富岡製糸場世界遺産伝道師協会 世界遺産情報

「富岡製糸場と絹産業遺産群」は日本で初めての近代産業遺産として2014年6月25日付でユネスコ世界遺産に登録されました。

富岡市立高瀬小学校キャラバン報告

2020年11月25日 07時54分02秒 | 世界遺産伝道師協会

富岡市立高瀬小学校キャラバン報告

11月13日(金)標記高瀬小学校体育館に於いて、J保千代子伝道師、M下禮子伝道師、Y澤朗夫伝道師、Y村和子伝道師、S藤和男伝道師、S藤裕子伝道師、I井規雄伝道師の7名が参加して、3年生(3クラス)78名を対象に、午前10時20分より同11時55分まで学校キャラバンを実施しました。予め了承を得てI井の自宅に保管した座繰り器2台(県1、セカイト1)を本日もS藤和男伝道師にお世話になり、2台の車に載せ高瀬小に向かいました。午前も半ばとなり、交通上の支障もなく、昨年もこんな小春日和の天候に恵まれた日であったことを思い出しながら、ゆったりとした速度で予定通りの時間に高瀬小に到着しました。

校務員さんの案内で、早く到着したS藤伝道師とI井伝道師で2台の座繰り器材を駐車場から校内の廊下を通って体育館まで運び入れました。体育館までかなり距離があり、校務員さんの計らいで台車に載せての運搬でした。校舎から出ると渡り廊下で体育館につながり、多少起伏もあるので器材が台車から崩れ落ちるようなこともあり、ときどき積み直ししては体育館に向かいました。教頭先生も体育館で搬入に付きいろいろお世話下さいました。

伝道師が揃った段階で、全員で校長室に向かい、ごあいさつと予め用意した本日のキャラバン日程案(別掲)をもとに担任の先生参加のもと、本日の打ち合わせをしました。また、新型コロナウィルス感染予防対策についても共通理解をしました。

打ち合わせ終了後は直ちに準備のため体育館に向かいましたが、途中本校のシンボルである北校舎の「高瀬黌玄関」が悠然と佇んでいるのが印象的でした。

本日は3クラスを2つのグループに分け、講話と座繰り体験をローテーションで実施し、体育館正面ステージ前で講話、入口から入った南側の2箇所を座繰り体験の場としました。校長先生、教頭先生、学年の先生からもいろいろご配慮いただき有難く思っています。やはり過日同様電熱器の調子が十分でなく、最初はポットに沸かしたお湯を繰糸鍋に使ったりしましたが、後半はどうにか使用できるようになりました。

本日の伝道師の分担は、講話をY澤伝道師、座繰りをJ保伝道師・M下伝道師組とY村伝道師・S藤伝道師・S藤伝道師組でI井伝道師は全体の調整や進行、渉外等に当たりました。予定の時間通りにA班は講話、B班(2組に分かれる)は座繰り体験から始めました(2コマ目はA班は座繰り体験、B班は講話)。

講話はY澤伝道師が大型スクリーンを使いパワーポイントで『学ぼう、生かそう、富岡製糸場と絹産業遺産群』と題して、3つの観点「なぜ世界遺産に登録されたのか、そのわけ」「世界遺産4箇所の名前と場所」「世界遺産の活躍」から話を進めました。

まず導入として「世界遺産とは何なのか」ということに触れ、具体的に中国の「万里の長城」やエジプトの「ピラミッド」の例を挙げて説明し、児童の興味・関心を惹き付けました。そして現在世界遺産は世界に1121箇所あり、日本には23箇所あることを話しました(覚え方も教える)。

そして本日の核心部分の4つの資産について何をするところなのかを理解させた上で、良質の生糸の大量生産の技術革新の舞台が4つの資産であること、そして4つの資産(「富岡製糸場の仲間たち」という言葉を使用)が協力し合って世界遺産を成し遂げたことをとらえさせました。各資産の説明で富岡製糸場については代表的な建物を児童にわかる言葉で話してくれました。さらに「座繰り製糸」や「自動繰糸機による製糸」についても触れ、製糸技術の革新にも言及してくれました。

また群馬県が新しく発行した子供用パンフレット『富岡製糸場と絹産業遺産群』の中からの写真をパワーポイントに取り入れるなど、その内容を生かした講話をしてくれました。

最後は「群馬の宝物を大事に守っていこう」と結び、児童の頷く姿も見られました。

子供たちは3年生という段階ですが、メモの取り方も上手で感心した次第です。

座繰りは前述の通り、2組に分かれて体験してもらいました。子供たちは座繰り器を目の前にしてやや緊張した様子でしたが伝道師とあいさつを交わし合うとその気持ちもほぐれ一心に座繰り体験に臨んでくれました。

体験の前にまず全体指導を行い、右手と左手の操作の仕方を手本を示しながら理解してもらいました。最初は片方ずつ、その後は両方の手を一緒にやってもらいました。児童も興味深く楽しげに伝道師の手本に合わせて動作してくれました。

