富岡製糸場世界遺産伝道師協会 世界遺産情報

「富岡製糸場と絹産業遺産群」は日本で初めての近代産業遺産として2014年6月25日付でユネスコ世界遺産に登録されました。

平泉の世界遺産登録に向けて奥州藤原氏の「平和への願い」がキーワード

2008年06月30日 23時32分27秒 | 世界遺産伝道師協会
上毛新聞6月28日の4面に「『平泉』の登録焦点にーカナダー2日から世界遺産委」との見出しの下に、昨年のイコモスの調査に基づいてイコモスから”登録延期”の勧告がなされている「平泉ー浄土思想を基調とする文化的景観」について、27日にあくまでも登録を目指す文化庁が「反論を盛り込んだ説明資料を発表、キーワードは奥州藤原氏が中尊寺などに託した『平和への願い』だ。」と上毛新聞は書いています。

平泉が登録延期を勧告された理由は「世界遺産にふさわしい『顕著な普遍的価値』の証明」が不足しているということでした。このことについて、浄土信仰によって奥州藤原氏が願ったもの、それが藤原清衡・基衡・秀衡の3代にわたり極楽浄土を現出し、「平和な社会の創造」という人類の共通の願いだったことを説明してゆこうとしているようです。

ケベックでの世界遺産員会は7月2日から10日まで開催されます。群馬県世界遺産推進室からも職員が派遣されています。8日頃には登録の可否の結論が出されるのではないかと思われます。いい結果がくることを祈っています。

ちなみに、イコモスの勧告には次の4つがあります。昨年の石見銀山も”登録延期”の勧告でしたが、環境にやさしい鉱山との視点で巻き返しを図り、その意が通じて登録が実現しました。今回の「平和」の心も委員諸国に受け入れられ登録できるように、うまくいく事を祈るばかりです。

イコモスの4つの勧告
1、登録;特に条件をつけずに登録推薦できる。
2、情報照会;より詳しい情報が必要なので推薦国に追加情報を求める。
3、登録延期;より詳細な評価や研究が必要なので推薦のやり直しを求める
4、登録不可;世界遺産として登録できない

写真は中尊寺境内
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渋川・豊秋福寿大学で「ぐんまから世界遺産を!」の講演

2008年06月28日 11時38分32秒 | 世界遺産伝道師協会
6月26日(木)、渋川市豊秋公民館主催の豊秋福寿大学で「富岡製糸場と絹産業遺産群を世界遺産に」と題して講演をしてきました。

この福寿大学は、市内の豊秋地区に在住している60歳から80歳までの高齢者を対象にしている学習会ですが、現在、席を置いている人は200人程いるとのことでした。

会場の豊秋公民館には雨天にも拘わらず、150名ほどの受講者で会場は一杯になっていましたが、8割方は女性でした。

講演の前に、渋川市の老人福祉課の職員が30分ほど指を使った健康体操を指導され、気分がリフレッシュしたところで、世界遺産についての講演となりました。

講演は、いつもの通りパワーポイントを使って行い、パソコン操作は世界遺産推進室のKさんにお願いしました。

最初に、受講者に「富岡製糸場などが世界遺産の候補になって事を知っていますか」と尋ねたところ、全員がテレビや新聞で知っているとのことでした。ただ、富岡製糸場には一度も行ったことがないと言う人が9割方いました。

今回の受講者は高齢者が多いため、世界遺産候補の「富岡製糸場と絹産業遺産」についての説明も分かり易く話すよう心がけるとともに、1時間半という講演時間の中間に休憩時間も取り入れました。

受講者は、私が予想していたよりも熱心に話しを聞いて下さったので、つい調子に乗り多少、時間オーバーとなってしまいました。

このように熱心に聞いてくれたのも、皆が世界遺産というものに大変関心を持っていることと、群馬からの世界遺産の実現に大きな期待をしているからではないかと思われました。
(M.M 記)
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富岡製糸場世界遺産伝道師協会のメンバーが境島村地区の桑園造成事業に協力

2008年06月27日 22時35分55秒 | 世界遺産伝道師協会
 6月25日(水)、伊勢崎市境島村地区で「ぐんま島村蚕種の会」による桑園造成が実施され、伝道師15名と地元の方と合わせて総勢30人が参加しました。
 
