田んぼの色、と言うのか、稲の輝きはその田んぼによってずいぶんと違うんだ。それこそぱっとみると金泥で描いたように、そうまさしく大地の黄金なるを現成せしめなんです。輝いている田んぼが同じ与呂見の田んぼでもはっきりと違ってこれ美しい、そういう田んぼがあるんですね。それは稲刈りしていてももちろんまったくといっていいほど違うんだ。どうしてなんでしょうね。やっぱり田んぼ一枚一枚に個性があるんですね、面白いって言うか。すごく当たり前のことでもありますが。銀泥はススキです。休耕田にススキ、ちょうど今頃穂が銀色に。だから遠くからみると、金泥銀泥で丁寧に描いたように見えるのです。見頃です。そこにセイダカアワダチソウが。戦後70年ほどしてこのセイダカアワダチソウもこの島国に順応してきているのでしょうか。ススキのその銀色に混じるようにして、山吹色とでもいえばいいのでしょうか。これはずいぶん嫌われ者でした。こちらもこの境内に蔓延ったら困ると思って、ていねいに草刈りをするのですが、紫陽花の中やいろんなところに種を飛ばして彼らの強さは無敵です。これは背丈が今でも3メートルも大きいのがあり、花そのものは小さいけれど三角のようにまとまって、遠くからでも見事に目立ちます。この花の色がひときわ鮮やかな山吹色が、ススキの穂と好対照しながら風に揺られていた。