さよなら故郷 

2024-05-28 16:17:31 | 八代亜紀
八代亜紀


雪が降る 雪が降る
あのひとの 肩に降る
ただひとり 旅に出る 北国の駅
あたためあったふたり
ふたりの愛を
涙 涙かんで捨てるつらさ
わかって
もう二度と帰れない さよなら故郷

雪が降る 雪が降る
わがままを 許してと
泣きながら 指で書く 汽車のガラス窓
愛するだけがすべて
すべてじゃないと
信じ 信じながら悲しすぎて
泣けない
手をふれば凍りつく 涙の粉雪

償うことはなにも
なにも出来ない
こんな こんな馬鹿な私なんか 忘れて
いつまでもしあわせに さよなら故郷






ふるさとは遠きにありて思ふもの そして悲しくうたふもの
 
室生犀星の詩「小景異情」をご存知の方は多いと思います。

たとえその題に覚えがなくても、詩をご覧になったら、ハッと思い当たるのではないでしょうか。

「小景異情」は六篇の短い詩から成るのですが、なかでも有名な「そのニ」。


ふるさとは遠きにありて思ふもの
そして悲しくうたふもの
よしや
うらぶれて異土の乞食かたゐとなるとても
帰るところにあるまじや
ひとり都のゆふぐれに
ふるさとおもひ涙ぐむ
そのこころもて
遠きみやこにかへらばや
遠きみやこにかへらばや


実はこれ、遠方にあって故郷を思う歌ではなく、犀星が郷里の金沢に帰郷したおりに作られた詩だそうです。

東京で思うにまかせぬ暮らしを強いられ、懐かしい故郷に帰っても温かく受け入れてもらえない。その悲哀、郷里への愛憎半ばする思いが「遠きにありて……」の

言葉となったらしいです。

故郷とは時に複雑な思いを呼び起こす場所、遠きにありて思うか、帰って父母や旧友と親しむか。

思いは千々(ちぢ)に乱れる今夏のお盆は、どんなお盆として迎えられるでしょうね、特に知事選後の東京の方は。
























































































































 
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