学校キャラバンで子どもたちがとらえたもの
先日学校キャラバンを実施した富岡市のある小学校(4年生)から担任の先生がまとめてくれた一冊の子どもたちの感想文が送られてきました。ご多忙の中本当にありがとうございました。早速読ませていただきました。私たち伝道師にも大変参考になり、「私たちの宝」としてこれからのキャラバン活動に活かしていきたいと思います。
子どもたちの感想の一例(全文)を紹介します。
「ぼくは4つの世界遺産とカイコについて聞いて、カイコについてはくわの葉を食べるとか、二日かけてまゆを作るとかいろいろカイコについて分かりました。
4つの世界遺産についてこれからしていきたいことは、この4つの世界遺産についてもっと知ってたくさんの人にそのよさを教えていきたいと思います。
ざぐりについてはハンドルを回すスピードなど考えてやらないといけないことが分かりました。鍋のお湯をミゴボウキで回しながら糸を何本かのかたまりして生糸になってじょうぶになることもわかりました。
そして荒船風穴に行ってみたくなりました。もっとざぐりをしたくなりました。」
そのほか子どもたちからは次のような感想が見られました(文章抜粋)。
○世界遺産に4つで登録されたことを聞いて、1つでも何かがかけてしまったらだめなのだなあと思いました。
私は富岡製糸場や荒船風穴などを大切に保存していくべきだと思います。そして、世界にどんどん広めていきたいと思いました。
○ぼくは富岡製糸場にあるような機械でずっと生糸を作っていたと思っていたけれどざぐりというもので作っていたのを知りました。女の人は左手でハンドルを回し、右手はみごぼうきを持って作業をしていたのを知ることができました。糸をねじってかせにしてそのかせをまとめて売ったりするのが分かりました。平成26年6月25日に世界遺産になったのを知りました。
ぼくの家のある市に世界遺産があるので富岡製糸場を世界に広めたいと思いました。
○ざぐり体験をして左手でハンドルを回すと分かりました。昔の女の人は両手を使って生糸を取ると知ってびっくりしました。私は世界遺産を外国の人にもたくさんおしえたいと思いました。
○自分はざぐりのことや富岡製糸場と絹産業遺産群のことや、蚕のことが分かりました。…ざぐり体験をして昔の人はすごい苦労をしていたことが分かりました。
○私はざぐりというものを初めて聞いて、ざぐりとはハンドルを手で回して、糸取り枠を回転させて糸を取るのもので、上州ざぐりは群馬県で生まれた。そして糸をねじってかせにすることやかせをまとめることを知ることができました。…富岡製糸場の工女さんは糸が上手に取れるようにぬき前神社に行ってお願いをしたことや、あら船風穴では「第1号風穴」「第2号風穴」「第3号風穴」と続いていることが分かりました。
○富岡製糸場へ1か月もかかってやってきた工女さんもいたと聞いて、遠くからくるのはすごいと思いました。…みんな高山社も荒船風穴も田島弥平旧宅もつながっているのだと思いました。
子どもたちの感想文を読んで、子どもたちは本当によく講話を聴いてくれ、自分のものとしてとらえ、世界遺産に対してこれからどうしていかなければならないか考えてくれたこと、また初めての座繰り体験も真剣に臨み、当時の人々の製糸や座繰りに取り組む姿などを想像しながら体験してくれたことが分かりました。私たちが学校キャラバンで願っていたことが、一人ひとりが一生懸命書いた文字に表現されているように思われました。4年生という段階で、こんなことまで理解してくれたのだな、すごいことだなと感心した次第です。まだまだ感銘を受ける感想がありますが省略します。
私たちはさらに研修を深め、将来を背負う子どもたちの心に響き、子どもたちの期待に応える学校キャラバンにしていかなければと決意を新たにした次第です。
(令和元年12月23日 学校キャラバン西部担当理事 I井 規雄 記)