2016年7月11日
第24回参議院議員通常選挙の結果について(声明)
社会民主党
昨日、第24回参議院議員通常選挙が投開票されました。社民党は、「アベ政治の暴走を止める」とのスローガンを掲げて、比例代表で現職2名を含む公認7名、選挙区で公認4名を擁立し、「2議席以上、250万票以上」の獲得目標に向け総力を挙げました。しかし、改選2議席を死守できず、当選は1名のみと極めて厳しい結果となりました。社民党の政策や主張に期待し投票してくださった方々に、心から感謝申し上げるともに、温かいご支援・ご声援をいただいた国民・有権者の皆さんのご期待に沿えなかったことをお詫びいたします。
32の1人区では、社民党が野党共闘の「要石」として、候補者一本化と共通政策策定に努力し、4野党(社民・民進・共産・生活)統一候補を実現し、また2人区でも野党候補3名を推薦し、全員当選をめざして闘いました。候補者は各地で互角の戦いを繰り広げ、14名(うち1人区11名)の当選をかちとることができました。なかでも、福島での野党統一の増子輝彦候補の当選や、「オール沖縄」の闘いによる伊波洋一候補の当選は、現職2閣僚を下す成果を上げました。
社民党は、今回の参院選を、民主主義・立憲主義・平和主義を国民の手に取り戻し、憲法改悪を阻止する極めて重要な闘いと位置づけ、国民のいのちと暮らしを壊す「アベ政治」の危険性を訴えました。①戦争をしない国・辺野古新基地阻止をめざす、②消費税増税中止・社会保障の充実・労働者保護など暮らしと雇用の再建、③給付型奨学金制度をはじめすべての若者に居場所と希望をつくる、④原発再稼働に反対・脱原発社会の実現、⑤TPP参加に反対・農林水産業と地域を守る、⑥被災地を切り捨てず人間の復興の実現-を訴えた社民党の6つのビジョンは、「アベ政治の暴走」に苦しめられている人々の共感を得ているという確かな手応えがありました。
しかし、「アベノミクス」をカモフラージュにした意図的な「争点隠し」、中身のない「野合批判」を繰り返す与党の戦法によって、国民の最大の関心事である「社会保障・消費税・憲法・原発」という本来の「争点」がぼかされ、安倍政権の対極にある社民党の政策や主張を十分に浸透させることができませんでした。また、安倍首相が選挙戦が始まってからの党首討論から逃げたことや、参議院選挙より東京都知事選挙を優先する報道姿勢の歪みも一因となって、国民の関心が低下し、投票率は前回を上回ったものの、戦後4番目の低さとなりました。今回初となる合区選挙区では、候補者の声が地域に十分行き届かなかったなどの問題点も浮き彫りになりました。それでも、厳しい闘いのなかで奮闘する候補者、党員、支持者の皆さんの思いが大きな輪へとつながり、比例代表では前回の約126万票を上回る150万票を超える得票を獲得し、得票率も2.4%から2.7%に伸ばすことができ、18歳になったばかりの若者をはじめ、多くの市民の皆さんとの新たな絆をつくることができました。社民党は、この新たな絆を原動力として、党の再建・再生を進めるため、真剣な総括論議を始め、「市民に政治を取り戻す」ための新たなスタートを切る決意です。
今回、自公に改選定数の過半数61を上回る結果を許し、改憲勢力による非改選議席を合わせ、憲法改正案の発議に必要な「3分の2」以上の議席を確保することを阻むことはかないませんでした。今後、今回の選挙結果をもって「国民の信任を得た」とする安倍政権によって、「戦争する国」への総仕上げとなる「明文改憲」が大きな焦点に浮上してくるでしょう。最初の改憲項目に想定される「緊急事態条項」の創設は、政府に全権・白紙委任状を渡すことによって憲法9条までもが骨抜きにされる危険性をはらんでいます。しかし、憲法改悪が議論される国会だからこそ、護憲政党である社民党が、しっかりと役割を果たさなければなりません。院内外での4野党共闘をさらに強め、現在の政治状況に危機感を持つ人々とともに、集団的自衛権の閣議決定撤回、「戦争法廃止法案」の成立を追求して、何としても「平和憲法」の改悪を阻止しなければなりません。
今日から新たな闘いが始まります。「平和」を願う市民の力が試される時です。新たに有権者となった18・19歳の若者も、投票して終わりではなくこれからの政治の行方を見極めてください。社民党は多くの方々の励ましを糧にして、その期待に応えるべく、決してあきらめず、護憲政党としての活動実績と誇りをかけて、憲法改悪・平和破壊の「アベ政治の暴走を止める」ために国会の内外で奮闘します。そして、日本で唯一の社会民主主義政党として、これからも皆さんと手を携えて、一人ひとりのいのちや暮らしが大切にされる「日本国憲法」の理念を活かした社会の実現に全力で取り組みます。
以上