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 年寄りの漬物歴史散歩

 東京つけもの史 政治経済に翻弄される
漬物という食品につながるエピソ-ド

南都諸白から

2011年10月14日 | 趣味としての漬物
兵庫県伊丹市史を読んでいたら清酒の変遷が書いてあった。南都諸白(なんともろはく)から伊丹へ、幕末には灘へ上級の酒の地位が移っていたという。日本酒は奈良(南都)の寺院で清酒となった。それまでの濁っていた酒から清い透明な酒となった。南都諸白から酒を搾り出した後の粕から作った漬物が奈良漬となる。今では戦国時代には奈良が酒の名産地であった事は一部の人をのぞくと知られていない。

伊丹は今では空港で知られているが元々酒造業で発展した町であることがわかる。酒造には付随して酒樽製造業、酒を運ぶ輸送業(馬借・水運業)との問題が生じる。更に酒の価格変動とかコメの問題から酒製造制限とか色々な問題が生じていたことが伊丹市史から読み取れる。
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藤岡屋日記から

2011年06月17日 | 趣味としての漬物
嘉永3年(1849年)
神田にあった漬物屋で事件があった。この年の8月終り頃、上州今の群馬県で捕まった国定忠治が江戸に護送され年末に処刑された。さらに逃亡生活を送っていた高野長英が10月末に江戸市中で捕り方によって撲殺された頃である。
 神田にあった漬物商に使われていない樽があった。そこに使用人が掃除をしようとしたら、樽にかけた梯子から樽の内部に落ちた。使用人を救助しようとして主人とその息子2人。もう一人の使用人、さらに近所の大工等が樽の中に入ったが次々と樽の中に落ちた。樽の中に落ちた6名の内、生き残ったのは主人だけだった。樽の中は酸素欠乏だったと思われる。
この後近所の婦女子は幽霊の仕業と考え、漬物屋の前を通行することを避けたという。
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耳袋 白胡瓜の事

2010年12月14日 | 趣味としての漬物
耳袋 白胡瓜の事
白胡瓜を漬物にするか或いは薄く切って塩もみにし、酢にて食べれば水病に奇妙に効くという。しかるに白胡瓜を作付けする人が少なく求める事が難しい。私が水病の時ようやく探し出して食べた時があった。然るにある人は「神奈川辺りで随分作っている人があるようである。一時もみ胡瓜や漬物にして柔らかで甘みもあった。神奈川辺りではこの白胡瓜を食していたようであるが、江戸の問屋に出荷しても,青瓜程の需要が無く、結局自家用の栽培となっているという。」と話していた。そんなこともあるだろう。

水病とは今のどんな病気だろうか?食育のページにはキュウリの利尿作用が手足のむくみを解消するとある。
江戸時代は半白(はんじろ)といって半分が緑、半分が白いキュウリが専ら生産されました。皮がやわらかくなかなか美味かったようです。
江戸野菜としての馬込半白きゅうりは、栽培もしやすい品種で皮はかためで、中身はやや水分が少ない食感で、ぬか漬けにぴったりです。総じて江戸時代の野菜の品種は過剰に生産された時、漬物にして保存できるものが多い。
 
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耳袋のなら漬

2010年12月11日 | 趣味としての漬物
なら漬の漬け方
根岸 鎮衛(ねぎし しずもり、やすもり)の耳袋より
漬物にいささか漬け方があること。
なら漬を漬けるに、瓜を二つに割り、種を抜き、塩を詰めた上、酒粕を暑く塗り詰めて、粕を下に置き、その上に瓜をうつむけに伏せ、また酒粕を詰めて順々に詰めることである。心得ぬ人はその酒粕・塩を詰め、瓜を仰向けに漬けているのを見て、字上手な人はこれを見て笑った。その訳を尋ねたら『酒粕の気は上へ上へと抜けるものゆえ、うつむきに漬けるものである。味噌漬はこれに反する事である』と人に語った。

江戸時代中期には奈良漬という名称が一般的になっている例である。
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アンパンにラムネ

2010年10月27日 | 趣味としての漬物
アンパンは明治時代に銀座木村屋総本店が創製したパンですが隠語で『シンナー』を意味しています。ラムネは同じく隠語で『月賦』を表しています。ラムネを飲むとゲップが出るので昔は良く言いました。今では消費者ローンがあるのであまり聞かれなくなりました。アンパンのへそともいう所に桜の花の塩漬がのっているのがあります。八重桜を梅酢で漬け込んだものです。産地として神奈川県秦野市が有名です。結婚式で桜の花の塩茶が出るのは香煎の一種だったからです。
仏式で吉事を取り行う時に桜の花の塩茶を出すそうです。

