富岡製糸場世界遺産伝道師協会 世界遺産情報

「富岡製糸場と絹産業遺産群」は日本で初めての近代産業遺産として2014年6月25日付でユネスコ世界遺産に登録されました。

活気に満ちた「煮繭と座繰り」講習会(富岡製糸場世界遺産伝道師協会)

2013年03月29日 21時02分53秒 | 世界遺産伝道師協会

活気に満ちた「煮繭と座繰り」講習会

 

3月24日(日)・25日(月)の2日間、日本絹の里の染織体験室で、標記の講習会が行われました。

 今回も絹の里所有の座繰り器8台に対して倍以上の希望者が出ました。昨年は諸事情で1台を2名で使用したのですが、反省点もあったため今回は1名で1台使用の形で実施し、2日間とも全器が埋まりました。受講者中7名は直近の養成講座で伝道師になった人達です。伝道活動の回数も飛躍的に増える中、座繰り講習を希望する人は有難い存在です。嬉しいことに外山伝道師が2日間手伝いに来てくれました。また推進課の高橋さんと鈴木さんの意欲的な参加もあり活気に満ちた2日間となりました。

午前9時に開講、毎回講師を務めて下さるのは前県蚕糸園芸課絹主監で、大日本蚕糸会蚕糸・絹業提携アドバイザーの狩野さんです。そして絹の里の高橋さんも2日間補助を務めてくださいました。狩野さんの分りやすく歯切れの良い口調でユーモアを交えた説明は健在です。

受講者は真剣な表情で一言も聞き逃すまいとメモを取ります。狩野さん作成のテキストは昨年改訂され一層充実した内容になっています。製糸技術の移り変わり、座繰り生糸の特徴、煮繭することの意味、繭の煮方、座繰り糸の挽き方、座繰り生糸の揚げ返し、座繰り製糸上の注意事項、用語の説明について等の講義があり、受講者は感心したように聞き入っています。

続いて煮繭と座繰りの実習です。繭の産地や生産時期により繭の品質が異なると煮繭時間も変わってくるので、必ず試し煮繭をすること、湯の温度によっても煮繭時間が変わること、繭がお湯によく沈むよう落とし蓋をする、繭の中にお湯を浸透させるために差し水をする等、糸を最も引き出しやすい状態の繭にする説明をされました。糸が切れた場合の効率的なつなぎ方の実習も行いました。座繰りではミゴボウキなどで行う索緒、操糸中に別の糸を補填する接緒が一番重要であると説明されました。

最初は左手でハンドル、右手でミゴボウキの分業がぎこちなかった受講者でしたが先生の巧みな指導によって終わる頃には素晴らしい手つきになっていました。今回、在庫の都合で繭は黄色の「ぐんま黄金」を使用したため、8台の座繰り器に巻かれる黄色の生糸は何とも美しい眺めです。糸の巻かれた小枠を座繰り器からはずし、乾かないように水に浸します。各自使用した道具類を洗剤で洗い上げ、昼食休憩に入ります。食事時間は交流の時間でもあります。

 折しも絹の里では恒例の工芸展が開催されていて、絹や繭を使用した見事な織物や染色加工品等が展示され、その中に2人の伝道師の藍染作品、石に刻まれた蚕神の写真も目を引きます。

午後は「揚げ返し」の実習です。2台の揚げ返し器に4人ずつ付き、小枠から、揚げ返し機の大枠に巻き取ります。大枠に巻き取った後は最初と最後の糸口がわかるように一緒に結び、カセの形がくずれないよう「あみそ」をかけます。慣れないと難しいのですが、皆さん器用に仕上げていました。揚げ返し機からはずしたカセに両腕を通して、その黄金色に輝く自分の作品に満足の表情でうっとりと見入っていました。

 次は手織りもやってみたいという要望も出てきました。今回の受講者の皆さんも今後の伝道活動に大いに活躍されることと思います。

最後に、熱い心で指導してくださった講師の狩野さん、絹の里の高橋さんと職員の皆さん、そして手伝いに来られた外山伝道師に心より感謝いたします。 

            (Y.I 記)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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組合製糸「緑埜精糸社発祥の地」記念碑除幕式

2013年03月27日 19時17分07秒 | 世界遺産伝道師協会

3月27日、群馬県藤岡市上大塚に「緑埜精糸社発祥の地」記念が建立され除幕式が挙行され、富岡製糸場世界遺産伝道師協会近藤会長も来賓として実行委員会から招待されて、参列してきました。

