富岡製糸場世界遺産伝道師協会 世界遺産情報

「富岡製糸場と絹産業遺産群」は日本で初めての近代産業遺産として2014年6月25日付でユネスコ世界遺産に登録されました。

伝道師協会、富岡市街並み研修会を実施

2014年01月08日 21時54分27秒 | 世界遺産伝道師協会

現地学習会「富岡製糸場のバッファゾーンである富岡の街並みを巡る」

 

12月13日(金)9時15分、富岡市宮本町の「まちなか観光物産館(お富ちゃん家)」に集合。近藤会長をはじめ27名が参加しました。風のない穏やかな研修日和でした。

富岡市の街並み巡りも3回目になります。登録を間近に控え、新しい会員にも富岡の街並みと、その成り立ちを実際に歩いて実感してもらえたらという企画です。

今回も富岡市出身で、この地域の研究をされ歴史・地理等にも詳しいT江伝道師に講師をお願いしました。

研修は、お富ちゃん家の向かいにある旧横山酒造の見ごたえある赤レンガ倉庫の見学から始まりました。続いて訪れた隣家のいりやま商店では伝道師であるご主人のご厚意で、2階内部まで見せていただきました。代々糸商を営んでいたという明治期の建築の小屋組みがはっきり見られる堂々とした造りです。

宮本町は、正面は近代的な商店として改装されているが横から眺めると屋根・壁・窓など昔のままの重厚な造りになっている商家が多いのが特徴です。平成21年、外観を当時の様子に復元した、いりやま商店の姿勢には感心します。横山陶器店のなまこ壁の塀を眺め、諏訪神社(九斉市の市神)をお参りして、旧甘楽社の赤レンガ倉庫(現富岡倉庫)に向かいます。

明治・大正期のレンガ倉庫、大谷石造倉庫、土蔵倉庫が並んでいて壮観です。そこで冨岡倉庫が20年ほど前まで稼働させていた、生繭乾燥機の入った建物内部を特別に見学させていただきました。6段と4段からなる大きな乾燥機が並んでいて圧倒されます。初期の頃は石炭を、その後は重油を燃料として用いたそうです。また小型ながらブリューナエンジンを彷彿とさせる蒸気エンジンが鎮座していて驚かされました。

富岡倉庫を辞して上町通りに入り、旧吉野呉服店(土蔵建築)、大黒屋(醤油・味噌醸造業)、福沢邸(3棟の土蔵建築)、阪本医院(土蔵建築・元呉服太物商)と道順に見学、龍光寺で工女と韮塚直次郎の墓参をしました。ここで町田睦伝道師が調査研究して分った韮塚直次郎製糸場の工女の墓3基を教えてくれました。

富岡製糸場からほど近い、ひらのや写場の裏庭に植栽されているブリューナのバラを見学しました。ポール・ブリューナらフランス人一行から贈られたと伝えられるバラの一群があり、ちらほらと白い花が咲いています。挿し木で増やしたものだそうです。これも一つのエピソードとして面白いと思いました。

そこから仲町通りを海源寺に向かいます。富岡新田開発の代官中野七蔵、海保庄兵衛(手代)の開基です。工女2名と工男1名の墓に参りました。海源寺から櫛淵邸(土蔵建築、塀は大江国風建築塾の建築)、篠原邸(旧荒物問屋)、カトリック富岡教会、扇屋(和・洋菓子製造販売、昭和初期のレンガ煙突)と回りました。

富岡の街並みは約400年前に、代官中野七蔵によって計画的に作られました。直角に曲げられた道路や短冊形の屋敷割、道の角に配置された神社・寺などが昔のままで残されています。そのあたりが徳江伝道師の案内でとても良くわかります。

なお、距離と時間の都合で下町通りにある本城寺(富岡新田開発時に宮崎村から移転してきた)、冨岡警察署(南牧村産の砥石輸送のための砥蔵が置かれていた所)は省略し、街中のレストランで和やかに昼食を摂り解散しました。

製糸場見学後の家族連れなどから時折行き方を聞かれる甘楽町のこんにゃく博物館を希望者で見学しました。これで行き方はもとより内部の様子も説明できます。   

 最後に、お富ちゃん家スタッフの皆さん、入山伝道師、冨岡倉庫の高橋さん、ひらのや写場のご主人、興味深く分りやすい説明をしてくださったT江伝道師、M田睦伝道師に感謝いたします。

        (Y.I 記)

 

 

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