さて、商品のクレームでシンナー臭いというのがある。これは食用アルコールで殺菌消毒していて、過剰に噴霧した時、食品のある一部分の物質と反応して、シンナーと類似の臭いがする。しかし、揮発性のため確認の時には、消えていることが多いので他の検体を開封して確認する。その時臭っていた時、製造の時の状態を調べる事となる。大抵過剰に噴霧した場合が多い。
 
昔、アンパンの甘い臭いがシンナーの臭いと似ているから隠語となったと言われるが本当なのだろうか?本物のアンパンはシンナーの様な臭いはしない。
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旬の里ふくい

2010年04月13日 | 趣味としての漬物
旬の里ふくい
福井県から広報誌が届いた。福井県は酒造最適米と知られている山田錦の作付が全国で2位の面積であり酒造会社は今でも少なくなったが37の地酒造る酒造があるという。また京都に向かう十八里の街道は鯖街道と若狭の行商人は保存のきかない鯖を一塩して、夜明け前に出発し、都に着くときはいい塩梅になった鯖を『若狭の一塩物』として珍重した。良質な鯖が行きかう街道はいつしか鯖街道と呼ばれた。
 この様な若狭の鯖を酒造時の精米で発生する糠によって捕れすぎた鯖を保存することを考えたのだろうか。若狭の『へしこ』で知られている糠漬は江戸時代の酒造が盛んになった時から始まっていて、酒の精米と関連がある。戦国時代以前には米ぬかは食糧として食べていたらしい。みそ汁の増量剤だったと思われる。
 沢庵漬も酒造が盛んになった時代から始まる。
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言海 2

2010年03月26日 | 趣味としての漬物
言海 2
七福神 しちふくじん 大黒天、蛭子の神、毘沙門天、弁財天女、福禄寿、寿老人、布袋和尚等の福神の称


言海の原稿が出来たのが明治10年代中頃のため、福神という言葉はまだこの辞書には無い。

あさづけ 浅漬
大根を淡く(あさく)乾して、麹又は糠を加え、淡く(あさく)塩に漬けたるもの。香の物とす。(沢庵漬に対して浅漬の名あり。
江戸東京では浅漬はべったら漬のことを称していたらしい。

たくあんづけ 沢庵漬 (沢庵和尚の創意によると言う。或いは貯え漬けの転とかと。乾したる大根を糠と塩を加えて、圧して漬けたもの。永く貯えて香の物とする。

言海の解釈は今の時代と若干異なる。
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代用醤油

2010年03月10日 | 趣味としての漬物
代用醤油
今では誰も知らない言葉となったようで数年前野田にあるキッコーマンの図書館で代用醤油の本を探した時、びっくりされた。どうしてこの言葉を知っているのか不思議に思われた。キッコーマンは戦後大豆が進駐軍の方針で食料に回されたとき、データを出して大豆による醤油文化を守った。しかし一般庶民に使える醤油は大豆不足で醤油が不足した。そこで様々な方法で代用品となる創ることとなった。一番多かったのは大豆の搾りかすを着色味付けたものだったらしい。さらに海草を利用したもの、毛髪を原料としたものまであったという。当然古来の醤油と違って腐敗変質が起こったと思われる。
 定かな記憶は無いが当時まだ使用許可されていた安息香酸等の防腐剤が使用された。(今でも安息香酸として0.60g/kgは醤油で使用許可)
漬物に保存料が使用許可となったのは戦後の混乱期から始まるという。しかしそれ以前は塩分が多く、保存料の使用の必要性が少なかったが塩分が採りすぎとなり、保存料の必要性が増していった。ただ今は漬物製造技術の発達で使用料が減っている。しかし梅干に関しては保存料は一切使用は禁止なので『保存料を使用していません』という梅干は表示違反ともいえる。梅干は保存料が無いことが梅干なのだ。
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小西瓜(源吾兵衛)

2009年08月30日 | 趣味としての漬物
小西瓜(源吾兵衛)
今年の天候不順で進物用なら漬の中に入っている西瓜のなら漬原料が不作であるという。来年は醤油漬が困るだろうが本当に影響するのが再来年になるだろう。
主な産地は和歌山県と鳥取県であるので他の産地では代替できない。漬物用のスイカは食用のスイカを早取り、又は大きくなる前の摘果したものではない。天候不順と産地の減少は作柄の変動が大きくなる。
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正岡子規となら漬

