「富岡市立妙義小学校」で学校キャラバン
令和3年10月26日(火)、富岡市立妙義小学校で3年生8名を対象に学校キャラバンを行いました。「児童が楽しみにしているんですよ。」と、担任から期待の声が届いていての訪問でした。
本校は妙義山の東麓に位置し、校区内には国重要文化財の妙義神社や富岡市立妙義ふるさと美術館、妙義温泉などがあり、上信越自動車道が近くを走っています。
開始1時間前に集合した4名で2階の多目的教室まで機材を運び上げていると給食準備中の児童が、「こんにちは。」と、声を掛けてくれます。挨拶を返しながら荷物も心なしか軽くなった気がします。機材を確認しブルーシートを敷き、その上に座繰り機をセットしていきます。煮繭の準備をし終えたところで皆で校長室に挨拶に出向きました。
13時15分からキャラバン開始。体育座りの児童の前に伝導師が並んで自己紹介。直後にT越伝道師による講話が、パワーポイントを活用しながら始まりました。
荒船風穴についての話でこんな発問も、「冷蔵庫に頭をつっこんだことある?」うなづく児童と「冷たい。」の声も。自然の涼しさを利用し蚕種を保存したことを意識させ、講話もまとめに入ります。
養蚕→生糸→織物
この図を示し、群馬県が絹産業を通じ世界に貢献してきたことを説明し、今日はこのうちの生糸をとる体験を上州座繰り機で体験してもらいます、と言葉をつなぎ講話は終了しました。 期待に胸ふくらませた児童が座繰り機の前に移動し、Z保(千)・M下両伝道師の指導による座繰り体験のスタートです。すでに糸口から取り出した繭糸を指し、髪の毛の3分の1か4分の1の太さと話すと「チョー細い。」の声。実物は児童の好奇心を引き出して行きます。さらに、箕ご箒の使い方や歯車の回し方を伝え、生糸として巻き取られていく様子を実演してみせると、一人の児童から「昔の人の方が頭がいい。」の発言も。早速2人1組になり、初めはゆっくりした手回しですが、もうちょっと速く、繭に触らないようにというアドバイスですぐに上手に出来るようになります。伝道師がなぜ歯車を回すスピードを同じにするのか、なぜ繭に触らないように箕ご箒を動かすのかという理由を児童に伝えているため、作業に対する理解が早いのでしょうか。
終了時刻が近づき、巻き取られた生糸の帯に担任がハサミを入れるときは、児童は耳をそばだてその音を聞きます。ザックザクともサックサクとも聞こえる音は、すぐに「きれい。」「ちょっとザラザラしてる。」という声に変わりました。担任から生糸がもらえることを聞いた児童の嬉しそうな表情が胸に残りました。
手早く後片づけを終え、校長室に終了のご挨拶に向かいました。現在、全校で57名の本校も児童数減少のためやがて他校との統合計画があるとのお話でした。計画的にその準備をしていくことと、その先中学校も統合されることへの課題についても伺いました。富岡製糸場と絹産業遺産群が世界の中で果たしてきた功績と養蚕や林業を中心として栄えてきた妙義町との結び付きを思うとともに、児童の心に体験を通じた記憶は残っていくに違いないと信じ校舎を後にしました。
本日参加の伝道師はZ保(千)、M下、T越、O形の4名でした。
(O形 記)