受付で配られた資料の<御礼御挨拶>には「国連による国際協同組合年の各事業が挙行されるこの時に当たり、多野藤岡地域の皆様のご理解と御教育により「緑埜精糸発祥の地」記念碑をここ上大塚地区に建立する事が出来ました事、衷心より感謝申し上げます。

今後、この地域の農家が改良座繰り製糸を海外輸出するために組織結集した意思を末えながく讃え、継承することが重要でありました。その事によって「富岡製糸場と絹産業遺産群」の世界遺産登録実現に向けた推進運動の一端をはたせるものと確信するものであります。

皆様方の引き続く、ご支援ご協力をお願い申し上げます。本日は、ご多忙にもかかわらずご出席誠にありがとうございました。

                                                        平成25年3月27日

                                                        緑埜精糸社記念碑建立委員会

                                                         会長 新井 紀義       」とありました。

 

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富岡市一ノ宮更生保護女性会」での”富岡製糸場と絹産業遺産群”の伝道活動レポート

2013年03月26日 19時37分20秒 | 世界遺産伝道師協会

一ノ宮更生保護女性会」での伝道活動について

 

 

3月21日(木)、国の登録有形文化財である「富岡市社会教育館」にて伝道活動を行いました。ここは昭和11年に「大江国風建築塾」の設計により、「東国敬神道場」として建設された総檜造りの近代和風建築で、質素の中にも風格あるたたずまいです。

今回は、伝道師である今井信子さんが代表を務める一ノ宮更生保護女性会18名を対象に13:30から30分間、パネル解説をして、その後、繭クラフトでウサギを作りました。

徳江さんのパネル解説は、4つの構成資産に地元の話題を盛り込んだ解りやすいもので、皆さんの興味を惹いていました。

繭クラフト作りは、楽しく賑やかな時間の中で、表情豊かなかわいいウサギが、たくさん出来上がりました。

活動終了後もお茶を頂きながら会話が弾み、とても楽しい時間を過ごす事ができました。

世界遺産登録も近づきましたが、今回のような交流できるコンパクトな伝道活動の大切さを改めて実感しました。

今回の参加伝道師は、徳江、小田、今井(信)、筒井、荻野の5名でした。

   

 (T.O記)

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南牧村文化祭で「富岡製糸場と絹産業遺産群」の世界遺産伝道活動・伝道師協会富岡支部 

2013年03月20日 22時28分21秒 | 世界遺産伝道師協会

南牧村文化祭で伝道活動  富岡支部 

3月16(土)~18(月) 「恒例の第38回南牧村文化祭」が南牧村中学校講堂と同敷地内のトレーニングセンター会場で開催されました。

私達、伝道師協会も世界遺産候補「富岡製糸場絹産業遺産群」の広報活動に参加させて戴きました。

3/14()AM9:00~17:00 会場設営を文化祭役員(15名)様と行いその後伝道活動会場に、4構成資産のパネル掲示と、チラシ配布、繭クラフトの準備を行い17:00終了致しました。

3/16(土)AM9:00~文化祭のスタート初日です。

各ブースには 古文書、地元の著名人の写真や文書、地元から出土した化石、村内各地のお堂写真展、陶芸作品、小中学生の絵画と書道展と沢山の展示が有りました。

特に目を引いたのが地元で養蚕(3g)をして座繰り、織物、染色まで手掛け作成した「野の花工房」塩田 喜代田先生の名品が並ぶコーナーです。

天蚕の繭と生糸が大量に展示され、天蚕の飼料となるクヌギの苗を植樹したとお話を伺いました。

冷凍した繭、天日で乾燥した繭から座繰りで引いた生糸が展示され、同じ繭でも冷凍繭、天日干繭とでは糸の色が多少違うと、説明を受けました。

茂木一義県農政部長 磯田文男冨岡副市長の講演も盛大でした。 

3/17(日)AM9:00~スタート、本日は日曜日とあって講堂会場では芸能発表会と地元出身芸能人、フラダンスも出演で来場者も沢山です。

「南牧村にも風穴があるんですよ」とお客さまからお話、伺いました。

世界遺産伝道師コーナーも大盛況です。繭クラフトぐんまちゃんを作って大喜びのお客様でいっぱいです。終了時間も近づきお客様の居ない時を、見計らい近くのブース

「江戸千家のお茶会席」の山崎愛子先生からお招きを戴き、伝道師の皆さんも一服お茶を戴きました、作法が分からず大変でしたが、おいしかったですよ。

芸能大会のラスト フラダンス(東京音頭)を全員で踊り半日16:30終了致しました。

3/18(月)最終日9:00~スタート致しましたが、月曜日とあって、お客さまも昨日とは違い、ご来場者様は少なく「平柳 要」先生の講義「山野の草木を使って村は金蔵になる」で終了致しました。南牧村文化祭の会長をはじめ、役員の皆様ありがとうございました。

