富岡製糸場世界遺産伝道師協会 世界遺産情報

「富岡製糸場と絹産業遺産群」は日本で初めての近代産業遺産として2014年6月25日付でユネスコ世界遺産に登録されました。

富岡製糸場世界遺産伝道師協会平成21年度第3回研修会「上田方面への研修」

2009年10月21日 08時35分57秒 | 世界遺産伝道師協会
上田方面への研修

 10月20日(火)、平成21年度第3回研修会が行われました。研修場所は長野県上田市方面、参加伝道師45名、事務局2名、総勢47名です。
 
朝8時10、高崎駅を大型バスで一路、上田市に向けて出発しました。車中、町田睦伝道師から研修場所について解説がありました。

日本で蚕種を製造している場所は、最初に訪れる上田蚕種の他、高原社、群馬県の蚕糸技術センター、福島県の富田蚕種、愛媛県の八幡山の5カ所だということです。
また「座繰りの歴史について」や上塩尻蚕種製造農家群の一角にある「信濃国蚕業頌功碑」には「群馬県人が信州に製糸方法教えた」と記述されていることなどの説明がありました。なお碑文の意訳は築比地規雄伝道師が担当しました。

貴重な前説を聞いているうちに上田蚕種に着き、手塚社長の案内で社内の見学をさせていただきました。

【上田蚕種(株)】(上田市常田)
 国内最大の蚕種製造会社。群馬で飼育されている「蚕品種」もここで製造されている。事務所棟は、大正ロマンあふれる建物で、国登録有形文化財。
 10月10日から上映されている太宰治原作の『ヴィヨンの妻』は、上田蚕種の応接室や廊下などがロケに使われています。ロケ現場もしっかり見せていただきました。

次に信州大学繊維学部講堂へ行きました。

【信州大学繊維学部】(上田市常田)
 蚕都上田を象徴する上田蚕糸専門学校時代の講堂が残存し、建物各所に桑・繭・蛾の意匠がある。初代校長は、渋川市出身の針塚長太郎で銅像がある。大正2年に設置した開綿機から撚糸機までの一連の絹糸紡績機械一式10台が保存され、完全なセットは世界で唯一である。

ここでは絹糸紡績機による実演を見せていただきました。次は笠原工業株式会社です。総務部の山田さんが社内の案内をして下さいました。

【繭倉(笠原工業株)】(上田市常田)
 明治33年に常田館製糸場として創立。戦後、笠原工業に社名変更し、電子部品、ポリエステル事業も開始する。製糸部門は昭和59年に休止した。
 現在、鉄筋・木造4~5階建ての繭倉が3棟保存されている。
 
繭倉の中も見学させていただきましたが、天井が低いので5階とは思えないほどです。敷地内が広く、煙突や倉のある景観は趣がありました。この後「東急イン上田」で昼食となり、午前の部は終了です。
 
昼食後、バスに15分乗り、上塩尻蚕種製造農家群へ着き、解説員の清水さんに案内されて散策しました。

【上塩尻蚕種製造農家群】(上田市上塩尻町)
 江戸末期から明治初期に〝蚕飼の郷〟として蚕種業で栄えた。
 北国街道沿いには、蚕種業が盛んな頃の大きな白壁の蚕室造りの家や門構え、土塀、桑屋など当時の蚕種製造の特徴を伝える農家群が今も50軒ほど残る。

 曲がりくねった狭い道路の両端に大きな家が点在している風景は圧巻です。解説員の清水さんの家には風穴代わりに使ったという地下室があり、外気温が38度の時でも締め切ると中は15度くらいになったということです。
 農家群の通りに小岩井紬工房があります。

【小岩井紬工房】(上田市上塩尻)
300年以上の歴史のある絹織物「上田紬」を、今も織り続けている会社。上田紬は江戸時代に大島紬、結城紬と日本3大紬として知られた。建物は明治時代に建てられたもので、博物館ではなく、今も機織り機で業務として織られている。
小岩井紬工房では、絹糸は草木染めや化学染料で染められ、伝統の手織一筋で織られているということです。 
次に同地区にある開館したばかりの藤本蚕業歴史館に寄りました。

