破扇図鍔 間
破扇図鍔 銘 間
破扇の図は度々紹介してきた。多くの金工がこれを表現していることから、いかに好まれていたかが想像されよう。
この鐔では唐草文を背景に、凹穴で破れた様子を表現した扇を散し配しており、図柄も魅力的。深く沈んだ鉄地に線描になる唐草文だけでも美しいと思うのだが。
子供の頃に鉛を溶かして遊んだことを述べたが、型に流し込んで固着させることの難しさは心得ている。それ故に、鐔の表裏に砂張の文様を施すことが、果たして可能であろうか疑問であった。大きな面であれば、片面の作業は容易としても、裏面を加熱する際に、一方が脱落してしまうのではないだろうか。この鐔のように細い線に溶融した砂張が流し込めるのであろうか。ところが、砂張の技法とは、溶融した砂張を流し込むのではなく、文様部分に小さな砂張の粒を置き、これを溶融させることに気付いて納得した。それでも難しいとは思うが。
破扇図鍔 銘 間
破扇の図は度々紹介してきた。多くの金工がこれを表現していることから、いかに好まれていたかが想像されよう。
この鐔では唐草文を背景に、凹穴で破れた様子を表現した扇を散し配しており、図柄も魅力的。深く沈んだ鉄地に線描になる唐草文だけでも美しいと思うのだが。
子供の頃に鉛を溶かして遊んだことを述べたが、型に流し込んで固着させることの難しさは心得ている。それ故に、鐔の表裏に砂張の文様を施すことが、果たして可能であろうか疑問であった。大きな面であれば、片面の作業は容易としても、裏面を加熱する際に、一方が脱落してしまうのではないだろうか。この鐔のように細い線に溶融した砂張が流し込めるのであろうか。ところが、砂張の技法とは、溶融した砂張を流し込むのではなく、文様部分に小さな砂張の粒を置き、これを溶融させることに気付いて納得した。それでも難しいとは思うが。