 この桑園造成に使われた桑は、6月8日まで行なわれていた全国都市緑化ぐんまフェアの前橋公園会場で〝桑の海〟として植えられていた2,500本のうち400本を島村地区で再活用することになったものです。

 植えた場所は「ぐんま島村蚕種の会」の会長・田島健一さん宅近くの畑(5a)で、桑のある景観を蘇らせたいということや、桑の葉を近くの境島小学校の養蚕体験用として提供し、将来的には養蚕の復活に繋げたいとのことです。

 この日は朝から霧雨でしたが、作業は9時から始まり、雑草の生えた畑をトラクターで耕耘する人、トレンチャ―で桑苗を植えるための溝を掘る人、桑苗を運んで植える人などで地域一帯が活気に満ちていました。

 畑には、根元から20cmほど残して枝を切り落としたポット植えの桑が、蚕種の会の方によって運んでありました。直径40cmもあるポットから桑(3年生)を引き出し、底に敷いてある網を外す作業や土の付いた桑の大株を穴に運ぶ作業は思いのほか重労働です。

 ポットに入った桑苗は140本あり、畝間2.5m、株間60cmの間隔で植えていきました。このとき桑苗を一直線にしないと、後でトラクターによる除草作業をするときに桑を傷めてしまうため、「曲がり真っ直ぐ」にならないように注意を払います。

 次に、ポットに入っていない1年生の桑苗220本の仮植を行いました。桑苗の移植時期は3月から4月が適期のため、今の時期では根付かないことがあります。そこで取りあえず仮植しておき、枯死しなかったものを再び来年の春に植え直しをするためのものです。

 また、見本桑園として南側の道路から見える場所に、色々な品種の桑を40本植えました。見本として植えた品種は、「島村」「采女桑」「多胡早生」「陣馬」「久兵衛」「叶屋」「甘楽桑」「カタネオ」など約20品種でした。

 全部、植え終わった後、最初に植えた140本の桑の根元に雑草除けの黒色ビニールでマルチを施しました。そのあと畝間をトラクターのロータリーで転圧をかけ、地面を平らにして終了です。終了時間は午後4時頃を予定していましたが正午にはすべて終わり、雨も上がって青空がのぞいていました。

 作業終了後、「島村福祉交流ふれあい館」で昼食を摂ることになりました。ここでは蚕種の会の奥様方が、トウモロコシや漬け物、お茶などを用意していてくださいました。

 今回の桑園造成事業により、島村がかつて養蚕で栄えたころの原風景を垣間見る空間が出来上がり、大型養蚕農家群と合わせた見所のあるスポット作りに、微力ながらも協力できたと満足しつつ家路に着きました。(Y.N伝道師の報告です)
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北毛地区世界遺産ボランティア養成講座が始まる!

2008年06月27日 10時53分33秒 | 世界遺産伝道師協会
中之条町、中之条町教育委員会主催による「北毛地区世界遺産ボランティア養成講座」が26日から3日間の日程で始まりました。この養成講座には、本協会、群馬県も協力しています。

どのくらいの方が来て頂けるのかとも心配しましたが、養成講座には、中之条町を初め、嬬恋村、六合村そして玉村など18名と多くの方々が参加してくれました。

初日は、中之条教育長の挨拶で始まり、世界遺産、富岡製糸場と絹産業遺産群、絹産業についての講義でした。講義では、近藤会長と県世界遺産推進室の係長が講師を行いました。

午前中は(10時~12時)、T係長の絹関連の講義、午後は1時から4時半まで近藤会長の世界遺産・文化財保護法・絹産業遺産群の話、話す方も終わった後、熱っぽくなるほどエネルギーを使いましたが、3時間半良く聞いてくださいました。聞きながら反応知っていただいていましたので、大変話しやすく、しゃべり続けられました。とてもいい時間でした。

2日目は、冨沢家住宅、栃窪風穴、赤岩養蚕農家群について講習を受け、最終日には現
地を視察して養成講座は修了する予定です。

この養成講座で勉強されたボランティアの皆さんには、まずは土日祝日に冨沢家住宅の解説ボランティアとして活躍をして頂ければと考えます。

中之条でのは初めての世界遺産ボランティア養成講座が成功し、地域に根ざした運動が広がることを期待しています。


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島村の桑園造成の援軍活動が終了しました。

2008年06月25日 21時34分05秒 | 世界遺産伝道師協会
本日、島村の桑園造成に会員15名が参加して桑の植え付けを行って来ました。

当初、田島健一さんの隣地を予定しておりましたが、昨夜になって田島さんから関口さんに都合で場所を変更して欲しいとの申し入れがあったとかで、県道の北側畑5アールに植え付けを行いました。