次に体験に移り、全児童に右手ミゴボウキと左手ハンドルの操作をしてもらいました。「ミゴボウキは片仮名のノを書くように」「左手はゆっくりと」と声を掛けたり、「1、2、3」と手を打ちながら音頭を取ってやったり、「上手上手」と励ましたり、ときには手を携えながら体験してもらいました。上手にできると子供たちからも自然に拍手が起こりました。

併せて、繭が少なくなり同じ太さの糸にするために繭を足す「接緒」の仕方を見本を示しながら、そして戸惑っている子には児童に手を添えながら体験してもらいました。「糸が足されたのわかった?」と児童に確かめの声を掛けると児童からは「付いた、付いた」と思わず喜びの声を発する子もいました。そして上手に接緒ができると「そうそう」と褒めてやりました。児童の中には新しい繭糸が補給される様子を見て、不思議そうな顔を浮かべる子もいました。伝道師は「セリシン」という糊がついているからなのですと補足しました。

 

また座繰り体験の中で「ミゴボウキは何で出来ているのか」「綾振りのわけ」「セリシン、フィブロインで構成される生糸の構造」「繭糸、生糸、絹糸の違い」「白繭だけでなく着色繭もあること」「野蚕の存在と餌、特徴など」「蚕はなぜ繭を作るのか」「繭の中に入っているもの」「蚕の数え方・繭の数え方」「生糸は何に使われるのか」等適宜話してやると児童は納得した様子で聞いていました。

また、子供たちは繭の中から出てきた「蛹」に関心をもち、手にして観察していました。

座繰り体験のあとは自席に戻って感想を書いてもらいました(午後の時間に活用されるとのことです)。

本日の学校キャラバンに対し、子供たちは目的意識をもって真剣に取り組んでくれました。整列して体育館を去るときも、一人一人の児童が私たち伝道師に「ありがとうございました」と明るい声でお礼のあいさつしてくれ、私たちもすがすがしい気持ちになりました。

今日一日校長先生、教頭先生、担任の先生、校務員さん、ほか職員の皆様には大変お世話になりありがとうございました。

伝道師の皆さんには全力で、熱心に講話、体験指導をしてくれ内容のあるキャラバンとなりました。

末筆ですがS藤伝道師には器材の搬出入で車の提供、大変お世話になりました。

                               (I井 規雄 記)

 

 

 

 

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富岡市立吉田小学校キャラバン報告

2020年11月24日 19時47分24秒 | 世界遺産伝道師協会

富岡市立吉田小学校キャラバン報告

11月11日(水)標記小学校の視聴覚室にてY澤朗夫伝道師、M寺清江伝道師、Y村和子伝道師、S藤登伝道師、I井規雄伝道師の5名が参加して10:40より12:15まで3年生1クラス30名を対象に学校キャラバンを実施しました。天候に恵まれ快晴の大空のもと、車窓から見える稲含山(いなふくみやま)(ぐんま百名山の一つ。吉田小の校歌にも出てくる)や神成山(かんなりやま)の紅葉が見事に映えていました。

吉田小学校は上信電鉄南蛇井駅から徒歩1分くらいのところにあります。かつて南蛇井駅は下仁田駅より2つ目の駅で、乗降客も非常に多い駅でした。

まず校長室にごあいさつに伺い(全伝道師)、自己紹介と本日の日程について担任の先生を交え打ち合わせをしました(本日のキャラバン日程案はI井伝道師が用意)。原案通り進めていただければということでしたが、本日富岡高等学校の生徒3名がインターンシップで来校しており、児童と同じようにキャラバンに参加させてほしいということでした。

早速準備を進め、Y澤伝道師は講話のためのパワーポイント設営、M寺、S藤の各伝道師は座繰り器の設営(Y村伝道師は予め所用のため到着がやや遅れると連絡あり)、I井伝道師は両方の準備に関わり、進行、渉外的な役割をしました。電熱器の具合が悪かったり、ブレーカーが落ちたりと若干アクシデントがありましたが、開始前には準備が整いました。

準備が完了した時点で本日参加伝道師同士があいさつを交わし合い、児童の入室を待ちました。会場には窓から暖かい日差しが降り注ぎ、のどかな雰囲気の中で本日の活動が出来そうでした。そして児童を待つ時間I井伝道師がかつての主要道路(上州姫街道)「小坂坂峠」が西方上信電鉄「千平駅」近くにあり、鏑川を渡らず下仁田との往来や旅人などの通行に利用されていたことを話されました。

最初の1コマ目はY澤伝道師が『まなぼう! いかそう! 富岡製糸場と絹産業遺産群』と題して自作のパワーポイントを使って一方的でなく、児童に投げかけるように講話をしてくれました。

