富岡製糸場世界遺産伝道師協会 世界遺産情報

「富岡製糸場と絹産業遺産群」は日本で初めての近代産業遺産として2014年6月25日付でユネスコ世界遺産に登録されました。

「富岡市立高瀬小学校」で学校キャラバン(2/16)

2023年03月18日 11時26分49秒 | 世界遺産伝道師協会

「富岡市立高瀬小学校」で学校キャラバン

 令和5年2月16日(木)、富岡市立高瀬小学校で3年生3クラス87名を対象に学校キャラバンを行いました。

 本校は富岡製糸場の南西、直線距離にしておよそ1.5キロのところに位置し、世界遺産センターからは車で10分ほどです。かつては養蚕業も盛んで組合製糸甘楽社高瀬組が明治18年、同下高瀬組が明治20年に創業しています。

 学校側が事前に隣接する高瀬公民館の駐車場を使用できるように依頼してくれたため、機材を積んだ軽トラを会場の体育館近くに駐車することができました。教頭先生がタイミング良く体育館の扉をあけてくださり、伝道師4名ですぐに機材2セットを搬入することができました。

 体育館内の日当たりのよい南側に座繰り機をセットし、話し声がダブらないように座繰り機と座繰り機の間に十分間隔をとることにしました。今回は講話なしで1時間30分が座繰り体験に当てられます。1クラス30分を目安に交代で座繰り体験をしてもらうことにし、学年主任の先生が見えたところで体験方法の確認をしました。

 煮繭をしつつ座繰りのための準備をしていると、問題が発生しました。ブレーカーが落ちてしまったのです。追加のお湯を沸かすため、一度に2台の電気ポットを使用したのが原因のようでした。教頭先生の協力で復旧はしたのですが、座繰りの熱源である2つの電磁調理器の使用に気を遣いながらの座繰りになってしまったことには反省が残りました。

 開始予定時刻を少し回って1クラス目の学校キャラバンが開始になりました。あいさつ、伝道師の自己紹介の後、2グループに分かれ2人一組での座繰り体験の開始です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

O野さんとK渕さんが1グループを、M下さんがもう1グループを担当しました。箕箒の使い方、ハンドルの回し方を教わり、早速2人一組になっての座繰り体験です。初めは手を添えてもらっていた児童も、すぐにスーとできるようになります。すかさず伝道師から「上手い上手い!」の声が送られます。見ている児童も集中します。伝道師の方々は、「(箕箒は)筆を持つようにね。」「力を抜いて。」ときには「友達がやるのをちゃんと見てね。」など、タイミングよく声をかけながら体験を進めていきます。

途中で生糸が切れたら、「結ぶところも見てくださいね。」と。興味をつないでいきます。サナギや繭糸の説明も加えながら。全員が体験し終えたところで、担任による巻き取られた生糸のカットです。児童は生糸にハサミが入ると、「ほうー。」「おおー良い音。」などと反応します。その言葉は伝道師の心に、いつ聞いても本当に新鮮に響きます。生糸をプレゼントすることを伝え、次のクラスと交代しました。

 こうして、3クラスの座繰り体験が少し時間オーバーしながらも終了しました。後片付けも含め3時間ちょっと、休憩なしで中身の濃い学校キャラバンとなりました。課題はありましたが、伝道師個々の機転のきいた対応に感謝し、互いの労をねぎらいながら体育館を後にしました。

 本日参加の伝道師はO野多美子、M下禮子、K渕秀子、O形の4名でした。

                    (O形 榮一 記)

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「富岡市立西小学校」で学校キャラバン(11/15)

2023年03月13日 10時01分23秒 | 世界遺産伝道師協会

「富岡市立西小学校」で学校キャラバン

 令和4年11月15日(火)、富岡市立西小学校で1年生1クラス28名、3年生1クラス32名を対象に学校キャラバンを行いました。

 本校は富岡製糸場の西方、世界遺産センターからは車で5分ほどの距離に位置しています。校区に接している富岡製糸場までは徒歩で10分ほどです。

 今回、1年生は5校時のみで座繰り体験を、3年生は5校時は講話、6校時に座繰り体験を実施しました。そのため、座繰り機2セットは1階の生活科室にセットし、5校時に1年生が6校時に3年生が体験できるよう配分しました。また、今回は職場体験学習に訪れている高校生2名を引率し、世界遺産センターの齋藤さんも途中から参加してくださいました。

