平成22年9月30日群馬県議会、9月定例会の一般質問で岩井 均議員(安中市選出)が「富岡製糸場と絹産業遺産群」の世界遺産登録推進について質問し、群馬テレビで放映されました。その質問と大沢県知事の答弁内容の概要は、おおむね次の通りでした。
岩井議員
県の世界遺産学術委員会では、どのようなことが議論されているのか。また、構成資産を確定する時期が近づいているが、10ヶ所の構成資産の見直しをどのように考えているのか。
知事
昨年7月に世界遺産や建築、日本近代史などの専門家5名からなる世界遺産学術委員会を組織し、これまで7回の会議を開催した。
委員会では、富岡製糸場は産業遺産としてきわめて価値が高く、富岡製糸場を中心としたシンプルなストーリーにすべきとの意見や、群馬の養蚕・製糸業が、世界の絹産業の発展に貢献した点を強調すべきだという方向で意見が集約された。
平泉が登録延期になったように、ユネスコの世界遺産登録審査は、年々厳しく、シリアルノーミネーションの場合、個々の資産にも厳密な価値の証明が求められる。このため、学術委員会では、国の文化財指定が難しいものや、産業遺産でないもの、複数の同じ種類のものを、構成資産とすることは難しい、との意見が示されている。
岩井議員
すると、産業業遺産でない「薄根の大クワ」、2つある「風穴」、国指定でない「甘楽社の小幡組倉庫」や「旧上野鉄道関連施設」など4ヶ所程度、除かれる方向か?
しかし、ベストの推薦書を作るためにも4ヶ所程度、除かれるのはやむを得ないと思うが、見直しにより構成資産から外れた資産についても、構成資産と同等の扱いをしていただきたい。
知事
県には世界遺産暫定一覧表に記載された「富岡製糸場と絹産業遺産群」を始め、養蚕・製糸・織物に関する数多くの絹産業遺産は全て大切な文化遺産である。
そこで、県は構成資産の対象にならなかったものも含め、絹産業遺産を網羅した仮称でありますけれど「ぐんま絹遺産ネットワーク」を新たに構築し、その保存や活用を支援していきたい。
岩井議員
伊勢崎の島村にある田島家を市教委が国指定史跡に申請する方針を固めたという話があるが、こういったものを入れると平成24年度に登録目標が日程的に難しくなってきていると思います。今後のスケジュールと登録に向けた見通しは、いかがでしょうか。
知事
これまで、本県は早ければ平成24年度の世界遺産登録を目指して、構成資産の国文化財への指定や、学術委員会・国際会議の開催、県内外への普及啓発活動に積極的に取り組んできた。しかし、世界遺産の登録審査が年々厳しく、文化庁は、新規の登録申請にはきわめて慎重で、本年は、ユネスコへの推薦書提出を行わない意向である。このため、平成24年度の登録は、断念せざるを得ない状況にある。
こうした現状をふまえ、平成25年度以降の早期登録実現に向けて学術委員会での検討をさらに進め、本年11月には国際会議を開催し、国内外の専門家の意見を参考にし、早期に推薦書を完成したい。
登録の見通しについては「富岡製糸場と絹産業遺産群」は、日本が初めて産業革命を成し遂げる原動力となり、世界の絹産業の発展に貢献した重要な資産群であることが、国内外の研究者にも広く認識されており、登録の可能性は十分にある。
岩井議員
私も委員会等でも最善の推薦書を作成するためには1年、2年遅れてもやむを得ないのではないかと申し上げてきた。平成24年度の登録は断念であるが、登録の見通しは十分にあるということですので、今後ともしっかりと取り組んでいただき、登録を目指していただきたい。
★議員・知事からこのような質疑答弁がなされています。平成24年の登録にはならないができるだけ早く群馬県の養蚕・製糸の産業遺産群を構成資産として推薦書の作成に取り組んでいく姿勢が明らかになりました。
伝道師協会も多少の構成資産の変更は予想されるにしても、基本的な考え方は今までの運動の延長線上にあることをしっかりと踏まえて、さらに広汎な運動を展開できるよう、体制をさらに整えて、息の長い運動をしていきます。伝道師の皆さん頑張りましょう。また、応援してくださっている多くの方々、今後ともよろしくお願いいたします。
