富岡製糸場世界遺産伝道師協会 世界遺産情報

「富岡製糸場と絹産業遺産群」は日本で初めての近代産業遺産として2014年6月25日付でユネスコ世界遺産に登録されました。

第22回 伝道師養成講座を開催

2024年08月14日 17時51分35秒 | 世界遺産伝道師協会

第22回 伝道師養成講座を開催

 富岡製糸場世界遺産伝道師協会の「第22回伝道師養成講座」が7月20日(土)に前橋市文京町2丁目にある群馬県生涯学習センターの4階第2研修室で開催されました。

 今回の受講者は新人1名、準会員1名、また、既に伝道師として活動されている方1名が再受講され、計3名の受講者を対象に行いました。

 午前9時15分からの開講式は安田副会長の司会で始まり、

まず、富岡製糸場世界遺産伝道師協会近藤会長の挨拶では「当協会は本年8月で設立20周年を迎えますが、世界遺産を構成する4資産(富岡製糸場・田島弥平旧宅・高山社跡・荒船風穴)の普及・啓発をするのは伝道師協会のみで、価値やストーリーを分かりやすく深く伝えることが大切、しっかりと地に足をつけ頑張っていきたい、これからも引き続く伝道活動では一人ひとりに理解を頂けるよう努めて頂きたいと心構えを述べられ、最後に世界遺産への長年の功績が認められ、富岡製糸場と絹産業遺産群が世界遺産に登録されて10年の記念式典(6月29日)では山本群馬県知事より感謝状が授与されました。と報告も含め挨拶されました。

 開講式を終了し、講義が始まりました。

講義1:「世界遺産の基礎知識と日本の世界遺産」と題して、群馬県立世界遺産センター神戸副主幹専門員から、まず、「世界遺産」とは1972年のユネスコ(国際連合教育科学文化機構)総会で採択され世界遺産条約に基づき「世界遺産リスト」に登録された「自然環境や文化財」であり、具体的には「地球上の素晴らしい自然や文化を国や民族の区別無く、全地球人のものとして守り、未来に受け継ぐ」ものであると前置きをして「世界遺産と世界遺産リスト」「世界遺産登録までの流れ」「世界遺産登録の基準」「日本の世界遺産」「世界遺産保護の義務(登録された世界遺産を持つ国)」について講義をされた後、現在の日本の世界遺産は文化遺産20件、自然遺産5件の25件が登録されているとして、終了しました。

講義2:「蚕と養蚕と製糸」と題して、伝道師協会土屋理事から「蚕糸・絹業のあらまし」「蚕と品種について」「繭について」「製糸について」を分かり易く解説したのちに「蚕糸業をめぐる事情」として農林水産省の最新の資料により「近年の養蚕業の推移」「養蚕業の現状」「新たな担い手の確保」「製糸業の現状」「生糸価格の動向」「繭・生糸の関税割当制度について」「蚕糸・絹業の特徴」「絹製品全体の需要動向」を、資料に基づきを細かく解説されました。最後に、土屋理事は碓氷製糸株式会社の常務でもありますので碓氷製糸場特別見学会への参加者募集のPRを併せて行いました。

 昼食休憩後、講義3:『「富岡製糸場と絹産業遺産群」の価値と概要』と題して、伝道師協笠原副会長から、始めに世界遺産「富岡製糸場と絹産業遺産群」の各構成資産の概要として富岡製糸場(富岡市)・田島弥平旧宅(伊勢崎市)・高山社跡(藤岡市)・荒船風穴(下仁田町)の説明をした後、「世界遺産としての価値」は、「高品質な生糸の大量生産は製糸技術の革新と良質な繭の増産を支えた養蚕技術革新の双方が相まって成し遂げられた」として、「19世紀中期から20世紀の養蚕・製糸分野の重要な技術交流と技術革新を目に見える形で物語っている遺産群である」と述べられました。そして、「“絹文化”は物語る」として「日本遺産かかあ天下―ぐんまの絹物語―」と「ぐんま絹遺産」について、これらをネットワーク化することで群馬県では地域振興、観光、文化的事業などに役立たせていきたいとしている」と述べるとともに、“絹の文化”を伝承するのは、「絹文化」を語り継ぐ「伝道師協会」の活動であるとして、講義を終えました。

最後の講義4:「伝道活動について・伝道師の心得」と題して、伝道師協会井上理事から、始めに「伝道師協会の目的と事業等」では、世界遺産「富岡製糸場と絹産業遺産群」及び日本遺産「かかあ天下―ぐんまの絹物語―」と「ぐんま絹遺産」の価値と活用等の理解を深めることを目的に、多くの人々に普及・啓発活動を行っており、そのための基本を「一人ひとりに理解してもらう。」としております。この事を達成るために、地域イベント等ではチラシやパンフレットの配布・パネル解説を行うとともに「ヘリチジ仮面ショー」、「座繰り体験」、「繭クラフト体験」や「桑の木クラフト体験」を行います。実際にパネルを脇に解説方法を話されていました。また、「学校キャラバン」では「講話」と「座繰り体験」を、要請に応じて講話も行っています。「伝道師の心得」を具体的に話されました。

 以上で、今回の養成講座の講義は全て終了しました。

受講者には引き続き、この養成講座の理解度を計る20問20分以内に回答する「テスト」を行った結果、それぞれが成績優秀との報告があり「終了証」を近藤会長から手交しました。

 閉講式では近藤会長から、この養成講座の感想を含めての挨拶があり、本講座、午後4時過ぎに予定どおり終了することが出来ました。

 講座終了後、受講者は「伝道師協会」への入会手続きを済ませ、新しい仲間が誕生しました。(N島 進 記)

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