大鉢に入った桑は、ネギの植え付けに使うトレンチャーで深い溝を掘り、その溝に桑株を植え込んだため、スコップで穴を掘ることもなく楽に植えつけることが出来ました。

また、鉢に入っていない220本については、仮稙しておいて来年春に植え替えると言うことで密稙したため能率が上がり、作業は午前中に全て終了しました。
その後、交流センターで地元の役員さん達と雑談しながら昼食を取ってから、解散となりました。
...と言う訳で無事終了しました。参加者の皆様お疲れ様でした。取り急ぎ概要の報告です。本報告は後日になります。
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前橋から富岡への道での蚕糸業の足跡

2008年06月22日 17時41分34秒 | 世界遺産伝道師協会
前橋から富岡へ向かって、富岡市下高尾信号先のJA脇にそれは、あった。『甘楽社小野組』の石碑。S3.11月建立。道路の反対側には煉瓦倉庫があるので目印にして、車に気をつけて見学下さい。近代化遺産wGは今後、「南三社」の足跡を追う必要があると考えてます。

この石柱へ行く途中もう一ヶ所、蚕神をご紹介します。前橋から富岡市へ向かって安中市内大谷入口信号を過ぎ、二車線先の信号を見たら注意して、その先の『火の見やぐら』が目印です。確か“水鏡公会堂”って書いてあったと思います?そこに、明治33年の自然石に彫った蚕神と道陸神や双体道祖神などありました。

この項は近代化遺産WG世話人Iさんからの報告です。
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イオンモール高崎・シルクカントリーぐんま世界遺産キャンペーンを実施します

2008年06月19日 22時40分19秒 | 世界遺産伝道師協会
 
【キャンペーンについて】
 シルクカントリーぐんま連絡協議会は世界遺産候補「富岡製糸場と絹産業遺産群」を始めとした県内絹産業にかかる近代化遺産の世界遺産登録運動を推進し、もってシルクカントリーぐんまの歴史や文化に対する県民意識の高揚に資するため、「シルクカントリーぐんま世界遺産キャンペーン」を開催いたします。

 【日 程】
 平成20年7月5日(土)~13日(日) 9日間

 【会 場】
 イオンモール高崎 1F セントラルコート
             サブコート   
2F イオンホール  

 【主 催】
シルクカントリーぐんま連絡協議会
赤岩重要伝統的建造物群保存活性化委員会(六合村)
ぐんま島村蚕種の会(伊勢崎市)
高山社を考える会(藤岡市)
富岡製糸場を愛する会(富岡市)
富岡製糸場世界遺産伝道師協会(前橋市)
本一・本二まちづくりの会(桐生市)
よみがえれ!新町紡績所の会(高崎市)

  【共 催】
 イオンモール株式会社(イオンモール高崎)

 【後 援】
群馬県、群馬県教育委員会、

 【協力】
 群馬県立歴史博物館、群馬県立日本絹の里、ぐんま昆虫の森
 碓氷製糸農業協同組合
 
 【イベント概要】
(1)セントラルコート  10:00~17:00(平日は12:30~16:30)

【日 程】

7月5日(土)
10:00~17:00
・ 開会式典
・養蚕の舞(渋川市)
・FMぐんま公開放送(清水先生・笹口晴美氏出演)
  仮題『シルクカントリーぐんま
             そして世界遺産』
・繭クラフト無料体験
・クイズラリー
・工女ゆうまちゃん写真会
・7団体の活動紹介(パネル展示・パンフ配布)
・アンケート(参加者には抽選により景品)
 
6日(日)
10:00~17:00 < 赤岩の日>(パネル展示)

赤岩重要伝統的建造物群保存活性化委員会(六合村)活動紹介
イベント・無料体験
無料抽選会
・赤岩組紐の実演、体験、販売
・ヘリテイジ仮面ショー(13:30 15:00)
・クイズラリー
・工女ゆうまちゃん写真会
・7団体の活動紹介(パネル展示・パンフ配布)
・アンケート(参加者に抽選により景品)

