富岡製糸場世界遺産伝道師協会 世界遺産情報

「富岡製糸場と絹産業遺産群」は日本で初めての近代産業遺産として2014年6月25日付でユネスコ世界遺産に登録されました。

令和三年渋川市立津久田小学校での活動報告

2021年10月02日 11時23分49秒 | 世界遺産伝道師協会

令和三年渋川市立津久田小学校での活動報告

 

令和三年2月19日(金)渋川市立津久田小学校で四年生一クラス25名対象の学校キャラバンを行いました。

当校は明治七年『鳩杖学校』として創設され、明治・昭和の合併を経て敷島村、赤城村と変遷して、平成18年周辺6市町村の合併により渋川市赤城町となり、渋川市立津久田小学校となりました。

創立145年を超える伝統の中で輩出した最も有名な人物は、アメリカに日本学を育てた『角田柳作』氏です。司馬遼太郎氏の『街道をゆく・ニューヨーク散歩』で紹介されていますが、その誠実で清廉な人柄は本校の子供たちのお手本とするところだそうです。現在、当校の図書室には、柳作先生の生家より寄贈していただいた資料や写真などを活用して『角田柳作先生コーナー』が設けられています。又、毎年11月に角田柳作先生記念持久走大会を実施しています。

本日は25名の児童を二つのグループに分けて講話を教室で、座繰り体験を音楽室で交代して行いました。

講話はH岡誠さんが担当で、初めに『カイコの一生』のDVDを15分ほど見せてから、黒板にまとめた要点を元に『富岡製糸場と絹産業遺産群』が世界遺産になった価値について解説しました。

(H岡さんの講話風景)

生き物が無事育つためには病気にならないようにしなくてはならないことが重要で「皆さんの家で卵はどこに置きますか?」「冷蔵庫です」「お蚕の卵も天然の冷蔵庫に入れておきました、それが荒船風穴です」などと高山社や田島弥平旧宅の果たした役割についても触れ、富岡製糸場だけでは世界遺産にならないことを分かり易く話しました。又、「大河ドラマ『青天を衝け』を見てください、今日見た場面が出てきますよ」とも伝えました。

座繰り体験はY澤朗夫さんとN木多恵子さんが担当しました。お鍋の熱いお湯には充分注意するよう伝えてから、N木さんが煮繭した繭から糸口を出して見せて、Y澤さんが座繰り器の仕組みを説明しながらお手本を見せて始めました。

(Y澤さんの座繰り指導)

四年生ですので希望者は両手を使って体験しまして「目は右手を見る意味が分かりました」「昔の人は凄いと思った」「めっちゃ面白い」などと口々に感想を言いながら交代して体験しました。接緒も体験しまして「あっ繋がった、ぴっと引っ張られました」と大喜びです。中には「弟が虫好きなので蛹貰っていいですか」と優しいお兄さんもいました。楽しく賑やかに時間は過ぎて、皆さん名残惜しそうでしたが終わりの挨拶をして終了となりました。

担任のO先生からお聞きしましたが、当校では四年生の総合学習で、群馬県では赤城山にしか生息していない『ヒメギフチョウ』の観察もしているとの事でした。

帰る道すがら、蚕神調査で当地を担当したY澤さんの案内で近くの『絹笠大神』を見学しました。本日の担当はY澤朗夫さん、H岡誠さん、N木多恵子さんとY田節子の四名でした。皆さんお疲れ様でした。(Y田:記)

 

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令和三年伊勢崎市立境小学校での活動報告・学校キャラバン

2021年10月01日 10時05分27秒 | 世界遺産伝道師協会

令和三年伊勢崎市立境小学校での活動報告

 

令和三年1月28日(木)伊勢崎市立境小学校で3年生2クラス58名対象の学校キャラバンを行いました。

昨年同様会場は体育館で、午後の5校時と6校時で実施しました。

当校は世界遺産群の一つである田島弥平旧宅の地元ですから、養蚕にはとても熱心な学校で、大日本蚕糸会の『蚕を学ぶ奨励賞』を受賞していて、玄関には絹和紙で作った賞状が飾ってありました。