下段は南牧村文化祭 活動伝道師の皆様です(チラシ配布部数は500部でした。)

314(木)T.市川、M.渡辺、Y.茂木、

316(土)T.市川、S.三田、Y.筒井、

317(日)T.市川、Y.徳江、 S.黒沢、N.今井、

318(月)T.市川、M.渡辺

伝道師の皆さんご活躍ありがとうございました。           (T.I記)

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群馬県のマスコット”ぐんまちゃん”がこけしになりました

2013年03月19日 23時21分10秒 | 世界遺産伝道師協会

ぐんまちゃんが、創作こけしの産地群馬県榛東村の生産者によってこけしになって人気を呼んでいます

ぐんまちゃんこけし人気
http://www.jomo-news.co.jp/ns/8513636186284647/news.html

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「新田家の絵画」 ~「猫絵」を中心に~と企画展「大隅俊平の太刀」

2013年03月19日 23時14分54秒 | 世界遺産伝道師協会

「新田家の絵画」
     ~「猫絵」を中心に~

      3月16日(土)~5月6日(月)   9:00~17:00 (入館無料)
                                          月曜休館(月曜休日の場合は翌日)
           
                  講演会「新田猫と養蚕」
                      講師 板橋 春夫氏(国学院大学非常勤講師)
                       4月21日(日)  午後1時30分~
                          3月20日から電話で申し込み受付
                          定員 70人(受付順)
           
                                史跡金山城跡ガイダンス施設
                      太田市金山町40-30
                          Tel 0276-25-1067


企画展「大隅俊平の太刀」

          2月16日(土)~5月12日(日)9時30分~17時00分
                                      月曜休館(月曜休日の場合は翌日)
                                      入館料 300円
                                     
                    銘切実演
                      5月5日(日) 10時~・13時~ の2回
 
                                太田市立 大隅俊平美術館
                                 太田市由良町3051
                                    Tel 0276-20-6855
                                     

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「南牧村文化祭」伝道活動 PR用ポスター作製 伝道師協会富岡支部

2013年03月18日 20時34分32秒 | 世界遺産伝道師協会

「南牧村文化祭」伝道活動 PR用ポスター作製

富岡支部

南牧村は標高800mから1、400m前後の山々に囲まれた 東西15㎞の山村で人口は約2、200人高齢者が占める比率が高い 過疎の村と言われています。

この山村に春がやって来ますと、文化祭の季節です、全村民が熱くもえます。

3月16日(土)~18日(月)恒例の南牧村文化祭が南牧村中学校講堂、農業者トレーニングセンターで始まります。

私達、伝道師協会もこのイベントに、昨年も参加させて戴き世界遺産登録候補 「富岡製糸場、絹産業遺産群」の広報活動をさせて戴きました。

今年もお招きを、いただきまして、ありがとうございます。

3月5日(火)文化祭PRのため、各村内掲示場所に貼る、

手づくりポスターを作製するので来て戴きたいと、文化祭会長(市川太平様)から連絡が有りましたので、伝道師(市川、酒井)2名で参加させて、いただきました。

会場の南牧村公民館で、文化祭役員5名様と和気あいあい 

共同作業で模造紙に水彩カラーで、書き入れました。手書きですので、非常に時間が掛かります、疲れます。

AM9:00~17:00活動致しましたが、予定枚数完成出来ませんでした。

書いたポスターが気候、気温のため、乾きが遅いのです。

3月6日もポスター作り(参加者市川)をAM9:00~17;00 

文化祭役員様と行いました。

予定枚数1、200枚完成致しました。

会長いわく、「ポスターは手づくり、手書きでないと、見た人に熱意が伝わらないんです」。

お疲れ様でした、素晴らしいポスターができました。

きっと手づくりポスター効果で、文化祭は大成功でしょう

(T.I記)

 

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中島 知久平邸が公開されます。

2013年03月12日 22時39分49秒 | 世界遺産伝道師協会

普段非公開の中島知久平邸が太田市の計らいで公開されます。

 

3月17日(土)18日(日)所在地は太田市押切町1417です。

問い合わせ先 群馬県太田市教育委員会文化財保護課

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「建築WG」第4回勉強会(現地)報告(養蚕農家をどう見るか)

2013年03月12日 22時20分25秒 | 世界遺産伝道師協会

「建築WG」第4回勉強会(現地)報告 

 

今年度は、村田敬一先生を講師に迎え、3回の座学を行ってきました。今回はそれを土台に、時代の変遷とともに民家が建築学的に変わっていく様子・特徴を実際に3か所の民家(阿久沢家住宅、旧関根家住宅、高山社跡)を見て回り勉強するというものです。