まず導入として児童の関心を惹くために「上毛カルタ」を取り上げるなどして「蚕」「養蚕」「生糸」「絹産業」について説明しました。そして本日の講話では「なぜ世界遺産に登録されたのか」「世界遺産四か所の名前と場所」「「世界遺産の活躍」ということを柱にして世界的視野に立つとともに、ポイントポイントとなるところをわかりやすく解説してくれました。

また子供を惹き付けたのは、パワーポイントの画像とともに繭や綛にした生糸、小パネル等の提示でした。江戸時代末から明治時代にかけて海外輸出の中心は生糸であり、富岡製糸場が建設された背景、渋沢栄一やブリュナの活躍等をしっかりつかませた上で4つの世界遺産(「富岡製糸場のなかまたち」という言葉を使用)が何をしたところなのか、どう関わったのか鮮明な映像のもとで話してくれました。最後は「群馬の宝物を大事に守っていこう」とまとめてくれました。児童も講話を聞き漏らすまいと真剣に耳を傾け、大切なことを感想用紙にメモしていました。

一コマ目が終了したあと休憩時間を取り、二コマ目の座繰り体験に移りました。Y村伝道師もすでに到着し、座繰り指導体制も万全で、児童が移動して来るのを待っていました。

最初全体指導としてI井伝道師が座繰り器について江戸時代後期に奥州座繰りや上州座繰りが生まれ、上州座繰りは全国に伝播したこと、当時ほとんどの農家は養蚕をするとともに座繰り器を持ち、生糸を生産して収入を得ていたこと(主に若い女性の仕事)、座繰りをするためには「煮繭」が大切であり、鉄鍋や七輪などが使われ、繭をしっかり煮るために「落し蓋」などが使われたこと(※証言から富岡製糸場でも煮繭に使われていたことがあった。)、また使用する「水」も鉄分等が含まれていたら適さず、最良とする水が使われたことなど当時いろいろなことを勘案し、努力のもとに座繰り製糸が行われていたことなど聞かせてあげました。

次にY村伝道師が座繰り体験でのミゴボウキやハンドルの操作の仕方をわかりやすいように後ろ向きになって号令をかけながら見本を示しました。子供たちも全員がY村伝道師に合わせて操作を練習していました。

その後は児童一人一人にハンドル操作とミゴボウキの操作を体験させました。上手に操作出来

たときは「上手上手」と励まし、また、児童からは拍手も起こりました。「昔の娘さんたち(工女さんという言葉も使用)は一人で両方の操作をしたのです」と聞かせると驚いた様子で聞いていました。また新しい繭の補給(接緒)の仕方をやって見せましたが1本の細い繭糸がさっとまとまっていく様子を、目を皿のようにして見ていました。座繰り体験をさせながら「ここまでは繭糸、ここからは生糸です」とか「生糸は着物やネクタイ、ドレスなどに使われますが、生糸は強いのでパラシュートにも使われます」とかその用途も話してあげました。また座繰り体験の間に「繭」や「蛹」についても解説してあげました。子供たちは「蛹」を大切そうに手にして、解説されたことを確かめ合い、観察していました。

最後に小枠に巻かれた生糸をシーンと静まり返った中で担任の先生にカットしていただきました。一人一人が手に触りその感触を確かめていました。中には「糸ください」と自分たちで取った糸を欲しいとする子もおりました。

会場が一つになって取り組んだ座繰り体験も終了時間となり、児童は朝と同じように整列して伝道師と児童があいさつを交わし合い本日の学校キャラバンは終了しました。最後まで子どもたちは課題意識をもって真剣に取り組んでくれ、教室に帰るときには、「ありがとうございました」と私たちに声を掛けてくれました。中には給食の準備で割烹着を着た女の子がきょとんと顔をのぞかせ「ありがとうございました」と礼を述べる子も見られました。

私たちの伝道活動が子供たちの心に少しでも感動を与えるものになったのかと思われる瞬間でした。

今日一日器材の運搬・準備等お世話になった校長先生、教頭先生、担任の先生並びに職員の皆様には厚く御礼申し上げます。

また、本日参加してくれた伝道師の皆さんには子供たちに温かく接し、全力を尽くして伝道に当たってくれたことに対し感謝申し上げます。

                            (I井 規雄 記)

 

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島村のお絹さん 伊勢崎市読み聞かせ民話の動画

2020年11月18日 10時04分09秒 | 世界遺産伝道師協会

2020年11月17日の上毛新聞に富岡製糸場世界遺産伝道師協会伝道師金井拓美さんが文章を書いた伊勢崎市図書館の4大型絵本「島村のおキヌさん」のことが取り上げられています。ユーチュウーブで見ることができます。

アドレスはhttps://www.youtube.com/watch?v=lfbr59inUaoです。

「上毛新聞2030年(令和2年11月17日記事」です)

金井さんからの報告は次の通りです。

島村のおキヌさんの大型絵本が伊勢崎の図書館から動画配信されました。インターネットで島村のおキヌさんと検索するとでてきます。文は金井拓美が書かせていただきました。最後におキヌさんに関してですが島村のことが紹介されていますのでご覧になっていただけると嬉しいです。よろしくお願いいたします。

