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稲村亭日乗

京都の渓流を中心にルアーでトラウトを釣り歩いています

白鵬の退職  残る後味の悪さ

2025年06月10日 | 日々
 6月9日、元横綱白鵬が会見で退職を発表。

 白鵬は「悔いはない」と言った。

 また、それに先立って相撲協会の多くの関係者からは慰留したが固辞され「残念」の声も。

 しかし、これまでの報道から受けてきた印象では、誰もそれらの言葉を信じはすまい。

      

 会見で白鵬が触れた退職理由は、
閉鎖された宮城野部屋の再興がいつまでたっても認められなかったことだ。

 白鵬は再興を待ちわびたが、協会側はこれを無視し続け、あきらめさせたようにみえる。

 現役時代の白鵬の振る舞いに協会側は早くから対抗して結束、
北青鵬の暴力事件を機に巻き返し、ついに寄り切ったかのごとくだ。

 思えば協会側の恐ろしいほどのねばり腰の持久戦で、冷酷さすら感じさせる。

 それには現役時代、破格の実績を積み上げた白鵬でも対抗できなかったのだ。

 ただ、意外なのは白鵬を擁護する声があまり大きくならないこと。

 これは現役時代の白鵬の一連の振る舞いに
眉をひそめる人が少なくなかったからかもしれない。

 いずれにしても後味の悪いことだ。

 この世界、もっと風通しの良いスカッとしたものにならないのか。
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長嶋さん逝く

2025年06月04日 | 日々
 長嶋茂雄さん逝くのしらせ。

 長嶋選手といえば、ぼくらの少年時代のあこがれ。

 みんな長嶋ファンだった。

 今でも覚えているが、当時こんなかるたがあった。
 「打ってよし 守ってよしの長嶋選手」

 確かに彼は守備も打撃も定評があった。

 一方、ぼくの叔母も彼の大ファンだった。

 長嶋選手がホームランを打ったけど、喜びのあまり
一塁ベースを踏み忘れてアウトになったこと、あるいは気が付いたら靴下が左右違っていたことなど。

 叔母は野球そのものより、こうした「ミス」をやらかす彼の人柄にほれ込んでいたようだ。

 長嶋選手に関する関係者の思い出話を聞いていると、
彼の思いやりや気遣いなど、いい話がいっぱいだ。

 元巨人(いや、ぼくにとっては元東映フライヤーズ)の
張本勲さんによると、「長嶋さんは人の悪口を絶対言わない言わない人」とのこと。

 立派なことだ。

     

 そういえば、長嶋さんには醜聞がない。

 一般には、人が成功し、有名になると金、異性、
あれこれのハラスメントなどが出てきやすいものだが、長嶋さんにはそれを聞かなかった。

 いろいろ考え合わせると、彼はひたすら野球を愛しぬいた人だったのかもしれない。

 彼の死を惜しむうねりのようなこの雰囲気。 

 多くの人々が彼を愛したのは、
彼が名選手だっただけでなく、そうした人柄を併せ持っていたからなのだろう。

 最後に、ぼくが子どもの頃聞いたことがある。

 メジャーリーグ関係者が
「長嶋選手をアメリカに連れていきたい」と言ったが巨人側が拒否し、実現しなかったと。

 当時の日米野球の実力差は大きかった。

 それでも、もしも彼がメジャーに挑戦していたらどうだったのだろう?

 そんなことをふと思った。

 長嶋さん、安らかに。
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備蓄米、安く出回ったけれど

2025年05月31日 | 日々
 随意契約によるコメが売り出された。

 スーパーなどの販売店は先陣争いのごとき様相だ。

 しかし、ニュースを見ると開店前に行列ができ、アッという間に売り切れ。

 先頭に並んだ人へのインタビューによると、
「今朝5時半から」並んだという人、さらには「昨夜から・・・」という人も。

 これでは買うのも大変そう。

     

 報道されたとおり、古米から古古古米に至るまで、
やや硬いとか少し臭いという難点はあっても食べるうえでは支障はなさそう。

 ならば消費者は安い方に傾くだろう。

 しかし、備蓄在庫が尽きればどうなるのだろう?

 結局高止まりのコメしか残らないのだろうか?
 
 そういうことなら、今回の放出は
消費者の不満をなだめる打上げ花火みたいなものではないか。

 先のことはわからない。

 ただ、自民党の森山幹事長は小泉農相に注文。

 コメは安ければいいということではなく、
「農家ががんばる気持ちにならなければ食糧安全保障は成り立たない」と。

 昨今の米価上昇の原因が必要なコメの量の不足にあるなら、
またその背後に農家の生産意欲の減退があるとしたら、コトは構造問題だ。

 消費者側の「コメは高すぎる、何とかせよ!」という不満だけでは解決しそうにない。

 この問題、想像以上に奥が深そう。
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わからない米価の行方

2025年05月24日 | 日々
 先日コメを買いにスーパーへ。

 店員に「コメ売り場はどこですか?」と尋ねると
「こちらです・・でもどうですか・・・」とつぶやきながら案内してくれた。

 「どうですか」とは?と思ったが、コメの棚に着くと売り切れでカラッポ。

 やむなく他の店へ。

 4500円、高い!