 13:25より、1階生活科室と2階普通教室で同時にキャラバンを開始しました。
1階ではJ保(千)さんとO荻野さん、M下さんとJ保(明)さんがペアになり、話にジェスチャーを加えて1年生に座繰りの説明をしていきます。
カイコを飼った経験もない児童ですが、説明を聞きながら座繰りと座繰り機に対する興味は津々です。そこで、タイムリーにお湯に注意の話も盛り込んでいきます。
いよいよ3人一組での座繰り体験。初めは伝道師に手を添えてもらいながらの不安な作業も、「上手、上手!」の褒め言葉で手の動作もリズミカルに変わっていきます。生糸が巻き取られていく様子をじっと見つめています。最後に担任が一人で座繰りに挑戦すると、児童からは手拍子付きの「頑張って!」の声援がとびました。

巻き取られた生糸には日直の児童がハサミを入れて終了しました。「これは先生に渡しておきますね。」と伝えると、「ソー麺の塊だ。」の声。最後まで話題の尽きない、1年生にとって記憶に残る座繰り体験になったようです。

 同時進行で講話を担当したY澤さんは、3年生にパワーポイントを使い質問を交えながら話を進めました。聞くと、保育園でカイコを飼ったことがある児童もいればカイコに触ったこともない児童もいます。世界遺産の意味や世界遺産になったわけ、県内4つの構成遺産にも触れながら、その大切さや外国との関係性にも話をつなげます。児童はよく話しを聞きスクリーンを見ています。知っている言葉が出ると、小さくうなづきながら話を聞いている児童の姿が印象的でした。

 休憩をはさみ、3年生は1階に移動し座繰り体験です。3年生も3人一組で座繰りを体験。
伝道師の話をよく聞き、友達の作業を興味を持って見つめています。自分の番になると少し心配そうですが、すぐに箕箒やハンドル操作に慣れ座繰りを体験していました。最後に担任が緊張しながら座繰り体験をするのを見て、伝道師から「先生、がんばっているよ!」の一言が。担任も思わず笑顔になります。


巻き取った生糸を、今回は職場体験学習の一環で訪れた高校生がハサミでカットすると、「おー。」と静かな歓声が上がりました。

 座繰り担当の伝道師にとって5~6校時と連続の指導になり休憩もそこそこでしたが、児童の積極的な活動を引き出すことができ活気ある学校キャラバンになりました。
担任はもとより校長先生をはじめとする学校側の協力をいただく中で、改めて学校キャラバンの意義を再確認することができました。

  本日参加の伝道師はO野多美子、J保千代子、M下禮子、J保明子、Y澤朗夫、O形の6名でした。  (O形 榮一 記)

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「富岡市立丹生小学校」で学校キャラバン(10/11)

2023年03月11日 14時56分24秒 | 世界遺産伝道師協会

「富岡市立丹生小学校」で学校キャラバン

 令和4年10月11日(火)、富岡市立丹生小学校で3年生7名・4年生11名を対象に学校キャラバンを行いました。

 本校は富岡市の北西部にあり、丹生村(明治22年~昭和35年)当時は養蚕が盛んな地域でした。「丹生村郷土史」によると明治24年頃は総戸数424に対し製糸業戸数104(機械3、座繰り101)、織物業30と記されています。

 開始1時間前に校舎北側駐車場に集合した伝道師5名は、再会の挨拶もそこそこに協力し、運搬車両から座繰りセットを会場の体育館まで運びました。担当のS先生が運搬を手伝ってくださり、校長先生も顔を出してくださいました。