大型養蚕農家群を重要伝統的建造物群に!と目指している島村の人々の中でまずは国の登録有形文化財へ動いていた人々の家が登録有形文化財に登録される段階まで差し掛かりました。NHKテレビほっと群馬630で11月20日6時半から放映されますご覧ください。

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富岡市立額部小学校キャラバン報告

2020年11月15日 10時28分24秒 | 世界遺産伝道師協会

富岡市立額部小学校キャラバン報告

去る11月10日(火)標記額部小学校に於いて、J保千代子伝道師、M下禮子伝道師、T越朗伝道師、I井規雄伝道師の4名が参加して、開始1時間前の午後12時45分に現地に集合し、13:45より4年生1クラス24名を対象に学校キャラバンを実施しました。

開始前に校長室にお邪魔し、ごあいさつと自己紹介をし、担任の先生参加のもと予めI井伝道師が印刷用意した「富岡市立額部小学校キャラバン日程(案)」に基づき本日の打ち合わせをしました。「この日程表の通りでよろしくお願いします」ということで早速本日の会場である3階の音楽室に向かい準備を始めました(器材の搬入も校長先生始め職員の方が応援して下さり、短時間に終了しました)。

会場では担任の先生や教務主任の先生がいろいろ相談に乗ってくれ、またいろいろご配慮下さり、時間的余裕をもって準備も整いました。

キャラバンの最初はT越伝道師の講話で『お蚕さんから絹織物までー群馬に見る世界遺産が果たした役割』と題して手作りのパワーポイントを使って、広い角度から優しく丁寧にお話ししてくれました。

まず導入として「絹笠明神」の画像を示し左手に桑枝、右手に蚕種紙を持っていることにも注目させ、上野村では昔から子供たちが元日の朝このような蚕の神様の初絵を各家庭に販売し、各家庭ではそれを神棚などに貼っておくことにより養蚕の豊作を祈ってきたという話から「昔は、養蚕は神頼み」であったことを話しました。

そしてT越伝道師は「蚕の一生と養蚕技術」「富岡製糸場と絹産業遺産群」「蚕糸絹業」の3つについて講話を進めてくれました。

 

「蚕の一生と養蚕技術」では一代交雑種(「外国の蚕と日本の蚕を結婚させて…」という言葉を使って)を中心とする蚕の品種改良のことを強調されました。

「富岡製糸場と絹産業遺産群」では4つの資産が関わって世界遺産になっていること、そして各資産の具体的な役割や、構造的なことなど鮮明な画像でわかりやすく説明してくれました。富岡製糸場の繰糸所の説明では、自己が収集した自動繰糸機の動画を見せ、子供たちから「すごい」という声があちこちから聞こえました(とても効果的でした)。子供たちが特に関心をもったのは、「トラス構造」で次の画面に移ろうとすると「待ってください」と必死に図面をメモしていました。富岡製糸場はいつも時代の最先端を行ったこと、また今よく言われる「働き改革の原点」でもあったとも話されました。そして製糸の技術革新の結果、日本は世界一の生糸輸出国になったことにも言及しました。

「蚕糸絹業」では「糸を染め、織り、着物」ができることを、反物を見せながらわかりやすく話してくれました。子供たちは反物の美しさに感動していました。

最後は「みんなで世界の宝物を大切にまもって行きましょう」とまとめてくれました。

次に休憩時間を取ったのち2コマ目の「座繰り体験」に入りました。J保伝道師とM下伝道師の呼吸がぴったり合って、全力で指導してくれました。

まずJ保伝道師が座繰りに入る前に全体的な話をし、蚕や繭に関することや、繭糸と生糸と絹糸の違い、座繰りの仕方、特に「右手はミゴボウキを、鉛筆を持つように握り早く、左手は片仮名のノを書くようにしてゆっくりと」「ミゴボウキは早く操作しないと折角撚ったものが元に戻ってしまいます」と右手と左手の動かし方の模範を示しながら話してくれました。

次にM下伝道師が座繰りを実演して見せ、操作する中で解説を加えてくれました。

そして児童の体験に移り、「接緒」の仕方を一人一人に教え、接緒が済むと一人ずつ、右手と左手の両方を操作する座繰り体験をしてもらいました。J保伝道師とM下伝道師が児童に手を携えてやったり、操作の手本を示したり、「ミゴボウキは鍋から出すようにして」などと助言したり熱心な指導をしてくれ、やがて児童の操作の仕草も二人の伝道師に似てくるほどでした。うまく操作できると「上手、上手」と励まし、また児童も友達の操作に思わず拍手を送ったりしていました。児童の中には回っている小枠にそっと手を近づけて「風が来る」と小枠の回転の速さを実感している子もいました。

繰糸鍋の繭層が薄くなると、「蛹」に着目させ、蛹に関する解説や、昆虫食として蛹はたんぱく源として食され、富岡製糸場の工女さんもかつておやつに食べていたことや現在も販売されていることなどにも触れてくれました。