 7日(月)
12:30~16:30 <島村の日>
ぐんま島村蚕種の会活動紹介
・ 無料抽選会
・ぐんま島村蚕種の会パネル展示
・繭クラフト無料体験
・クイズラリー(粗品配布)
・7団体の活動紹介(パネル展示・パンフ配布)
 
8日(火)
12:30~16:30 <高山社の日>
高山社を考える会(藤岡市)活動紹介
無料体験・無料抽選会
・高山社を考える会パネル展示
・繭クラフト無料体験
・クイズラリー(粗品配布)
・7団体の活動紹介(パネル展示・パンフ配布)
 
9日(水)
12:30~16:30 <富岡製糸場の日>
富岡製糸場を愛する会(富岡市)活動紹介
無料体験・無料抽選会
・富岡製糸場を愛する会のパネル展示
・繭クラフト無料体験
・クイズラリー(粗品配布)
・7団体の活動紹介(パネル展示・パンフ配布)
 

10日(木)
12:30~16:30 活動紹介 ・赤岩、島村、高山社のパネル展示
・繭クラフト無料体験
・クイズラリー(粗品配布)
・7団体の活動紹介(パネル展示・パンフ配布)
 
11日(金)
12:30~16:30 活動紹介 ・富岡製糸場、桐生、新町紡績所のパネル展示
・繭クラフト無料体験
・クイズラリー(粗品配布)
・7団体の活動紹介(パネル展示・パンフ配布)
 
12日(土)
10:00~17:00 <新町紡績所の日>
よみがえれ!新町紡績所の会(高崎市)活動紹介
イベント・無料体験
無料抽選会
・新町紡績所の日(活動紹介・署名活動)
・ヘリテイジ仮面ショー(13:30 15:00)
・繭クラフト無料体験
・クイズラリー(参加者に抽選により景品)
・工女ゆうまちゃん写真会
・7団体の活動紹介(パネル展示・パンフ配布)
 
13日(日)
10:00~17:00 <桐生買場紗綾市>
無料抽選会
・桐生買場紗綾市(購入者に抽選により景品等)
・布ぞうり体験教室
・本一・本二まちづくりの会のパネル展示
・工女ゆうまちゃん写真会
・7団体の活動紹介(パンフ配布)


(2)サブコート
 期 日:7月5日(土)~13(日) 10:00~17:00(平日は12:30~16:30)
 内 容:「富岡製糸場と絹産業遺産群」パネル解説
 団体名:富岡製糸場世界遺産伝道師協会

(3)イオンホール
 期 日:7月5日(土)14:30~16:30
 内 容:講演会 講師 国立科学博物館
            清水慶一先生 
    演 題 『ニッポンの近代化遺産』
           ~シルクカントリー秘話~

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第8回富岡製糸場世界遺産伝道師協会養成講座を開催

2008年06月17日 23時00分30秒 | 世界遺産伝道師協会
富岡製糸場世界遺産伝道師協会は、会員211名で精力的に活動し、平成19年度の活動延べ回数は146回を数え、連日のように何らかの活動を展開してきているような状態でありましたが、今回養成講座を開催し、更なる占領の強化を目指すものであります。

伝道師個々人が、「富岡製糸場と絹産業遺産群」関連して世界遺産、歴史、文化財、養蚕・製糸・織物関連の識見を高め、どこででも堂々の説明・解説ができるよう力を蓄えられるようにしたいものです。

今回は受講者が27名、3日間の講座となります。

初日(6月14日【土】)の講座内容は開校式・オリエンテーションに続いて松浦群馬県世界遺産推進室長の「世界遺産の基礎知識と日本の世界遺産」「文化財保護法の概要と近代化遺産」を午前中に聞き午後は受講生各自の自己紹介を持ち時間1分で実施、その後群馬県世界遺産推進室土屋地域連携係長の「絹蚕業の基礎知識」「群馬県の句ぬ産業の歴史」の講義がありました。連続講座で聴講する側も大変でしたが、最後が富岡製糸場世界遺産伝道師協会近藤会長の「『富岡製糸場と絹産業遺産』の概要」でした。受講生にとっては大変な1日でした。

