A Daily Life Diary

日常や思い出を綴ったblog

新加坡日記 3

2005-11-21 | 旅・シンガポール
航空機に乗り込み自分の席を探した。チェックインカウンターの女性が言っていたように機内は以外に空いていた。
トイレに行きやすいようにリクエストしておいた通路側の自分の席に着いた。
するとゲート前で話していたTくん親子が斜め前の真ん中のシートに着いた。
僕達は挨拶をした。今のところ僕のとなりの席は空いていた。

Tくんが僕を見つけ、となりに座りたいと言い出したが、空いているとはいえ、いつお客さんがこの席に着くか分からない。僕はTくんに「もし、この席にお客さんが来なければ座ってもいいよ」と答え、しばらく様子を見ていた。

どうやら、となりのこの席は空いているらしい。Tくんが僕のとなりに座った。

Tくんのことを初めはかわいいと思っていたが男の子らしく「この坊主!すこしは静かにしてろ!」と頭をはたいてやりたくなるほどのわんぱくぶりだった。シートベルトは締めたがらないし、置いてあった枕と毛布を「こんなのいらないもん!」と下に投げ出してしまう感じだった。

客室乗務員の方が小さな黄色いものが入ったパックをTくんに渡した。初めは一体何なのか分からなかったが子供用のライフジャケットであることが、パックに書かれている絵で理解出来た。小さな子供と航空機に乗ったことがなかったので初めて見るものだった。彼はこのライフジャケットを案の定「こんなのいらないもん!」と下に置いてしまう始末だった。

僕はすっかり彼の父親のようになってしまい、彼を諭し、シートベルトを締めさせた。枕と毛布は寒くなってから掛ければいいと思いそのまま下に置くことにした。
航空機が離陸し、機体が水平になると飲み物のサービスが始まった。僕らの席に来た客室乗務員の方が僕に飲み物を尋ねたので、ビールをお願いし、お礼を言った。その後「ぼくぅ~、何にするぅ~」とTくんに尋ねると彼は「オレンジジュ~ス!!」と元気に大きな声で答えた。

オレンジジュースを受け取ったTくんに僕は父親のような口調で「ありがとうございますは?」と諭すと「ありがとうございます!」と素直に元気良く答えた。客室乗務員の方がニコッと彼に笑顔を送った後、僕を父親と思ったらしく「いくつになるんですか?」とTくんの年齢を尋ねた。「5歳になるみたいです。僕の子供ではないんですけどね・・・」と答えると“あぁそうなんですか?”というような驚いた表情をし、笑顔でカートを下げて行った。

食事も終え、4時間ぐらい過ぎると騒ぎ過ぎたTくんがすやすやと眠りに落ちていた。風邪を引くといけないと思い毛布を掛けながら彼の寝顔を見ると、とてもかわいい寝顔だった。母親も真ん中のシートで眠っていた。
航空機は無事、チャンギエアポートに到着した。Tくんの母親は客室乗務員の方にお礼を言いその後、Tくんに僕にもお礼を言うように諭した。「バイバイ」と言った彼に僕は「シンガポールで頑張れよ」と声を掛け、僕らは別れた。


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