 3月5日(火)9時、前橋市新堀町の駐車場から講師の村田敬一先生、近藤会長を始め17名が4台に分乗して出発しました。

 見学に先立ち先生から「民家見学資料」が配付されました。3民家について、民家史からの観点として平面型、規模(階数)、土台、建具、大黒柱・釜・袖摺柱、柱間隔・差鴨居・普通鴨居、天井・床、2階床の出梁・軒船、客間2間の柱内法、屋根形式・葺材・グシ、閉鎖性(壁の多さ)・全体の立ちの項目が挙げてあります。また、養蚕からの観点として総2階、天窓、欄間、縁側・土庇、2階天井、床下・天井・屋根面の換気、火炉(仕様・火力)、養蚕の場・生活の場、上蔟の場、蚕の飼育等(棚飼い・条桑育・飼育回数・収繭量、桑園等)の項目が挙げてあります。回った民家で先生の説明を聞きながら各欄に記入できるようになっています。

 最初に前橋市柏倉町の「阿久沢家住宅」を訪ねました。17世紀末の建造で名主等を務めた旧家です。平家建、寄棟造、茅葺。先生の外観の説明で棟の「クレグシ」についても理解できました。芝土を載せた棟の納め方で、アヤメやユリを植えることにより、その根が棟を固める役目をするということです。屋根の手入れが悪いために雑草が生えたわけではないのです。

家屋面積の約半分が土間です。大黒柱等は4面ともチョウナで仕上げています。板敷の「ザシキ」、畳敷きの「コザ」、板敷の「ナンド」からなる3間取り型です。阿久沢家が裕福な階層だったといえるそうです。客間であるコザにだけは天井があります。しかし床の間はまだ設けられていません。

ナンド(オク)は寝間であり、出産・湯灌などにも使われる大事な部屋なので出入り口以外は土壁でふさがれた部屋となっているのだそうです。民家の年代判定は柱と柱の間の内法(うちのり)寸法で分り、12.0尺が江戸と明治の境だそうで、12尺より大きくなるほど古い年代だそうです。先生は持参の巻尺で実際に測って、12.05尺なので江戸時代の建造であることを証明されました。その他細部に亘って説明され興味津々の参加者でした。

 続いて大室公園の一角にある旧関根家住宅に向かいました。冬季の平日は閉鎖しているのですが民家園保存会の会長に前もって連絡し開けていただきました。この住宅は前橋市飯土井町から移築復元したものです。1838(天保9)年頃の建造の赤城型民家です。屋根は茅葺、棟はクレグシです。1階は表に8畳2間、裏に6畳2間の田の字型間取りです。座敷、ナンド共に床の間を備えています。

小屋組は、2本一組の合掌型の斜材を梁または桁で受ける三角形の扠首(さす)組で、とても優れものだそうです。扠の勾配は矩(かね)勾配といわれる45度です。いわゆるトラスは日本にも昔からあったのだと先生は説明されました。また長押で固めるのでスジカイがいらないのだそうです。見た目は総2階ですが全体を使わず、部分的に使っています。使っている部分が少ないほど年代が古いようです。

 旧関根家を辞して途中の大型店で揃って昼食を摂り、高山社跡に向かいました。藤岡市教委の寺内さんと高山社を考える会の解説当番の方が迎えてくれました。

 主家は木造2階建、切妻、瓦葺で3つの天窓が載っています。主家は船(せがい)造になっています。普通は出し梁造とセットになっているのだそうです。ほとんど同じ構造の町田菊次郎住宅には船はありません。復元というのは難しい問題で当初がどうだったかの判断が難しい、増築等の年代が決まればその時点での復元というのも有りうるとの先生の説明です。高山社は幕末の田島弥平旧宅から時代が下っている分進歩があるそうです。それは炉の使用、欄間の発達、床下換気孔等です。また、2階の天井をスノコ天井にしてその上の階も利用しようと屋根裏まで意識しています。高山社の一番の特徴は、3階の天井裏にさらに換気窓を設けていることだといいます。先生は高山社の造りは繭の製造工場であると表現されます。

また先生は「養蚕法」の第3章「蚕室」の項を分りやすくまとめた資料を配付、丁寧に説明されました。その中心になる教えは「蚕を飼うのはなるべく乾燥する所が第一」ということでした。

