令和三年渋川市立津久田小学校での活動報告
令和三年2月19日(金)渋川市立津久田小学校で四年生一クラス25名対象の学校キャラバンを行いました。
当校は明治七年『鳩杖学校』として創設され、明治・昭和の合併を経て敷島村、赤城村と変遷して、平成18年周辺6市町村の合併により渋川市赤城町となり、渋川市立津久田小学校となりました。
創立145年を超える伝統の中で輩出した最も有名な人物は、アメリカに日本学を育てた『角田柳作』氏です。司馬遼太郎氏の『街道をゆく・ニューヨーク散歩』で紹介されていますが、その誠実で清廉な人柄は本校の子供たちのお手本とするところだそうです。現在、当校の図書室には、柳作先生の生家より寄贈していただいた資料や写真などを活用して『角田柳作先生コーナー』が設けられています。又、毎年11月に角田柳作先生記念持久走大会を実施しています。
本日は25名の児童を二つのグループに分けて講話を教室で、座繰り体験を音楽室で交代して行いました。
講話はH岡誠さんが担当で、初めに『カイコの一生』のDVDを15分ほど見せてから、黒板にまとめた要点を元に『富岡製糸場と絹産業遺産群』が世界遺産になった価値について解説しました。
(H岡さんの講話風景)
生き物が無事育つためには病気にならないようにしなくてはならないことが重要で「皆さんの家で卵はどこに置きますか?」「冷蔵庫です」「お蚕の卵も天然の冷蔵庫に入れておきました、それが荒船風穴です」などと高山社や田島弥平旧宅の果たした役割についても触れ、富岡製糸場だけでは世界遺産にならないことを分かり易く話しました。又、「大河ドラマ『青天を衝け』を見てください、今日見た場面が出てきますよ」とも伝えました。
座繰り体験はY澤朗夫さんとN木多恵子さんが担当しました。お鍋の熱いお湯には充分注意するよう伝えてから、N木さんが煮繭した繭から糸口を出して見せて、Y澤さんが座繰り器の仕組みを説明しながらお手本を見せて始めました。
(Y澤さんの座繰り指導)
四年生ですので希望者は両手を使って体験しまして「目は右手を見る意味が分かりました」「昔の人は凄いと思った」「めっちゃ面白い」などと口々に感想を言いながら交代して体験しました。接緒も体験しまして「あっ繋がった、ぴっと引っ張られました」と大喜びです。中には「弟が虫好きなので蛹貰っていいですか」と優しいお兄さんもいました。楽しく賑やかに時間は過ぎて、皆さん名残惜しそうでしたが終わりの挨拶をして終了となりました。
担任のO先生からお聞きしましたが、当校では四年生の総合学習で、群馬県では赤城山にしか生息していない『ヒメギフチョウ』の観察もしているとの事でした。
帰る道すがら、蚕神調査で当地を担当したY澤さんの案内で近くの『絹笠大神』を見学しました。本日の担当はY澤朗夫さん、H岡誠さん、N木多恵子さんとY田節子の四名でした。皆さんお疲れ様でした。(Y田:記)