準備の時間がお昼休みと重なったため、体育館で2台の座繰り器の準備をしていますと、大縄跳びの練習に遭遇しました。縄の回し方・跳び方・入り方・抜け方がとても見事なタイミングで跳んでいるので、暫し準備の手を止めて見入ってしまいました。声を掛けそびれましたが、多分大会があるのかも知れません。又座繰り器を見て「去年これやりました、懐かしい!」との声も聞こえました。

クラス別に講話と座繰り体験を交替して行い、S場善文さんとY澤朗夫さんが講話を、H岡誠さん・K井拓美さん・S沢美代子さんが座繰り体験を、Y田は煮繭や諸々の雑用係です。S場さんとY澤さんも講話担当ではないクラスの座繰り体験のお手伝いをしてくださいました。

S場さん担当の講話は自作の映像を使って行いました。最後に出した「蚕の数はどのように数えるか?」とクイズ形式で出した質問にも即座に「一頭、二頭」と声が出たことに「やはり蚕を飼育した経験は大きくて、全員が最後まで関心を持ち続けたこの経験は、いつか必ず生きるものと感じた」との感想でした。

(S場さんのお話を熱心に聞く児童たち)

Y澤さんの講話は自作の映像と、ホワイトボードに要点を書き出して進めました。

  • 世界遺産に登録されたわけ ●絹産業遺産群の名称と所在地 ●活躍した人物(渋沢栄一・ポール・ブリュナ)を重点的に伝えました。又、富岡製糸場の東西置繭所について「このように大きな倉庫がなぜ必要だったのか」も伝えました。

(Y澤さんの講話)

 

座繰り体験は二台の座繰り器を使って、H岡誠さん、K井拓美さん、S沢美代子さんを中心に、S場善文さんとY澤朗夫さんも空き時間には積極的に参加してくださいました。

K井さんとH岡さんがデモンストレーションを見せて、その後交代で座繰り器のハンドルを回し、接緒の手応えも体験しました。持参した厚紙の糸巻きを使っての『糸巻き巻き』も熱心に取り組みました。小枠に巻き取った生糸を外すときは「それやらせてください」「良いなーぼくもやりたいです」と希望者が殺到しました。又、養蚕の経験があるためでしょうか、鍋底に沈んでいる蛹を嫌がる児童は殆どいませんでした。却って「蛹下さい」と手のひらに載せて貰っていました。

(座繰りの説明をするH岡さんとS沢さん)

 

当校は外国籍の児童が在籍していまして、一昨年訪問の折お聞きしましたが当時は十二か国の子供たちが学んでいるとのことでした。女の子たちは思い思いのスカーフで髪を包んでいまして、皆、お母さんの手作りだそうです。

(座繰り体験担当のH岡さん)

未だ来日して日は浅いそうですが、アフガニスタンから来日した男の子がとても熱心にペアーになった女の子と繭糸を引き出していまして、時折質問をしながら体育館の縦方向の隅まで切れずに繋げたのには驚きました。先生は「漢字は未だ難しいですが、平仮名と会話は大丈夫です」と仰っていました。

(児童と触れ合いながら座繰り体験を進めるK井さん)

子どもたちは時間いっぱい飽きずにとても熱心に取り組みまして「こんな真剣な目は初めて見た」「遊んでいる子は一人もいない」など先生方の感想をいただきました。

(糸の出方を説明するS沢美代子さん)

終わりの挨拶を済ませて解散した後もすぐに教室に帰らず、また近寄ってくる児童もいました。こうしたふれ合いは学校キャラバンの醍醐味ともいえるもので、担当した六人の伝道師はお互い慰労しあいながら手際よく後片付けを済ませて帰路につきました。

本日の担当はS場善文さん・H岡誠さん・Y澤朗夫さん・K井拓美さん・S沢美代子さんとY田節子でした。皆さんお疲れ様でした。(Y田:記)

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