終了の時間も近付き、体験できた児童は自席に戻って、担任の先生が印刷作成された用紙に感想文を書き始めてもらいました。自席に着くと子供たちは素早く鉛筆を走らせていました。子供たちの意欲・関心の高さを伺わせるものでした。

 

最後は児童に囲まれ「先生頑張れ」の声援を受けながら担任の先生にも座繰りを体験していただきました。本日みんなで頑張って取った生糸は「大切に学校で使ってください」とお願いし、また整列して終わりの会に移りました。まとめとしてI井伝道師が本日みんな真剣に取り組んですばらしかったこと、今日の講話や座繰り体験を生かしてさらに勉強を深めてほしいことを述べ、元気な全児童による心のこもった「ありがとうございました」のあいさつをいただき、本日のキャラバンを終了しました。

 器材の搬出も職員の皆様にお世話になりありがとうございました。会場が一体となって子供たちとともに過ごした本日のキャラバンのことを思い出しながら帰路に就きました。

 末筆になりましたが、校長先生、教頭先生、教務の先生、担任の先生はじめ職員の皆様には大変お世話になりありがとうございました。

                               (I井 規雄 記)

 

 

 

 

 

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富岡市立黒岩小学校キャラバン報告

2020年11月13日 17時32分39秒 | 世界遺産伝道師協会

富岡市立黒岩小学校キャラバン報告

11月6日(金)13:15より14:00まで標記黒岩小学校体育館にて4年生7名を対象にJ保千代子伝道師、Y村和子伝道師、S藤登伝道師、I井規雄伝道師が参加して学校キャラバンを実施しました。黒岩小は高台にあり、駐車場からは黒岩の集落が一望でき、山々の紅葉とマッチして晩秋の美しい光景を目にすることができました。

開始1時間前に集合し、伝道師同士あいさつを交わしたあと、校長室にお邪魔し自己紹介と本日の打ち合わせをしました。本日のキャラバンの内容は1コマの座繰り体験のみということでしたが、今年は子どもたちに養蚕飼育の経験がなかったということで、座繰り体験の前にI井伝道師が自己の養蚕経験を話してあげるということになりました。

開始予定の午後1時15分には余裕をもって準備が完了し、児童を待つばかりとなりました。

定刻に児童も担任の先生に引率されて体育館に入場してきました。その姿はやや緊張しているようにも見えましたが、期待感に溢れているようでした。

始めに子どもたちと伝道師があいさつを交わし合い、早速I井伝道師が自己の養蚕経験に基づき、「私は蚕が大好きです」と切り出し、「昔はほとんどの家で養蚕をしていたこと」「養蚕が農家にとって大きな現金収入であったこと」「おかいこ、おかいこさんなどと尊称されること」「子どもも家族の一員として家族みんなで養蚕に取り組んだこと」「小学校には農繁休暇や養蚕休暇があったこと」「桑くれ等で朝早くから夜遅くまで大変な作業であったこと」「お蚕(こ)上(あ)げ(上蔟のこと)にはいろいろ買ってもらえたこと」など、さらに「ほとんどの家で座繰り製糸をし、生糸を生産していたこと」「10歳くらいになると女子は一人前の座繰り製糸に携わった人もいたこと」「近代まで座繰り器が大きな役割を果たしていたこと」など、さらに「これから皆さんに座繰り体験をしてもらいますが、当時の人々の気持ちになって体験してみてください」と結びました。

次に座繰り体験に移りましたが、J保伝道師が蚕や繭、生糸などについて自己手作りの資料を見せながら楽しくお話ししてくれました。蛹の話では「これ食べられるのですよ」「富岡製糸場の工女さんのおやつにも出たそうですよ。たんぱく質で出来ていてとても栄養があるのです」などと話すと児童は「ええー」などと驚いていました。さらに蚕には「家蚕」のほかに「天蚕」というものがあり、桑でなくクヌギが餌で、取れる糸量も少ないことなども話してくれました。

「それでは二人一組でやってもらいます。男の子と女の子で組んでください」という発声でいよいよ子どもたちが待ちに待っていた座繰り体験が始まりました。男女二人が交互にハンドル操作とミゴボウキの操作をやる方法をとりました。「左手はゆっくりと、右手は早く左手の2倍くらいの速さで回してください」「右手は早く回すことによって糸がよく捻れます」「ミゴボウキは立てて使い必ず上げてください。そうでないと糸がくっ付いてしまいます」などと声を掛け、時には「上手、上手」と励ましながら、また「片仮名のノを書くように」と指示したり、「ノ、ノ、ノ、ノ」と音頭を取ったりしながら体験してもらいました。

そしてミゴボウキに着目させ、稲の穂先で出来ていることを説明し、「この繭3粒で富士山の高さを超えるよ」「着物を作るにはこの繭が2600粒から2700粒くらい必要だよ」と話すと子どもたちは「へー」と驚いていました。