【藤本蚕業歴史館】(上田市上塩尻)
藤本工業(上田市 佐藤圭司社長)は3日、同社の前身で上田地域の代表的な蚕種(蚕の卵)製造会社だった藤本蚕業などの蚕業製造に関する史料1万2千点を収蔵した「藤本蚕業歴史館」を上田市上塩尻の旧藤本蚕業の社屋に開館した。
史料1万2千点が陳列してあり、研究者には宝の山に見えるのではないでしょうか。
上田を後にして、バスで30分の地にある海野宿へ着きました。解説員の小林さんの案内で1時間ほど散策しました。

【海野宿】(東御市本海野)重要伝統的建造物群保存地区
江戸時代には北国街道の宿場町として栄えたが、明治以降は養蚕・蚕種業とした。
 江戸時代の旅籠屋造りの建物と明治以降の櫓の付いた蚕室造りの堅牢な建物が今なお残存。昭和62年に「重要伝統的建造物群保存地区」に選定。
 650mにわたり、かつての家並みが保存されている。
 「本うだつ」と「袖うだつ」の違いを確認できました。「うだつ」は防火壁の役目と、家の格を示すために出来たという説があるようです。

【海野宿歴史民俗資料館】(東御市本海野)
 寛政年間に建てられたもので、海野宿特有の〝江戸時代の旅籠屋造り〟と〝明治以降の養蚕農家〟の形式を兼ね備えた建物。
展示資料は、海野宿の起源、江戸時代の海野宿、明治の養蚕、蚕種、製糸に関するものなどがある。

4時20分、全行程を終え帰路に着きました。バスの中では、器械製糸場の功労者である速水堅曹の子孫の速水美智子伝道師が、速水堅曹について30分くらい解説しました。

その後も、原三渓の話、研修会の案内、ワーキンググループのお誘いなどが続き、話が途切れることがありませんでした。最後に近藤会長が「これまでの活動報告やこれからの展望」などを話し終えたところで、午後6時に高崎駅へ着きました。

一時の気を許すこともままならないほど内容が詰まっていて、有意義な研修でした。(Y.N記)




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群馬の養蚕信仰 30

2009年10月19日 09時05分11秒 | 世界遺産伝道師協会
“稚産霊神”
明治21年4月建立。
稚蚕供養碑の意味をもっているという。大きな天災があったのを物語っています。
明治20年5月23日大雷雨と降雹。桑園の大被害により、二眠前後の稚蚕を全部土中に葬りました。その霊を慰める碑です。
当時、4月15日に太々神楽があり、この碑をお参りすると蚕が大当たりすると言われ、参拝者も非常に多かったと言う。この神楽の終わりには、餅と蚕の笊を投げ、この笊を拾うと蚕が大当たりするとも言われたとか。
明治25年7月22日午前10時頃にも竜巻があり、死者1名ケガ6名の被害者を出しました。
駐車場なし
〔北群馬郡吉岡町陣場小出神社〕
(Y.I記)
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群馬の養蚕信仰29

2009年10月18日 08時33分39秒 | 世界遺産伝道師協会
“針塚長太郎書の碑”
「養蚕国霊神」
神戸(ごうど)の集落からは急な斜面を登らなければなりません。神戸の砦であります。
昭和9年、NHK で全国放送した御神楽があったとか。明治13年9月設立の器械改良座繰‘競良社’(社員47人)がありました。神社の参道脇に桑の実(ドドメ)がたわわに実ってました。
駐車場2台。
〔高崎市神戸町 戸榛名神社〕
(Y.I記)
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群馬県民の日「カイコとシルクのふれあい広場」群馬県蚕糸技術センター公開

2009年10月17日 22時36分59秒 | 世界遺産伝道師協会
 本年も「群馬県民の日」参加行事として、下記の通り群馬県蚕糸技術センターが公開されます。
 絹産業に関心をお持ちの方々は是非お出かけください。

開催日時 平成21年10月28日(水)午前10時~午後4時

開催場所 群馬県蚕糸技術センター 本館 (群馬県前橋市総社町総社2326-2)