岩井議員
県の世界遺産学術委員会では、どのようなことが議論されているのか。また、構成資産を確定する時期が近づいているが、10ヶ所の構成資産の見直しをどのように考えているのか。
知事
昨年7月に世界遺産や建築、日本近代史などの専門家5名からなる世界遺産学術委員会を組織し、これまで7回の会議を開催した。
委員会では、富岡製糸場は産業遺産としてきわめて価値が高く、富岡製糸場を中心としたシンプルなストーリーにすべきとの意見や、群馬の養蚕・製糸業が、世界の絹産業の発展に貢献した点を強調すべきだという方向で意見が集約された。
平泉が登録延期になったように、ユネスコの世界遺産登録審査は、年々厳しく、シリアルノーミネーションの場合、個々の資産にも厳密な価値の証明が求められる。このため、学術委員会では、国の文化財指定が難しいものや、産業遺産でないもの、複数の同じ種類のものを、構成資産とすることは難しい、との意見が示されている。
岩井議員
すると、産業業遺産でない「薄根の大クワ」、2つある「風穴」、国指定でない「甘楽社の小幡組倉庫」や「旧上野鉄道関連施設」など4ヶ所程度、除かれる方向か?
しかし、ベストの推薦書を作るためにも4ヶ所程度、除かれるのはやむを得ないと思うが、見直しにより構成資産から外れた資産についても、構成資産と同等の扱いをしていただきたい。
知事
県には世界遺産暫定一覧表に記載された「富岡製糸場と絹産業遺産群」を始め、養蚕・製糸・織物に関する数多くの絹産業遺産は全て大切な文化遺産である。
そこで、県は構成資産の対象にならなかったものも含め、絹産業遺産を網羅した仮称でありますけれど「ぐんま絹遺産ネットワーク」を新たに構築し、その保存や活用を支援していきたい。
岩井議員
伊勢崎の島村にある田島家を市教委が国指定史跡に申請する方針を固めたという話があるが、こういったものを入れると平成24年度に登録目標が日程的に難しくなってきていると思います。今後のスケジュールと登録に向けた見通しは、いかがでしょうか。
知事
これまで、本県は早ければ平成24年度の世界遺産登録を目指して、構成資産の国文化財への指定や、学術委員会・国際会議の開催、県内外への普及啓発活動に積極的に取り組んできた。しかし、世界遺産の登録審査が年々厳しく、文化庁は、新規の登録申請にはきわめて慎重で、本年は、ユネスコへの推薦書提出を行わない意向である。このため、平成24年度の登録は、断念せざるを得ない状況にある。
こうした現状をふまえ、平成25年度以降の早期登録実現に向けて学術委員会での検討をさらに進め、本年11月には国際会議を開催し、国内外の専門家の意見を参考にし、早期に推薦書を完成したい。
登録の見通しについては「富岡製糸場と絹産業遺産群」は、日本が初めて産業革命を成し遂げる原動力となり、世界の絹産業の発展に貢献した重要な資産群であることが、国内外の研究者にも広く認識されており、登録の可能性は十分にある。
岩井議員
私も委員会等でも最善の推薦書を作成するためには1年、2年遅れてもやむを得ないのではないかと申し上げてきた。平成24年度の登録は断念であるが、登録の見通しは十分にあるということですので、今後ともしっかりと取り組んでいただき、登録を目指していただきたい。
★議員・知事からこのような質疑答弁がなされています。平成24年の登録にはならないができるだけ早く群馬県の養蚕・製糸の産業遺産群を構成資産として推薦書の作成に取り組んでいく姿勢が明らかになりました。
伝道師協会も多少の構成資産の変更は予想されるにしても、基本的な考え方は今までの運動の延長線上にあることをしっかりと踏まえて、さらに広汎な運動を展開できるよう、体制をさらに整えて、息の長い運動をしていきます。伝道師の皆さん頑張りましょう。また、応援してくださっている多くの方々、今後ともよろしくお願いいたします。