 会場の体育館のステージ寄りにすでに大型テレビやテーブル等を事前にセットしていただいてあったので、電源コンセントを確認し講話からの流れを考え、少し離れた場所に座繰り機をセットすることにしました。
 終了した頃電源ブレーカーが落ちるハプニングが発生しましたが、教頭先生の手助けで解決し、テキパキと準備が進みました。児童が入場するまで時間的な余裕ができ、伝道師間で下記のことを確認するとともに情報交換をタップリすることができました。

 ・45分の活動内訳は講話15分、座繰  り30分

 ・開会時のあいさつは簡潔にする

 14:10体育館に現れた児童18名は、3年生が前一列で4年生が後ろ二列に並び伝道師と向き合いました。児童の後ろには担任3人、ALT(外国語指導助手)2人、校長先生の6人が立っています。児童の号令で互いにあいさつをし、自己紹介をしてから鬼形が座繰り体験時に気を付ける点について話をしました。

 講話はK藤(基)さんが担当です。最初の画像にタイトルと丹生小の校舎の写真が入っています。学校のホームページからの引用とのこと。パソコンが得意なK藤(基)さんならではの工夫です。

「世界遺産とは」から始まり富岡製糸場の役割、他の構成遺産、蚕から生糸をとる座繰りの方法まで、限られた時間の中でパワーポイントを使い、質問を児童に投げかけながらの講話でした。蚕を育てた経験を持つ児童は、興味を持って話を聞き画像に食い入るようにみつめていました。

 座繰り体験はJ保(千)さん、M下さん、O野さんが担当です。ハンドルを回す児童とナベの中の煮繭をご箒で動かす児童の二人一組で、交代で両方の作業を体験していきます。繭の糸口を導き座繰りに取り付ける様子をじっと見ている児童に、「持ち手はゆっくり回してね。糸はよじれて良くなるからね。」と、助言します。

初めはおっかなびっくり回していた児童も「上手、上手。」と褒められるので自信を持って繭糸を巻き取れるようになります。ALTの先生方と校長先生にも体験していただき、J保(千)さんが糸口をつなぐ「び」の実演をしてみせ座繰り体験を終了しました。J保(千)さんの手元をじっと見つめる児童の姿がとても印象的でした。

 最後にJ保(千)さんがはいているちぢみ織りで制作された絹のズボンを紹介し、触ってごらんと児童の間をゆっくりと歩いてくれました。

 片付けが終了後、全員で校長室にご挨拶に伺いお茶をごちそうになり、校長先生から丹生小は創立150年になること、自身も座繰り体験は初めてで感動した等のお話をお聞きました。翌日6年生の修学旅行の引率で長野に出かけるという校長先生にお礼を申し上げ、校長室を後にしました。

 本日の担当はO野多美子、J保千代子、K藤基晴、M下禮子、O形の5名でした。

                (O形 榮一 記)

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学校キャラバン 館林市立第八小学校での活動報告(10/4)

2023年02月16日 10時32分10秒 | 世界遺産伝道師協会

学校キャラバン 館林市立第八小学校での活動報告

令和4年10月4日(火)館林市立第八小学校で四年生2クラス71名対象の学校キャラバンを行いました。

当校近くには県立館林美術館や日本遺産に認定され白鳥飛来で有名な里沼『多々良沼』があり、豊かな自然に恵まれた場所にあります。

そして来年は開校150年になる歴史と474名の児童が在籍する大きな学校です。

先ず全員で今年四月に赴任されたH校長先生を校長室にお訪ねし、ご挨拶いたしました。

本日の講話は各教室で、座繰り体験は体育館で行いました。

二クラスありますのでH岡さんとY沢さんが交代して講話を担当しました。今月24日に富岡製糸場見学の事前学習であることを踏まえて、どのような価値があって世界遺産になったのか、どこに注目して見学するのが良いのか、又、三か所の世界遺産群との繋がり、座繰り体験との関連について丁寧に説明しました。

製糸場見学が決まっていますので児童の皆さんはとても熱心に耳を傾けていました。

  