開催内容
◎ 研究成果の展示
栽桑・育蚕・蚕種・人工飼料・操糸等に関する試験研究成果の展示

◎ 体験コーナー
★ 繭クラフト・・・繭人形を作ろう!
★ うちわ作り体験・・・桑の和紙でうちわを作ろう!
★ シルク化粧水作り体験・・・シルク化粧水でつるつる美肌!(午前11時~、午後2時~)※各回15名
★ シルクシート作り体験・・・シルクで簡単コースター!
★ 他にもいろいろ体験があります。

◎ 展示コーナー
★ 絹製品の展示・・・タンクトップ・ショール・ベストなど
★ 各種標本・カイコの展示
いろいろなカイコに触れます。是非お出かけください。

お問い合わせ先 群馬県蚕糸技術センター TEL:027-251-5145(代表)
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群馬県立妙義少年自然の家の「自然の家オープンデー」で、座繰り体験を行います!

2009年10月17日 07時50分09秒 | 世界遺産伝道師協会
 第25回群馬県民の日記念事業として、県立妙義少年自然の家では、施設を一日開放し、火おこし体験、野焼きパン・スプーン・フォーク作りなど各種イベントを実施し、地域の方と協力して、郷土芸能、伝承遊びなども行います。

 伝道師協会では、同事業の中で「座繰り体験」を担当しながら、パネル解説を行います。

 家族みんなで、紅葉の妙義の中に遊びに来てみませんか!

1 日  時 平成21年11月1日(日) 10:00~15:00
         ※ 雨天の場合は、体育館で行います。

2 場  所 県立妙義少年自然の家
         富岡市妙義町諸戸1106  電話0274-73-2101

3 入場料 無料

4 イベント概要

(1)つくる(無料)
  木製クラフト(フォーク、スプーン、竹トンボ、ブンブンゴマ等)
  シュロ細工

(2)あそぶ(無料)
  火おこし体験、昔遊び体験、コマ回し大会、丸太きり大会、抽選会
  座繰り体験(伝道師協会担当)

(3)たべる
  ・カレーライス、豚汁、焼きそば、焼きまんじゅう、野焼きパン(有料)
  ・綿菓子、トッカン(無料)
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高山社を考える会による「絹産業遺産」見学会が開催されます。

2009年10月16日 21時11分30秒 | 世界遺産伝道師協会
高山社を考える会(小坂裕一郎会長)は、新町紡績所などを巡る絹産業遺産見学会を次のとおり開催します。皆さん、参加してみませんか。

1 日   程  平成21年11月7日(土)

2 集   合  藤岡市役所 8時50分集合

3 見学場所  旧官営新町屑糸紡績所、境島村養蚕農家群、ガトーフェスタハラ
ダ・ラスク工場

4 参 加 費   3,000円(ただし、非会員の方は入会金1,000円が必要)

5 締め切り  平成21年10月23日(金)

6 問い合わせ 藤岡商工会議所内 同会事務局 TEL 0274-22-1230

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前前橋工業高校校長村田敬一先生の「シルクカントリ-群馬の建造物史」講演会が開催されました

2009年10月15日 21時37分52秒 | 世界遺産伝道師協会
前前橋工業高校校長村田敬一先生の講演会が開催されました

10月11日(土)14時~16時、群馬県庁昭和庁舎2階で、村田先生の退職および出版を記念しての講演会がNPO法人 住・環境支援ネット主催で開催されました。

講演会は伝道師のS.Sさんが窓口をされています。

演題は「シルクカントリ-群馬の建造物史」でしたので、伝道師も数多く参加しておりました。(H.N、M.M、Y.I、K.N、C.Y、K.H、K.K、他)
 
公演内容は、1.産業遺産の建造物的価値、2.世界遺産登録を目指す絹産業遺産群、①主な遺構、②建造物から読み取ること、③登録への課題、3.近代建築の見方、①近代建築、②洋風建築と和風建築、③和洋折衷建築、4.歴史的建造物の保存と活用、という内容でお話をされました。
 
産業遺産の位置付けは、(イ)時代が新しくても貴重である、(ロ)近代~産業革命(工業化)、市民革命その産物である工場・市役所・学校など、と定義。
 建造物から読み取ることとして、富岡製糸場、新町屑糸紡績所、富沢家住宅、について、その価値を説明いただきました。
 
