ぶらり東京~23区巡り~

東京23区をぶらりと歩いた記録です。
が他にもいろいろ出歩いてますけど

赤坂は坂の宝庫

2010年01月23日 | 坂道
ライト級が続いたので久々にベビー級なネタを

港区の赤坂界隈は実に坂が多い
なんせ地名が「赤坂」と名乗るくらいだから

その肝心の赤坂という坂がどこなのかは特定できていないとの事。
謎っぷりがまたロマンを掻き立てます

密集している赤坂界隈の坂巡りを昨年末にやっちゃいました。
愛読書「江戸の坂」P42~47にほぼ沿っています

其の1【丹後坂】
・武蔵金沢藩主・米倉丹後守の屋敷があった事に因む
ゆるやかな階段坂である

周囲は意外にもマンションが建ち並び生活感は多少持てる
赤坂なのだから政治家が所有しているのかしら
某幹事長とか某陸山会とか

坂上から後ろを振り返ると赤坂サカス内のオフィスビルが聳え立っている。
名所になっているけどまだ真剣にサカスを見に行ってないので
桜の頃行ってみるかな


其の2【牛鳴坂】
・路面が悪く車を引く牛が苦しんだ事に因む
今じゃ牛が通る事も路面が悪い事もありませんね


近くに女子高がありちょうど通学時間帯にぶつかってしまい
坂が目的だけどカメラを持った変なオッサンがいると通報されても不思議じゃない状況でした
ふーあぶないあぶない

其の3【九郎九坂】上から読んでも下から読んでも山本山みたいですが読み方は「くろぐ」
・赤坂一ッ木町の名主・秋元八郎左衛門の先祖・九郎九が住んでいた事に因む

九郎九坂に沿ってある豊川稲荷は豊川市の妙厳寺の東京別院でして
時代劇でお馴染みの大岡越前が赤坂の屋敷に勧請したのが始まりだそうだ


宗教用語チックな言葉が二つ出てきたので補足しますと
別院とは 本山のほかに、本山に準じるものとして別の地域に設けられた寺院
勧請とは神仏の分身・分霊を他の地に移して祭ること

其の4【弾正坂】
・上野吉井藩主・松平家の屋敷があり、弾正大弼に任じられる事が多かった事に因む
赤坂御用地に沿って青山通りをぶち抜くように長く延びている
ここは一般人が限りなく秋篠宮邸に近づく事ができる地点である。

坂と感じられない緩い勾配である

弾正坂と青山通りの交差点には虎屋がある。
まだ朝早く開店前でシャッターが降りている
寅年だからとりあえず


其の5【薬研坂】
・坂の形が薬種を砕く器具の薬研に似ている事に因む
多少無理があるがアルファベットで表すと“U”になる。
別名を付けるなら「U字坂」なんてどうでしょうか
因みに根津にはS坂があります。

上下の写真は薬研坂の両端から撮ったもの
中央にかけて窪んでいるのが分るかと思います。


青山通り沿いに高橋是清翁記念公園がある。

ここは高橋是清の邸宅跡で立派な銅像もある。
また、かつて赤坂区役所が置かれていた場所でもあったようです。
かつて東京が15区だった時の時代


※高橋是清※
2・26事件で暗殺された事で教科書には載っている人物
昔のお札では肖像画にもなったえらーいお方である。

2010年冬季オリンピックの開催国であるカナダ大使館を左折すると次なる坂です。

其の6【新坂】
名前からして新しい坂に思えるが1699年に開かれたので今からざっと300年以上も昔の事になる。
坂が出来た当時は新しかったからであります。


長く一直線にすらーっと伸びるタイプ。
高級そうな一軒家が随所にあり、他人事ながら相続税が大変だろうなと思ってしまう。

其の7【稲荷坂】
・坂下の北側に寺があり境内にあった稲荷への門が坂に面していた事に因む
勾配はきつく登りは辛い
「止まれ」の文字の傾きさ加減からも想像がつくかと思います。

江戸名物として「伊勢屋、稲荷に犬の糞」なんて言われていた
案の定「稲荷坂」と名がついた坂は今でもいっぱい残っている

其の8【円通寺坂】
・坂上南側に円通寺が移転してきた事に因む

その由来となった寺は今でもこの地にある。
ビルに谷間にぽつんとある都会らしい寺です


其の9【三分坂】さんぷん
・急坂のため通る車賃を銀3分増した事に因む
分は江戸期の貨幣単位。
この写真だけじゃ分らないのですが坂上で左に90度折れ曲がる急坂です。

この坂の景観のポイントは報土寺の築地塀だと思います。
汚れ具合も年季が入っている感じがします。

報土寺には伝説的な力士の雷電為右衛門の墓あり入口に標識が立っている。
成績はな、なんと250勝10敗
(HPには254勝という記載もある、どっちが本当!?)


