にやさしい政治の実現を訴えてきた。生活保護制度や就学援助制度の運用、若者・子どもの貧困や格差、ひとり親への経済的支援、自殺対策、非正規公務員の処遇改善と官製ワーキングプア……議会質問ではこれまで他党議員がほとんど取り上げていなかった問題に光をあててきた。
しかし、いくら自治体に要求・要望を突きつけても、自治体は国政の悪影響をもろに受けもがき苦しんでおり、国の制度を抜本的に転換しなければ真の問題解決につながらないことが分かってきた。
少数野党であることに劣等感や悲壮感を感じる必要はない。与野党逆転・政権交代の実現を訴えると同時に、二大政党にはない「小回り」がきいた政策を愚直に訴えていけば、必ず道は開かれる。
■山登志浩(やま・としひろ)29歳
2006年3月、立命館大学大学院社会学研究科修士課程修了。2007年4月、江南市議会議員選挙初当選(党公認4位)。現在、党愛知県連合副幹事長(組織担当)。NPOタンザニアの教育を支える会事務局長。趣味…旅行、水泳、盆踊り。
この特集には、私の仲間の議員も原稿を寄せています。詳細は「月刊社会民主」をご覧ください。
稲森稔尚さん(三重県伊賀市議会議員、25歳) 「大切なのは『支えあい』」
仲村未央さん(沖縄県議会議員、37歳) 「社会全体の安心感へと」
玉造順一さん(茨城県水戸市議会議員、38歳) 「市民との信頼関係大切に」
川口洋一さん(大阪府高槻市議会議員、34歳) 「生き心地の良い社会を」
「社民ユース議員が語る なぜ今、社民党なのか」と題する特集に原稿を寄せました。以下、その原稿の全文をUPいたします。ご一読いただければ幸いです。
「二大政党にはない政策を」
愛知県江南市議会議員 山 としひろ
「社民党では選挙に勝てない」「社民党をやめたら応援してあげる」―社民党議員であれば、幾度となくこうしたアドバイス”を受ける。
確かに議員になることだけが目的の人にとっては、今の社民党に「利用価値」はないだろうし、別の選択肢があるだろう。しかし、大切なことは何のために議員になるのかである。
植民地支配、在日コリアン、日本軍性奴隷、歴史教科書、沖縄戦、ユダヤ人虐殺……私は学生時代に比較人権論ゼミに所属したことがきっかけで、抑圧された人びと・地域の歴史問題に関心を抱くようになった。長期休暇を利用して沖縄、韓国、ドイツなど現代史の跡をたずねて回った。そして、どうして私たちと同じ人間が非人間的境遇に追いやられてしまったのか、人間であることをやめさせられてしまったのかという問いを突きつけられた。明確な答えを見い出したわけではないが、「政治は強きを挫き弱きを助けるためにあるべきだ。政治が人間を苦しめることがあってはならない」と確信し、社民党議員を志した。
ここで改めて詳細な実績を述べるまでもなく、社民党は何の見返りを求めるわけでもなく、社会党時代から一貫して社会的弱者・マイノリティの人権擁護のために活動してきた。そこに社民党の魅力がある。総選挙を前にして「構造改革路線」の功罪が議論されているが、明らかにこの10年間であらゆる分野で格差が拡大し、「生きる」という人間固有の権利すら脅かされるまでになった。若者が未来に希望を持てない世の中になってしまった。こんな時代だからこそ、大衆迎合的なバラマキ施策ではなく、基本的人権という普遍的価値を訴えてきた社民党の存在こそ重要である。
そんなわけで、私は議員になってから一貫して弱い立場にある人にやさしい政治の実現を訴えてきた。生活保護制度や就学援助制度の運用、若者・子どもの貧困や格差、ひとり親への経済的支援、自殺対策、非正規公務員の処遇改善と官製ワーキングプア……議会質問ではこれまで他党議員がほとんど取り上げていなかった問題に光をあててきた。
しかし、いくら自治体に要求・要望を突きつけても、自治体は国政の悪影響をもろに受けもがき苦しんでおり、国の制度を抜本的に転換しなければ真の問題解決につながらないことが分かってきた。
少数野党であることに劣等感や悲壮感を感じる必要はない。与野党逆転・政権交代の実現を訴えると同時に、二大政党にはない「小回り」がきいた政策を愚直に訴えていけば、必ず道は開かれる。
■山登志浩(やま・としひろ)29歳
2006年3月、立命館大学大学院社会学研究科修士課程修了。2007年4月、江南市議会議員選挙初当選(党公認4位)。現在、党愛知県連合副幹事長(組織担当)。NPOタンザニアの教育を支える会事務局長。趣味…旅行、水泳、盆踊り。
この特集には、私の仲間の議員も原稿を寄せています。詳細は「月刊社会民主」をご覧ください。
稲森稔尚さん(三重県伊賀市議会議員、25歳) 「大切なのは『支えあい』」
仲村未央さん(沖縄県議会議員、37歳) 「社会全体の安心感へと」
玉造順一さん(茨城県水戸市議会議員、38歳) 「市民との信頼関係大切に」
川口洋一さん(大阪府高槻市議会議員、34歳) 「生き心地の良い社会を」