座繰りの途中繰糸鍋の繭層が薄くなり、蛹が見えてくると「蛹がカプセルに入っている」と新しい発見を口にする子もいました。そして神保伝道師が座繰りの手本を示しながら、「繭糸がここから生糸になります。絹糸にするにはこれから精練しないとだめなのです」と指差しながら教えてくれまた。そして生糸の鼓車への巻き方、小枠への掛け方などを実演して見せました。

続いて「接緒」の体験に入り、最初は戸惑った様子でしたが、手を携えてやったり声掛けをしたりすることよって「ああ付いた」とほっとして喜ぶ姿も見られました。

最後は一人ずつハンドル操作とミゴボウキの操作の両方をやってもらいました。はじめてにしてはとても上手な手さばきであったように思われました。児童の体験のあと、会場に足を運んでくれていた校長先生、担任の先生にも両手操作で体験していただきました。滑らかなハンドル操作でさすがの腕前でした。

本日小枠に巻いた生糸を小枠から外し、児童に触らせましたが感慨深そうに手で撫でていました。「この生糸はパラシュートにもなる強いものなのです」と話してやると子どもたちの中には不思議そうな顔をする子もいました。そしてその生糸を校長先生にハサミでカットしていただきましたが、子どもたちの中には切ってもバラバラにならずしっかり固着している生糸を見て、「すごい」と思わず声にする子もいました。早速「これはセリシンという糊がついているのです」と解説しました。

あっという間に終了の時間となり、お別れのあいさつの時間となりました。子どもたちから一斉に元気な「ありがとうございました」の声を聞き、I井伝道師が代表して簡単なあいさつを兼ね、「今日どんなことがわかりましたか」と尋ねたところ「座繰りが大変なことが分かりました」「座繰りをする人の気持ちが分かりました」と感想を述べてくれました。I井伝道師が始めの養蚕の話の中で「当時の人々の気持ちになって体験してみてください」と言ったことが生かされた児童の感想でした。すでに富岡製糸場は見学しているということで製糸の技術革新をきっと感じたことと思います。

J保伝道師、Y村伝道師、S藤(登)伝道師が一体となって子どもたち一人一人に優しく温かく手を差し伸べてくれ、充実した学校キャラバンができたように思います。

末筆ながら校長先生、担任の先生はじめ職員の皆様にはいろいろとお世話になりありがとうございました。

                              (I井 規雄 記)

 

 

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富岡市立西小学校キャラバン報告

2020年11月08日 11時45分39秒 | 世界遺産伝道師協会

富岡市立西小学校キャラバン報告

11月5日(木)標記西小学校で1年生(35名)と3年生(35名)を対象にして午後1時25分よりT越朗、Y村和子、S藤和男、O野多美子、K渕秀子、I井規雄の6名の伝道師が参加して学校キャラバンを実施しました。本日のキャラバンは、1年生は1コマの座繰り体験のみ(但し最初に簡単な話も入れる)、3年生は1組、2組がローテーションを組んで交互に講話と座繰り体験をすることになっています。

本日必要な座繰り器材2台(県庁とセカイトより借用)は予めI井伝道師の自宅に保管し、車で西小に向かうS藤伝道師に立ち寄ってもらい二人の車に積み込んで西小学校に向かいました。

12時30分に集合し伝道師同士簡単なあいさつと打ち合わせをしたのち校長室で自己紹介をするとともに本日の日程等について打ち合わせをしました。校長先生は「子どもたちは今日の日を楽しみにしていました。子どもたちもいろいろなことを発見してくれるでしょう」とごあいさつされました。

早速準備に取り掛かり、本日キャラバンの実施教室に向かいました。校長先生、教頭先生にも会場案内や器材の運搬等大変お世話になりました。1年生は北校舎1階の生活科室で、3年生は、講話は同じ校舎2階の3年生の教室で、座繰り体験は南校舎(通称「太陽校舎」と呼ばれ、本校のシンボル的な存在となっている)2階の視聴覚室で行いました。

伝道師の分担は、講話はT越伝道師、1年生の座繰りはY村伝道師とO野伝道師、3年生の座繰りはK渕伝道師とS藤伝道師、全体的な進行、渉外等はI井伝道師が当たりました。

T越伝道師は自作のパワーポイントを使い、「お蚕さんから絹織物まで―群馬にある世界遺産が果たした役割」と題し、画像や流れに塚越伝道師ならではの工夫と配慮をされ、子どもたちに惹きつける講話をしてくれました。導入部では「蚕」の文字の生まれたわけを「天」と「虫」の文字を掲げ、子どもたちに関心を呼び起こしました。そして「小石丸」や「ぐんま200」の繭を投影し、一代交雑種等蚕の品種改良によって病気にも強く、大きな繭ができるようになったことを話されました。また、「蚕の一生と養蚕技術」について鮮明な映像を示され、児童も身を乗り出して画像を注視していました。養蚕技術では「荒船風穴」「田島弥平旧宅」「高山社跡」について詳しくわかりやすく話してくれました。途中で「荒船風穴に行ったことある」という子どもの声もあり、子どもたちが真剣に講話に臨んでいたことが伺えました。

