JR北海道の赤字路線を廃止することが検討されている。
利用者減が続いて驚くほど採算性が低く、経営環境が厳しいので廃止せざるを得ないということだ。
安全にかかわるトラブル/事故/車両故障/高波による線路被害で不通となるなどが相次いで、予算を安全対策や復旧に回さなければならないことは理解できるが、人口減の地方のくらしの足や、観光客対策は解決が切迫している。
もともと国鉄時代から採算性の厳しい北海道の廃止対象路線は、約6割あるそうだ。
近い将来、旭川~留萌/旭川~稚内/旭川~網走など多くの路線はバスへの転換が進むだろうと予想できる。
一方、経済や文化・流通の優位な札幌中心の鉄道路線や、道路網は利便性が高いので、当然ながら札幌駅中心のダイヤが組まれ、札幌周辺の鉄道路線は現在以上に整備拡充されて発展するはずだ。
流通環境の悪い疲弊した地方の鉄路は削られ短くなったので、バス路線が多く鉄道路線が少ない北海道地図になるだろう。
ところが、北海道内の鉄道交通路が少なくなる中、脚光を浴びているのは「北海道新幹線」だ。
新青森駅から青函トンネルを経て新函館北斗駅までを「北海道新幹線」と称して、来春3月26日に開業する。
新函館北斗駅から北海道内に新幹線鉄路があるわけではなく、北海道の入り口に繋がっただけであり、札幌への予定は平成42年なのだそうだし、その先への見通しは全くない。
「北海道新幹線」と称しているが、新幹線の恩恵を感じない内陸在住者にとっては、遠く離れた所の話題として関心が薄い。
新幹線で北海道旅行をと期待している人々が多いそうだ。北海道新幹線で北海道入りした観光客は錯覚や誤解の無いように、その先の交通環境の情報を入手しておく必要がある。
北海道の大地を突っ走るイメージでテーマソングまでつくられているが、そのイメージはまだまだ先の話なのだ。
既存の新幹線の名称は、新幹線の路線のある地域名を使っているし、青森~函館のフェリーも「北海道フェリー」とは言わず「青函フェリー」とか「津軽海峡フエリー」などと称している。
(東京~新青森を東北新幹線、大宮~新潟を上越新幹線、高崎~上越妙高を北陸新幹線、東京~新大阪を東海道新幹線、新大阪~博多を山陽新幹線、博多~鹿児島中央を九州新幹線)
その意味では、青函新幹線とか津軽海峡新幹線などと称した方がいいのではと冗談を言いたくなる。