登録への課題として、(イ)更なる建造物調査の実施―木骨煉瓦造の歴史と普及、関連遺産調査の早期実施、(ロ)絹遺産群のコンセプト、(ハ)整備と活用についてー個として群として、(ニ)残したいという地元の意志、を挙げられました。
 
まとめとして、群馬における絹産業建造物を洋風と和風(和洋折衷)の視点から見直してみるー(イ)そこには日本の近代化の過程、日本の異文化への対峙の仕方が見える、(ロ)職人による日本の近代化として、日本は西欧化したのではなく、伝統的な日本の中に、西欧を取り組むことで独自の近代化をひたいと、(ハ)近世以降の建築の基礎がそこにあり、そこに異質な洋風の技術や様式が混入した。伝統の継承制を軸に据えないと日本建築史が連続しない。
 
歴史的建造物の保存と活用の中で、群馬の歴史的建造物調査の実態として、調査が済んでいる自治体は数えるほどしかない、として建築関係者の積極的な参加を呼びかけられました。また行政と共に行うことの必要性、経験を積むことの必要性(お金は後からついてくる)を訴えられました。
 
我々が伝道活動をする上で、活用できる多くの情報を頂くことができた講演会でした。
(k.k記)
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群馬県太田市のおじまボランティアまつりで「富岡製糸場と絹産業遺産群」の世界遺産活動

2009年10月12日 20時49分07秒 | 世界遺産伝道師協会
10月11日(日)、尾島行政センターで、太田市社会貢献活動連絡協議会主催による「おじまボランティアまつり」が行われました。
 
伝道師協会東毛支部では去年に引き続き、PR活動をさせていただきました。参加伝道師8人(S.K T.A H.N S.N Y.I S.B N.T Y.N)は午前9時に集合し、準備を始めました。

机や椅子を並べて、ぬり絵や木工細工ができるようにし、のぼり旗を立てました。パネル展示や座繰り器をセットして準備完了です。今回は初顔合わせの人もいるので自己紹介をして担当場所へ散りました。
 
10時ころから人も多くなり、座繰り体験、ぬり絵、木工細工も人の切れ目がないほどで、どれも好評でした。子どもがぬり絵をしている間に、親御さんには世界遺産の説明をさせていただきました。

世界遺産コーナーは人数も多く、目新しい体験ができるとあってよく目立ち、充実した活動ができたと思います。
 
午後1時の活動終了後、近くのレストランで反省会をしながら食事をして散会となりました。
(Y.N記)

【参加伝道師から一言】
楽しく応援できました。尾島の町の人も知っていてお守り作りを喜んでくれました。お守り作りを通してこれからもお手伝いしていきたいと思います(T.A)
 
行政の中で販売することは地域密着型で次回も参加したいと思います(S.K)
 
なつかしく多くの方々に座繰りを楽しんでいただきました(S.N)

協会の方々が頑張っているのに感銘しました。チラシを配布するのにも初めてなので力が入りました。遺産に関心がある方が多いのも土地柄なのか! この地に期待したいです(S.B)

遠方より多くの方に手伝って頂き感謝しております。お陰さまで盛会のうちに終了することができました。番外の明養軒のランチはうまかったです(N.T)
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群馬・伊勢崎・天増寺の地蔵尊祭りでの世界遺産活動、お世話になりました(地元伝道師からのお礼)

2009年10月12日 09時46分25秒 | 世界遺産伝道師協会
 10月4日、250年の歴史を持つ県下一のお地蔵さまと知られている祭典場
で昨年に続きニ回目の「富岡製糸場と絹産業遺産群」の登録に向けての伝道活動が開催されましたことは誠に喜ばしい次第です。

 祭典実行委員200余名の協力をえて繰り広げられました。私もその一員です。
私達6名の伝道師全員がパネル解説し、座繰り体験は中島進伝道師が中心に、

 繭クラフトはY.I伝道師が中心になって行いました。
世界遺産を身近に感じるのではないかと思い、伊勢崎織物等伝統工芸士の皆さんの
現況を写真パネル並びに伊勢崎養蚕農家、桑収穫の様子、蚕の飼育状況、営繭中
の様子、晩秋蚕期繭出荷前の繭の展示を紹介させていただきました。