「製糸」については富岡製糸場を掲げ、県発行の子ども用パンフレットとも関連させて解説し4つの資産が世界遺産であること、そして座繰りから自動繰糸機までの技術革新について子どもたちにわかりやすい言葉で語ってくれました。そして世界遺産とは何なのか、群馬県の世界遺産が果たした役割は何なのか、こどもたちにわかるよう解説してくれました。

1年生の座繰り体験では、まずY村伝道師に座繰り体験を前に、蚕や座繰りに対する全体的な話をしていただきました。Y村伝道師は1年生に話しかけるように子どもたちの反応を見ながら楽しく語ってくれました。子どもたちの反応もよく、ときには質問も出ましたが、実例を示しながらわかりやすく対応してくれました。蚕や繭の数え方、デニールという生糸の太さを表す単位など基本的なことからシルクは何に使われているのかなど絹と日常生活との結びつきまで子どもたちの目線に立って話してくれました。座繰りを操作しながら「ねえねえ、音を聞いて」と座繰りの音まで注目させました。

 次に座繰り体験(二人ずつ)に入りました。主にハンドル操作は除村伝道師が、ミゴボウキの操作はO野伝道師が当たりました。二人の伝道師は、見本を示し、手を携えながら「上手、上手」と称賛しながら体験させました。1年生の目はお話、座繰り体験とも終始輝いていました。

 3年生の座繰り体験では児童は「ざぐりたいけん感想・メモノート」を一人一人手にして入場し、大切なことはメモしながら臨んでくれました。K渕伝道師とS藤伝道師が連携し合い、座繰り体験の中で、座繰りの構造やミゴボウキで水流を起こす意味、撚りをかけるわけなどわかりやすく話してくれ、児童も納得した様子でした。また、薄皮の中に見える蛹に着目させ、繭の中で脱皮して蛹になったこと、蚕は4回脱皮することなども語ってくれました。児童の中に、蛹のほかに黒いものがあるが何かという質問もあり、「これは蚕が繭の中で蛹になる(蛹化)ときに脱ぎ捨てた皮です」と話してやると、納得した様子で頷いていました。そこですぐに「すごいことに気付いたね」と褒めてあげたりしていました。

座繰り体験を通して、講話と関連させながら製糸の技術革新について少しでも学んでもら

えたのではないかと思います。

 なお最後に、学校で地域からもらった蚕がつくった繭があり、蛾がすでに出た繭があるということで真綿づくりをY村伝道師に実演してもらいました(前もって学年の先生から何か使い道はあるかI井伝道師に連絡があり、折角子どもたちが飼育したのだから時間があれば真綿にするところを子どもたちに見てもらいましょうと回答〈当日その出殻繭は網に入れて座繰り体験で使用する繭と一緒に煮繭しておいた〉)。予め校長室での打ち合わせのとき、もし真綿づくりをする場合は時間が少し延長されるかもしれないということで了承を得た上での活動でした。Y村伝道師は真綿づくりと関連して「糸を挽く」と「糸を紡ぐ」の違いにも言及してくれました。

 終了予定時間より時間がやや延びましたが、子どもたちは最後まで真剣に取り組んでくれ、校長先生はじめ先生方にも「いろいろよい体験ができ、いろいろなことが分かってよかった」と喜んでいただきました。

 片付け終了後、器材を2台の車に積み込み、校長室にごあいさつに伺い西小学校を後にしました。晩秋の天候にも恵まれ、6人の伝道師が協力し合い、時間の経つのも忘れて熱心に取り組んでくれた伝道活動であったかと思っています。

器材運搬に協力してくれたS藤伝道師並びに参加してくれた伝道師の皆様には厚くお礼申しあげます。

(I井 規雄 

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富岡市立妙義小学校キャラバン報告

2020年11月03日 21時48分31秒 | 世界遺産伝道師協会

富岡市立妙義小学校キャラバン報告

10月29日(木)妙義山の紅葉が映える富岡市立妙義小学校で午前10時45分より授業の2コマを使い、J保千代子伝道師、Y村和子伝道師、U原一美伝道師、I井規雄伝道師の4名が参加して3年生を対象に学校キャラバンを行いました。いつもと同じように家庭と学校入校前に体温測定(体温計持参)を実施した後、校長室でごあいさつと自己紹介をし、本日のキャラバンの流れを担任の先生を交えて打ち合わせをしました。

その後は本日使用する座繰り器材一式を車から降ろし、会場である2階の多目的室に運び入れ、早速準備に掛かりました。職員の皆さんが器材の運搬に協力してくださり、大変助かりました。「座繰りができる今日の日を子どもたちは楽しみに待っていたのですよ」という校長先生のお言葉もいただきました。