座繰り体験はK井さんとS沢さんがそれぞれ座繰り器を一台ずつ担当して、講話担当のH岡さんとY沢さんも空いている時間はお手伝いしました。

お鍋の中で踊るように動く繭から糸が引き出されてゆく様子に皆驚き「えっ不思議」「どうしてつながっているのですか」「いつ切れますか」などと素朴な質問が次々と出てきます。

皆さん、お蚕は育てていないので当然の疑問ですが、H岡さんが持参した写真を示しながら、約二日間休まず連続して糸をはき切るお蚕の生態を説明しました。説明している私たちでさえ、神秘的とも思えるお蚕の一生ですから、児童の皆さんが驚くのは無理ありません。

  

交代で接緒も体験して「あっつながった」「いつの間にか糸が無くなっている」「もう一度やりたいやりたい」などと盛り上がりました。

小枠に巻き取られて次第に厚みを増す生糸にそっと手を触れて「すべすべだー」「どうして濡れているのですか」との声も聞こえました。

  

割り当てられた3・4校時が終了し、体育館に全員集合して、日直さんの「注目、礼」に続き「今日はありがとうございました」と全員大きな声でご挨拶いただきました。

毎年訪問している当校ですが、今年の四年生とは今日限りのご縁ですので「製糸場見学楽しんできてくださいね」と心から願って声を掛けました。

当校のホームページには「学校キャラバンのお陰で、子どもたちは学校での学習と体験学習とを確実に結びつけていました」との記述がありました。有難いことです。

手早く二台の座繰り器を片付けて校長室にご挨拶し、帰路につきました。

本日の担当はH岡誠さん・Y澤朗夫さん・K井拓美さん・S沢美代子さんとY田節子の五名でした。皆様遠路お疲れ様でした。 (Y田:記)

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週末活動支援事業で伝道活動(2/4)

2023年02月08日 10時39分46秒 | 世界遺産伝道師協会

週末活動支援事業で伝道活動

 

令和5年2月4日(土)藤岡市神流公民館で実施した社会福祉法人かんな会 障害者就業・生活支援センター トータス主催の週末活動支援事業で伝道師5名による伝道活動「世界遺産勉強会と繭クラフト作り」を行いました。

伝道師は午前9:30集合し、会場準備の後、事前打ち合わせを済ませ、10:00から開会となりました。

前半は、世界遺産勉強会として「世界遺産 富岡製糸場と絹産業遺産群」についてK原による約1時間スライド説明を行い、4つの構成資産の概要と世界遺産としての価値を知っていただきました。

後半は、参加者が楽しみにされていた「繭クラフトづくり」体験では、M寺、I田、U原の3名が指導を担当し、I川、K原は遊軍として後方支援です。安全を配慮して繭クラフト工作は接着と顔の書き入れのみでしたが参加者は見本をよく見て真剣な表情で作業し、楽しそうな姿に微笑みがわきます。また、参考に用意した「まゆ花」も興味深そうに手にとり写真を撮るなど喜ばれました。

繭クラフトの完成後にはアンケート用紙が配られ、本日の感想が記されました。

「世界遺産の説明聞いて、以前富岡製糸場いったことがあり映像みてなつかしく感じた。クラフトは初めて体験して楽しかったです。」、「K原さんの説明がわかりやすくて楽しく過ごすことができました。まゆクラフトも作ることが出来て良かったです。」、「自分が行った事がある世界遺産+行った事がない世界遺産がモニターに出て来たので良かったです。久しぶりに見れました。いい話ができて良かったです。初めて作ったまゆクラフトはかわいく作ったので良かった。」、「とても勉強になりました。まゆクラフト作りとても楽しかったです。ありがとうございました。」、「今日は神流公民館で繭クラフト作りを頑張りました。」など好評の様子が伝わりました。

 

当日の参加者は急遽予定の半数の7名となってしまいましたが、笑顔あふれる姿を見るとき、伝道活動の意義を再認識しました。

本日の参加伝道師は、I田みち子、M寺清江、I川武男、U原一美、K原実、の5名でした。

(K原 記)

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