2009年02月20日 | 趣味としての漬物
正岡子規となら漬
仰臥漫録 明治34年9月2日よりの日記
9月17日 友より なら漬をもらって
『なら漬の 秋を忘れぬ 誠かな』
この後、食事の漬物はなら漬が頻繁に食卓にあがる。なら漬の以前は梅干がほとんどでたまに瓜の漬物が食事のときにでる。
 次第に食事の記事が減って生の心境に変化してゆく。なら漬が消え、最後の漬物の記事は梅干。

自分は一つの梅干を二度にも三度にも食う。それでもまだ捨てるのは惜しい。梅干の核(たね)は幾度もしゃぶってもなお酸味を帯びている。それを掃き溜めに捨てるのはいかにも惜しくてたまらぬ。
正岡子規は梅干を誰からいただいたのだろうか。正岡子規の出納の記録でも漬物の購入記録はない。
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おくもじ

2008年12月05日 | 趣味としての漬物
おくもじ
もうはるか昔に廃業した高菜の油いため『おくもじ』大田武士商店の漬物。丁寧なつくりであったため採算とれず、もう20年以上前廃業している。したがってブランドとしてのおくもじは使ってもかまわないと思われるが漬物業者は中身がわかりにくいので誰も使用していない。高菜を干してから漬け込み高級な油でいためた漬物の『おくもじ』は今では採算を考えたら造れないだろう。
ご飯に刻んだ『おくもじ』を載せて軽く一食はいけます。高菜のピリッとした辛味が食欲を増進します。
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梅干の虫害除去の新技術

2008年08月30日 | 趣味としての漬物
梅干の虫害除去の新技術
近年、和歌山県産の梅干からアカマダラケシキスイ幼虫が発見され、消費者の苦情が増加してきました。この原因は産地収穫時に従来の人手によらず完熟した梅の自然落下を地面に4mmのネットを敷き収穫する方法をとったとき幼虫の混入被害が発生しています。梅干は健康食品のイメージが強く農薬等の薬剤を極力少なくしたこともありました。
 和歌山県果樹試験場は次のような農薬等の使用せず、中害を防ぐ画期的技術を発見しました。
1 傾斜地の地面に4mmのネットを敷き、地面より10cm浮かして、幼虫の寄生を防止する。
2 幼虫が侵入した梅果実は個別に水浸浸処理すると10分以内に8割の幼虫が果実から離脱し、30分では全部の幼虫が離脱しました。
3 多数の梅果実を処理する場合は果実が重なり合うため離脱時間がかかりますが概ね一時間で全ての幼虫が離脱します。
4 水浸漬による梅果実への影響は一時間ほどでは殆ど問題ありません。

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21日は漬物の日

2008年08月25日 | 趣味としての漬物
21日は漬物の日
漬物祖神・萱津神社(愛知県名古屋市)今年も盛大に(香の物大祭)が8月21日に茄子・大根・瓜等を漬け込む神事が行われた。萱津神社が漬物の祖神になった由来は神社に農耕の神が祀られていて。村民が献上する野から採れた野菜と海から採れる塩が偶然混じりあい芳香な漬物が出来上がったことから始まる。『神の物』だと感動した村民は『香の物』と命名熱田神宮に奉納し、萱津神社は漬物祖神とあがめられるようになったと言う。
 この大祭が8月21日に行われるので漬物業界は毎月21日を『つけものの日』としている。
通常『香の物』という言葉の解説と萱津神社はちょっと異なる。
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かくやの古漬

2008年08月14日 | 趣味としての漬物
8月12日の朝日新聞の投書から
『かくや』の漬物とはなつかしい。ヌカ漬けの漬かりすぎた古漬けちょっと生姜を刻んで醤油をかけて食べる。もったいない精神を表す漬物。酸味の利いた漬物は夏の昔の味となる。
 夏は戦争中の貧弱な食生活の思い出から始まる。今ではダイエット食にもなりそう。戦後まもなくの力士の体型は今から比べると貧弱で食が不足していること表している。漬物は今の言い方でいうとダイエット食にもなるのではないのだろうか。
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熱中症の予防と梅干

2008年08月12日 | 趣味としての漬物
熱中症の予防と梅干
地球温暖化の影響でしょうか年々夏の気温が上昇し、エアコンの排熱でさらに都心の気温が上がって寝苦しい。熱中症には水分の補給と共に塩分のある食べ物をとりましょう。昔ながらの梅干は特にお勧めです。超すっぱい梅干は少なくなりましたが市販の梅干でも結構いけます。
築地場外市場では昔ながらの素朴な梅干が販売されてます。料理屋さんのための味付けていない梅干です。
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