萌葱色などという言葉も、そのありようも知ったのはこの山に入ってからだ。それは今日のような楢の木が、新緑で芽吹くと、お陽様に照らされて、銀色に光ったり、若葉色のうすいかんじ。萌黄色、こっちの字は黄色が使われているから、こちらの方が近いだろうか。葱色はかなり濃いからね。そんな産毛がひかるような色合いは独特で、色としては形容し難きところが、魅力なんだろうね。
夜かなり丸くなったお月さんの淡い光の中で、かがやくその萌黄色の、モノトーンなれどそれがまたいろんなことを想起させる。なんだか愛おしいくらいいいね。