今後の日程は6月20日【金】に現地研修と富岡製糸場総合研究センター所長今井幹夫先生の「富岡製糸場の歴史と文化」の講義

6月21日【土】は富岡製糸場世界遺産伝道師協会員による「パソコンと写真パネルを使用した解説の方法」や「伝道師協会のオリエンテーション」その後メイン講義が2本続きます。
先ず、ジャーナリストの佐滝剛弘氏の「世界遺産の多様性、絹産業遺産の多様性」、次が独立行政法人国立科学博物館産業技術資料センター参事理工学研究部理工学第4研究室室長工学博士清水慶一先生による「産業遺産とは何か?」講義で終了します。

晴れて終了証を手にされた皆様が伝道師協会員として共に活動して下さることを願っております。

写真は受講風景です。この日の様子につきましては、上毛新聞6月15日(日)の17面社会面で紹介されています。
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富岡製糸場世界遺産伝道師協会平成20年度第2回研修会(埼玉方面)実施

2008年06月14日 00時00分12秒 | 世界遺産伝道師協会
平成20年6月13日8時、高崎駅東口に集合して第2回研修会が始まりました。参加者は当日欠席があったため、43名に事務局から1名の44名でした。

最初の見学・学習地は高崎市倉賀野町の倉賀野河岸、中山道倉賀野宿の町並みを見て馬街道を下って河岸の跡に向かう、馬街道は坂の勾配が急で、牛街道の方がなだらかな道だったという。大杉神社跡を左に見て、共栄橋のたもとにある河岸公園の「”倉賀野河岸跡”の碑」周辺を歩き、昔の河岸をしのびました。明治17年(1884)の高崎線開通以前の生糸の輸送ルートを確認しようとの思いがかなった時間でした。それにしても倉賀野宿の変貌は激しく、宿の面影もあと何年くらい保てるのであろうか?

9時半頃倉賀野宿を発って、競進社模範蚕室へと向かう、高山長五郎の弟木村九蔵がはじめた「一派温暖育」を広めた競進社の典型的な四つの”高窓”を持つ美しい蚕室が目に飛び込んできたのが10時10分過ぎ頃でした。明治27年(1894)年に児玉蚕業伝習所内に建てられた建物でしたが、旧児玉農業高校の近くに移転保存され、埼玉県指定文化財になっています。内部に入り、本庄市の職員の方に説明を受けながら床下に設けられた煉瓦積み炉などを見学、暖房や空気の流通に配慮した建造物の構造などを細かく学習できました。近くの児童公園に「蚕業教育発祥の地」という旧埼玉県立児玉農業高等学校が建てた碑が立っていました。
競進社の教育機関の流れは「競進社蚕業学校→競進社実業学校→児玉農学校→県立児玉農業高校→県立児玉白楊高校」と現在まで継続しています。

10時50分頃本庄市の職員の方に見送られて競進社模範蚕室を後にし、昼食に向かいます。昼食は深谷市町田の”六弥太城”というお店でした。昼食後、深谷市血洗島の澁澤栄一生誕の地に向かいました。到着すると凄い門構えの豪邸が待っていました。江戸末期、血洗島には澁澤姓の家が17軒あったということで、それぞれが屋号で呼ばれていて、この家は「中の家(なかんち)」と呼ばれ当時、この地域第2の資産家であっといいます。澁澤栄一が生まれた家は明治20年ころ養蚕を拡大するために建て替えられ、その後明治25年に火災で焼失し、現在の家は{中の家」を継いだ澁澤市郎・てい夫妻の手により建設された家ですが、折に触れて帰郷してくる栄一のために奥の10畳の間が特に念入りに作られています。澁澤栄一は帰郷するとこの部屋を使用していたということです。第2次世界大戦で東京・飛鳥山の澁澤栄一の屋敷が空襲で消失してしまっているので、澁澤栄一ゆかりの屋敷はここしか残っていないということです。
澁澤栄一は富岡製糸場を作るのに政府内部で大きな役割を果たしてくれた功績があります。

12時55分には「中の家」を後にして”澁澤栄一記念館”に向かいました。深谷市下手計で立派な記念館に出会いました。担当者が迎えに出てくださっていて、澁澤栄一の若い頃の等身大の写真に迎え入れられ、館内を案内してくださいました。澁澤栄一の業績・足跡を学習して、実業だけでなく社会福祉にも大きな業績のあることを知りました。