次なる坂へ移動中に勝海舟邸跡を発見。
安政六年(1859)から九年住んでいたそうだ
2010の大河「龍馬伝」でも勝は登場するので縁の地として人気になるでしょうか


其の10【本氷川坂】
・坂途中の東側に本氷川明神があった事に因む
明治十六年四月、氷川神社に合祀されたとの事。
神社があるせいか静けさが漂う坂です

合祀=ある神社にまつってあった神を、他の神社に移して一緒にまつること

この坂巡りを12月に行った最大の目的が氷川神社にあります。


天然記念物となっている大イチョウの木があり
これはぜひ見ておこうと思い遥々やってきたのですが
イチョウの葉はほぼすべて落ちてしまい絨毯と化してしまった後でした。。。

やたら早くねーと思ってしまった。
神宮外苑のはまだ辛うじて見頃だったのに

其の11【氷川坂】
・氷川神社のもと正面に当たる坂であることに因む


其の12【転坂】
・道が悪く、通行する人たちがよく転んだ事に因む
舗装されているので今はずっこける心配はなさそうです
なんせ江戸時代の事なんで坂名に転だとか死だとか不吉なワードを連想させるケースが稀に見られる

例:三年坂⇒転ぶと三年以内に死ぬという伝説がある

ラスト。
其の13【南部坂】
・陸奥盛岡藩主・南部家の下屋敷があった事に因む
ドイツ大使館近くにも同名の坂がありますがこの屋敷が南麻布へ移転したためである。

忠臣蔵のストーリーは大まかに知っていますが細かい事は全く疎く
「南部坂雪の別れ」と聞いてもチンプンカンプンですけど
名場面の一つらしいですね(後に作られたフィクションみたいだけど)
ファンにとってはこの坂はたまらない場所なんでしょうね

おしまい。

坂はしばらく止めようと思ってしまうほどヘビーな記事になってしまいました。



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6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (ぶらり東京)
2010-02-04 20:45:24
ねりま99さん、こんばんは

都心で自転車を乗るのって憧れます、羨ましいです。
普段は歩くだけの坂も自転車で颯爽と下りたいです、登りは勘弁したいけど挑戦もしたい!!
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Unknown (ねりま99)
2010-02-03 22:27:48
先日自転車仲間と港区の坂を回ってきたので興味深い内容でした。コンクリートで丸い穴がたくさんある坂は急勾配で上るの大変でした。
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センス有 (ぶらり東京)
2010-01-25 19:06:44
shuttleさん、こんばんは

坂名を見ると命名のセンスと当時の様子がうかがえて面白いです。
「江戸の坂」のほとんどが文字で情報量はすごいですよ、読み応え満点。

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びっくり! (shuttle)
2010-01-25 10:24:55
ぶらり東京さん

続々登場ですね。「九郎九坂」「弾正坂」「薬研坂」「新坂」「稲荷坂」「円通寺坂」三分坂」「氷川坂」「新氷川坂」「転坂」「南部坂」名前だけでも面白いです。矢張り、こうしたことに関する「本」などもあるんですね。「江戸の坂」、一度図書館で探して見ましょう。
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まだまだ (ぶらり東京)
2010-01-21 21:03:35
shuttleさん、こんばんは

坂名を見ただけで江戸マニアにはたまらないでしょうね
どれをとっても東京が150年以上前は確かに江戸だった事が実感できます

まだまだ続きますので引き続きお付き合いください。
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坂の話 (shuttle)
2010-01-20 08:25:24
ぶらり東京さん

先日、東京へ出かけた際にも、「東京は坂が多い」と実感しました。テレビでも放映していましたね。ぶらりさんの「坂のお話」楽しみです。面白い名前の坂が多いんですねえ。
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