「富岡市立黒岩小学校」で学校キャラバン
令和4年11月17日(木)、富岡市立黒岩小学校で4年生1クラス18名を対象に学校キャラバンを行いました。
本校は富岡市を東西に走る国道254号線の北側丘陵地帯に位置し、世界遺産センターからは10分ほどの場所にあります。
12:30、会場の体育館前に集合した4名の伝道師で協力し資材を搬入しているところに担当の先生が挨拶に見えました。伺うと、4年生はカイコを飼った経験はないけれど製糸場とセカイト見学を済ませているとのことでした。機材のセットを終えると間もなく、担任に引率された児童がやってきました。体育用のマット6枚に3人ずつ腰を下ろし、機材や伝道師を見つめています。伝道師にとってこの児童との出会いは、何度経験してもとても新鮮に感じる瞬間です。
開始時刻前でしたが準備も整ったので、あいさつと伝道師の自己紹介を終え、早速講話がスタートです。
T越さんによる講話は、穏やかな語り口で紙芝居のように資料を活用し児童に質問しながらの進行なので、児童はぐんぐん話しに引き込まれていきます。
「天+虫=蚕」には児童も思わず「それでカイコか~」。カイコの卵の実物を取り出すと、児童の目が点になったようです。T越さんは児童の中に入り、なるべく近くで見せます。さらに繭や生糸も取りだし、本物に触れさせます。最後は担任に絹織物の反物を羽織ってもらい、製品としての価値にも触れ、4つの構成遺産との繋がりも押さえるという約20分での中身の濃い講話になりました。
トイレ休憩をとり13:50、座繰り体験を開始しました。担当はJ保(千)さん、M下さんです。今回は糸付け・箕箒・糸車を3人一組で児童に体験させる計画です。一番緊張していたのが糸付けです。片手に繭をもう片方に繭糸を持ち、鍋の中に繭を落とし繭糸を絡ませます。M下さんが手を添えながらですが、繭糸がすっーと巻き取られていく様子を不思議そうに見ています。
箕箒担当の児童にはJ保(千)さんが、「習字の筆を持つようにしてゆっくり、鍋の縁に沿って動かすんだよ。」と、糸車担当の児童には「ハンドルはちよっと速くだよ。」と指示が出ます。「難しい。」という児童の声に、「そうだねえ、すぐ出来たらおばちゃんたちの立場が無いんだから。」と、名(迷?)回答が返ります。児童が興味を持って取り組んでくると会話が弾んできます。児童に続いて担任、校長先生が座繰りを体験し最後に、担任が生糸のカットをして座繰り体験は終了しました。
機材の片づけと積み込みを終え校長室に挨拶に伺い、丁寧に対応してくださったこと児童が集中して取り組んだことに対し、お礼の言葉を伝えました。見送ってくださる先生方
を後にし、体育館前で「富岡地区の学校キャラバンは今年最後です。少し早いけど、よいお年をお迎えください。」の言葉を添えて解散しました。
本日参加の伝道師はJ保千代子、M下禮子、T越 朗、O形の4名でした。
(O形 榮一 記)