バスで下手計の初代富岡製糸場長尾高惇忠の屋敷の前を通り、次の目的地、田谷自治会館に向かいました。田谷自治会館では伝道師でもある鹿島さんから「深谷市出身の韮塚直次郎が富岡製糸場の無事落成を感謝し、明治13年永明稲荷に奉納した『大絵馬』」について、説明を受けながら、見学しました。絵馬には「奉献」「上野国甘楽郡富岡製糸場之図 明治13年第7月吉日」とあり右下に画家の署名が「小璧真写」「武蔵野国幡羅郡明戸村 韮塚直次郎」とあり「小璧」は画家逸見小璧(埼玉県美里町。1817~1900)であるということまでは解明できたとの説明がありました。

最後に熊谷市本石2丁目の「片倉シルク記念館」を訪れました。3人の職員に迎えられ3班に分かれて見学しました。ここは平成6年に閉鎖された片倉最後の製糸工場、片倉製糸の足跡を示す多くの資料・機械等が展示されていました。富岡製糸場の繭倉庫も、官営以来、三井、原、片倉、と歴代の経営の資料や機械類も残されていそうですので、それらを整備して展示できれば・・と強く思いました。
蜂の巣倉庫は見ごたえがあり、人の工夫する力を考えながら、楽しく見られました。養蚕の民俗信仰で「猫絵」は知っていましたが、近代製糸業のこの大工場で、ねずみの駆除が大きな仕事だったと知り、驚きでした。駆除作業は専門業者への委託事業だったと聞いて、仕事の規模の大きさにもびっくりでした。
繭に対するカツオブシムシの害の話も、私にとっては新鮮な話で頭に残りました。

※写真は澁澤栄一生誕の地「中の家」で説明を聞く伝道師の皆さんです。






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桐生市本町一丁目での世界遺産運動と桐生の再発見・いい一日でした

2008年06月09日 21時59分03秒 | 世界遺産伝道師協会
 6月7日、桐生市本町1丁目で広報活動を行いました。参加者は4人でしたが、そのうち1人は中北毛支部の方で、活気に満ちた活動になったように思います。朝10時から始め、午後1時までの間に400人くらいの方にチラシ配布やパネル解説を行いました。
 
この日は天満宮の骨董市や買場紗綾市に加え、いくつもの催し物があり、人出は多かったようです。
 
着物を着て桐生の街を歩くというイベント・「街なか闊歩」の皆さんも多く、思い思いの着物に身を包み、楽しそうに歩いている姿が印象的でした。
 そのなかの2人にお話を伺ったところ、「桐生に住んでいますが今まで着物で街を歩いたことはなく、今日は気分も変わって楽しいです」と話してくれました。
 買場紗綾市では金魚すくいも出て、にぎやかでした。
 
活動が終わったあと、レンガ造りのノコギリ屋根工場を再利用した『レンガ』という名のパン屋で食事をしました。店内は着物姿の女性も多く優雅な雰囲気を醸し出しています。
 
1時間くらいで店を出て、そこから歩いて1分の距離にある鉄筋コンクリート造りのノコギリ屋根工場へ行きました。この日は偶然、5人のアーティストが結成した『金田丸岡平(きんでんまるおかへい)』という名の工房開きだったため、作品展示を兼ねて、工房見学ができるようになっていました。旧ノコギリ屋根工場が、金原寿浩、田中一浩、丸山正実、岡義明、平田歩の5人が創作を行う場所に生まれ変わりました。

その工房から歩いて数秒の場所に石造りのノコギリ屋根の建物があります。桐生には220棟のノコギリ屋根の建物があるといわれていますが、ほとんど木造ですから、この一角は木造以外の建物が残っている貴重な地域なのです。

歩いて近代化遺産を見学したあと、車で5分の距離にある有鄰館へ移動しました。ここではレンガ造りの建物の中で作品展が行われていました。ファンタジック水彩画展、書道展、絹草木染め作品展などです。

この中の草木染め展示に、東毛支部の伝道師がかかわっているので見に行くことになっていたのです。体験コーナーでは、一緒に見学に行った男性伝道師3人が、「世界遺産の啓発活動に役立てば」という思いから、簡単にできる「フラミンゴ織」を教えていただきました。簡単にできるといっても、均一に織るには時間を要するようですが……。
 
この日はいくつもの見学や体験をし、解散した時には4時半を回っていました。世界遺産運動をするかたわら、伝道師も桐生に魅かれています。
(東毛支部長Y.Nさんの報告です)【写真はフラミンゴ織りを習う伝道師のメンバー・撮影Y.Nさん】
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