 ここで町内の行事を見ますと、事前に抽選券が1000戸に配布されています。その抽選券を持って祭典場で引いて各商品をいただくと、今度は子供達を中心に担当係りが昔遊びに使用された、竹トンボ、竹馬等体験、輪投げ等で楽しい一時を過ごしておりました。

 私達の活動現場では各伝道師がパネル解説をしますと、富岡製糸場へ二回行ってきました。

 まだ遺産群の中で見学をしていない所があるので是非行って見たいと言っておりました。

 昨年世界遺産広報活動をしていますので関心をお持ちの方が沢山おりました。
座繰り体験では各伝道師の誘導により子供さんの参加が沢山おりました。

 糸を引きながら繭1粒カラ1300メ-トルありますと話すと、親が子供に何回も覚えておきなさい、と言っている姿が目に止まりました。

 繭クラフト体験は親子での参加が沢山おりました。今年で2回目の体験ですので可愛いパンダが沢山完成しました。

 今回の広報活動は予定時間を過ぎて、伝道師の皆さんには大変お世話になり有難うございました。

(T.M記)


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群馬県前橋市蚕糸記念館で座繰り体験と世界遺産活動・富岡製糸場世界遺産伝道師協会

2009年10月12日 00時13分38秒 | 世界遺産伝道師協会
 前橋市教育委員会文化財保護課の協力要請を受けて、敷島公園バラ園内の前橋市蚕糸記念館の伝道活動が、春に続き秋も10月10日から始まりました。今回の当番伝道師はOさんとNです。
 
 朝9時に蚕糸記念館に着き、文化財保護課のTさんとともに座繰り器をセットしたり、繭を煮たりして準備をしました。
 
 園内のバラはまだ3分咲きくらいで、来園者がいるかどうか心配でしたが、天候に恵まれたため散歩をする人も多く、最初は散歩中の孫と祖母が立ち寄っていきました。この二人連れは「以前、来たときはやっていなかったので今回、体験できてよかった」と、自分の挽いた糸を大切に持ち帰りました。

 私たちが昼食休憩で外出しているとき、千葉から来たという6人の家族が、「千葉では見たことがないので、ぜひ体験したい」と、私たちの帰りを待っていました。6人のうち3人が体験をし、お土産の糸をあげると「よい記念になります」と感謝されました。

 また昨日、草津へ泊まって東京へ帰る途中に立ち寄ったという染物業の男性もしばらく話をしながら体験していきました。

 そのほか深谷、富岡、安中などから来たグループもいて、午後3時半の終了まで人がほとんど途切れませんでした。来館者にはチラシを渡して「富岡製糸場と絹産業遺産群」の説明をし、しっかり世界遺産運動のPRも行いました。

 秋の座繰り体験コーナーはこのあと10月18日(日)、25日(日)の二日間が予定されています。
(Y.N記)
【前橋市蚕糸記念館】について
前橋市蚕糸記念館は、明治45年6月11日に落成した国立原蚕種製造所の本館として建てられた建物です。
建物の特色としては、エンタシス状の玄関の支柱、レンガ積みの基礎、上下開閉式の窓、出入口のドアの低い取手、避雷針の設置、高い天井、大壁造、横節目地板張などがあげられ、明治時代末期の洋風建物です。
その後、国立原蚕種製造所は、農林省蚕業試験場、農林省蚕糸試験場養蚕部などと改称されましたが、国の研究機関統合のため昭和55年に茨城県筑波市へ移転しました。
この間、この研究施設は、優れた研究を完成し、日本の蚕糸業の振興に、また、前橋の蚕糸業の発展に大きな役割を果たしてきました。
前橋市では、この記念すべき建物を「糸の町」前橋のシンボルとして後世に遺すため、関係者の協力により国から払い下げを受け、敷島公園ばら園内に移築保存しました。
そして、館内の養蚕・製糸に関する用具・器械等を展示し、蚕糸業とともに歩んできた前橋の近代史を偲ぶ記念館として一般公開しました。昭和56年7月10日 県重要文化財に指定。(前橋市役所資料より)
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