 高山社跡を見学後、200m西方にある高山長五郎の墓をお参りして勉強会の締めくくりとしました。

 村田先生にはお忙しい中を4回に亘りご指導いただき深く感謝いたします。参加の皆さん、中身の濃い勉強会でお疲れ様でした。

来年度は、5回程度の活動を予定しています。内容は世界遺産となる予定の建物の建築学的な見方のガイド資料作成等、参加メンバーの皆さんが知恵を出し合って楽しいWGになることを願っています。指導は引き続き村田先生が引き受けてくださいます。

多くの方々の参加をお待ちしています。 

        

 (Y.I 記)

 

 

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シルクカントリー双書の全10巻の刊行を記念シンポジウム「シルクカントリーの未来」で世界遺産広報活動

2013年03月11日 20時05分44秒 | 世界遺産伝道師協会

「シルクカントリーの未来」で広報活動

 

シルクカントリー双書の全10巻の刊行を記念した講演とシンポジウム「シルクカントリーの未来」が3月10日(日)、上毛新聞社本社の上毛ホールで開催されました。

2008年第一巻「繭の記憶」から5年をかけ、最終巻「織都ぐんま」が完成したのを機に世界遺産登録後や、蚕糸・絹業の未来を考えるということで、第一部は第9巻を執筆した新井小枝子県立女子大准教授が「絹のことば」と題して基調講演されました。

講演要旨は、「絹のことば、すなわち養蚕のことばを話題として、かつての養蚕と今の養蚕をとらえ、未来に向かう私たちにとっての養蚕、あるいは養蚕ことばを考える」として①自己紹介、養蚕農家で育ち平成元年から研究を始めた。②養蚕ことばの昔、休眠と脱皮を表す言葉には伝承系(シジ、タケ、フナ、ニワ等)と回数系(ヒトツヤスミ、フタツヤスミ等)の二つの体系がある。③養蚕ことばの今、遺伝子組み換えカイコをGM蚕というのは衝撃的、養蚕がすたれてきた今もぐんまには養蚕ことばで理解する、記憶する、パンやお菓子の名前に<繭>が使われ、繭=白い、きれいといったように想起するといったように生活に養蚕ことばが生きている。④養蚕ことばのこれから、養蚕ことばには文化的な記憶を蔵しているもの、養蚕の厳しい労働から生まれたものという面と、養蚕ことばには「終わらないそのあとがある」として谷川俊太郎の「言葉」という詩を挙げ、最後にこれからの世界にはばたく子供達にとって自分が育ったところの文化を知ることが大切。これは先日開催された「シルクカントリーin藤岡」で講演された田中優子法政大学教授がまとめに同じことを言われたのを思い出しました。

第二部のシンポジウムは「シルクカントリーの未来を語る」として、前掲の新井小枝子准教授と大日本蚕糸会の高木賢会頭、県世界遺産推進課松浦利隆課長、泉織物四代目泉太郎社長の4名がパネリストを務めました。コーディネーターは藤井浩上毛新聞論説委員長。

 4氏の基調発表後、世界遺産登録に向けてなぜ養蚕を残さないといけないのか、それが世界遺産としての価値を高めるのかという投げかけに、松浦課長が「一連の工程が残っていてそれが文化だろう、また技術という面から残していく意味がある」。高木会頭は松浦課長の意見に同調され「日本だけでなく、世界という視点から俯瞰することに価値がある」。

 養蚕ことばがどういう風に世界遺産と係っていくのかという投げかけに、新井准教授は「富岡製糸場を支えてきた養蚕農家の精神が養蚕ことばにつながっている」。

泉社長は「群馬産に拘り、メイドイン群馬の製品を作っており、着物をファッションにしたい。漸く着物について子供たちに教えることが始まったが、日本の絹について子供たちに伝えていくことが必要ではないか」。

 高木会頭は「世界遺産というと遺された遺産というイメージ、残すべき遺産と考えるべき。製糸場を見に来てくれた方に養蚕農家や碓氷製糸を見てもらうようなバスツアーを仕立てるといった工夫が必要。取り組みとしてシルク製品で魅力あるものを作る、差別化をする、シルクの好きな人をつなげることが必要」。

 シンポジウムは予定時間を持って終了しました。

第一部、第二部とも我々広報活動する者にとって大変有意義な内容でした。

本日の広報活動は5名の役員(近藤会長、町田企画部長、井上学習部長、中島広報部長、日下部中北毛支部長)と推進課の金谷主任がパネル解説・座繰り体験を担当しました。

 終了後もパネルに立ち寄り質問される方もおり、16時半過ぎをもって活動を終了しました。                       (K.K 記)

この催しの新聞記事

絹産業と遺産残す 前橋でシルクカントリー双書発刊記念シンポ
http://www.jomo-news.co.jp/ns/6913629288874106/news.html

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