講話担当であるI井伝道師はパワーポイントの機器設定、J保、Y村、U原の各伝道師は座繰り器の設営に取り掛かり、時間的な余裕をもって準備も整いました。準備の段階においても校長先生はじめ職員の皆様にはいろいろとお手伝いまでしていただき申し訳なく思っています。  

定刻に3年生の児童とあいさつを交わし合い、伝道師の自己紹介(それぞれの伝道師が楽しい自己紹介をしてくれ、子どもたちの緊張もほぐれたようでした)後、一コマ目の講話に移りました。

I井伝道師は「蚕とまゆ、世界遺産のはなし」と題して自作のパワーポイントを使って映し出される画像をもとに自己の養蚕経験を話したり、時には質問を子どもたちに投げかけたりして子どもたちと対話する講話に努めました。本日の講話の流れ(柱)は次のようなものでした。

『蚕と繭・養蚕について→製糸(座繰り)について→富岡製糸場をはじめとする4資産について→世界遺産とは→日本をはじめ世界の世界遺産について→なぜ「富岡製糸場と絹産業遺産群」は世界遺産になったのか(世界との技術交流、技術革新の主要舞台→世界の服装や文化を豊かなものにした)→本日の講話で学んだこと』

また、4資産の説明では、特に人物を通して理解してもらうことに努め、その人物の写真や肖像画を浮き彫りにして印象付けるようにしました。併せてその人物の努力する姿にも触れました。

二コマ目は「座繰り体験」に入り、J保、Y村、U原の各伝道師がスクラムを組んで、全力で指導に当たってくれました。

まずJ保伝道師が座繰り体験に当たって総合的な話をし、「繭糸」「生糸」「絹糸」の違い、着物に必要な繭の数、取った生糸は全部使えない(キビソやビスがある)ことなどわかりやすく説明してくれました。

次にY村伝道師が、座繰り器の操作の仕方や、糸の掛け方、ハンドルの回し方、ミゴボウキの扱い方など自分で操作しながら丁寧に子どもたちに教えてくれました。小枠に巻かれる生糸をじっと見つめていた児童からは「おもしろい」「すごーい」と驚きの声も聞かれました。

早速子どもたちの座繰り体験に移り、J保、Y村、U原の各伝道師の協力体制のもとにスムーズに展開することができました。児童一人ずつ座繰り器の前に来てハンドル操作をしてもらい、それが済むと繰糸鍋の前に移動し、ミゴボウキの操作をするという形をとりました。左手のハンドルはゆっくりと、右手のミゴボウキは早く「片仮名のノを書くように」と声を掛け、うまくできると「うまいうまい」「上手上手!」と励ましながら体験してもらいました。途中J保伝道師が座繰りの手本を見せると子どもたちからは「すごい」「うまい」と感動の声が聞こえました。

その次に子どもたちには座繰りの重要な操作である「接緒」を体験してもらいました。はじめは戸惑いを見せていましたが、言葉がけをしながら体験させると、皆上手に接緒ができ、

子どもたちも満足そうに笑顔を浮かべていました。

 全員の児童終了後先生方にはハンドルとミゴボウキを一人で操作しながら体験していただきました。さすが上手で子どもたちから拍手喝采でした。

次に全員で取った生糸を小枠から外し担任の先生にハサミで切ってもらいました。そして「取った生糸に触ってごらん」という指示に子どもたちは手で触って感触を確かめていました。「切った糸はあとで皆さんで分けてください」と言うと児童からは一斉に「ありがとうございます」とうれしそうな声が返ってきました。

そして最後に繰糸鍋に残った薄皮の繭や蛹、溶けだしたセリシンを含んだ濁りのある水に着目させ、蛹が食料になることや、セリシンが化粧水などに使われることなどを話してやると子どもたちは熱心に聞き入っていました。

休憩時間を途中に入れ、2コマを使った本日のキャラバンでしたが子どもたちは時間の経つのも忘れ、本当によく取り組んでくれました。

体験終了後は朝と同じように子どもたちとあいさつを交わし合い、撤収作業をして座繰り器材を車に積み込みました。この作業も職員の皆さんがいろいろ手を貸してくださり、短時間で終了することができました。

お別れするとき「妙義山のすばらしい紅葉を見ていきませんか」と校長先生が案内してくださり、校庭から眺めた紅葉の妙義山はまさに絵を描いたようで絶景でした。

今日一日目を輝かせて取り組んでくれた子どもたちの顔を浮かべながらお世話になった妙義小学校を後にしました。

参加してくれた伝道師の皆さんには終始子どもの立場に立った温かい指導を差し伸べてくれ、本当にありがとうございました。

末筆になりましたが、U原伝道師には都合で参加できなくなった伝道師が出たため、急遽参加をお願いしたところ快く引き受けてくれ大変助かりました。厚くお礼申し上げます。

                             (I井 規雄 記)

 

 

 

 

 

 

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