 が、あるだけマシか。

 でも、よくわからないのは、この異常な米価上昇の原因だ。

 いろんなことが言われている。

 卸売業者が売り惜しみして、米価を吊り上げている。

 多くの家庭が生活防衛のためコメを余分にたくわえている。

 はては元々コメが不足しているなど。

 いったいどれが本当の原因なのか?

 さて、小泉新農相が動き出した。

     

 随意契約で、5キロ2000円で出回らせるとか。

 いやあ、もう3000円でもいい、ありがたい。

 しかし心配もある。

 2000円で出回っても、できるならこの機会に!
と各々が10キロ、20キロと買いだめに走り出しはしないか?

 中にはうまく立ち回って転売で一儲けを画策する輩も出てくるだろう。

 早々に売り切れて買いそびれなんてことはないのか。 

 そもそも備蓄米も無尽蔵にあるわけではなかろう。

 予定の量がさばけたら放出はなくなり、後はどうなるのだろう。

 この放出が呼び水になって米価が下がる保証はなさそうに見えるのだが・・・。

 今年秋に収穫されるコメの取引契約はもう終わっているとのこと。

 もしもコメ不足が底流にあるとすれば、米価は来年もずっと高止まりか?

 よくわからんが、ともかく5キロ2000円、出遅れてはならじ!

 そう思う自分が情けない昨今。
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うるさくも懐かしいクマゼミ

2025年05月08日 | 日々
 「クマゼミから温暖化を考える」(沼田英二著 岩波ジュニア選書 2016年刊)を読んだ。

 近年よく聞くクマゼミ分布域の北上のこと、それはブリやサワラの北上と同じく興味深い。

 著者は子どもの頃、セミとりが大好きだったそうだが、それはぼくも同じ。

 著者は冒頭でおもしろいことを書いている。

 著者の子ども時代(1960年頃)、出身地の大坂ではニイニイゼミ、アブラゼミ、
ツクツクボウシなどがとれたが、クマゼミは数が少なく、とれたら自慢だったそうだ。

     

 そういえば思い出す。

 後年、京都で働くことになったぼくが京都出身の同僚から聞いた話。

 「子どもの頃、とれたのはアブラゼミばっかり。
 クマゼミはたいてい高い所にとまっており、つかまえに行くとすぐ飛んで逃げてしまう。
 クマゼミは頭がエエと言われ、つかまえたらうれしかった。」と。

 が、南紀育ちのぼくには逆で、セミといえばほとんどがクマゼミだった。

 アブラゼミ(方言で「アカゼミ」)などは少なく、むしろその方が値打ちがあった。

 ニイニイゼミもいたが、体が小さく鳴き声もいまひとつで、ぼくらには人気がなかった。

 ぼくはヒグラシは南紀にはいないと思い込んでいたが、
大人になってから車で古座方面に行くとき峠道でその鳴き声を耳にした。

 ヒグラシは町の中にはいないが、山なら南紀でもいたわけだ。

 つまり、行動範囲の狭い子どものぼくらにはわからなかっただけだったようだ。

 しかし著者によれば、今や大阪の街の中でセミといえば、クマゼミでいっぱいだそうな。

 ぼくはこれまで単純に考えてきた。

 南国系のクマゼミが気温の上昇とともに、
以前は気温が低く棲みづらかった北部地域にも進出してきたのだと。

     

 が、著者はそんな単純なものではないことを観察と実験を通じて明かしている。

 温暖化による卵の越冬中の死亡率の低下、
都市化、温暖化による乾燥で土が固くなり、他のセミに比べてクマゼミに有利になったこと等々、
たくさんの要因がクマゼミの増加につながったことを説いておられる。

 興味のある方にはご一読をおすすめしたい。

 遠からずセミの季節。

 京都のぼくの住むところでは最初はヒグラシ。

 クマゼミはもう少しあとだ。

 あのうるさいクマゼミの鳴き声。

 しかし歳をとっても、あれはいつまでも懐かしい。

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加速する消費減税への道 出でよ!令和の高橋是清

2025年04月27日 | 日々
 止まらない物価上昇の下、多くの野党が消費減税を主張。

 それに同調しなかった立憲民主もついに
品目(食料品)や期間を限定して消費減税に転じた。

 しかしこれはどうか?

 今の物価上昇が1年やそこらで落ち着く保証はどこにもなかろう。

 「食品ゼロ%」で5兆円と聞く税収不足分はどう工面するのか?

 また、一年の期間限定というが、本当に元の税率に戻せるのか?

 あの強かった安倍首相でも10%への切り上げは困難をきわめたではないか。

 これを受けて自民党内からも消費減税の声が高まっている。

 遠からず雪崩が起きる予感も。

 消費税という大衆課税でなく、もっと富裕な人から徴税できないものか?
などとぼくは思うのだが、今こんなことを言っても始まらない。

 いずれにしても安易な赤字国債に頼る可能性がまた出てきた。

 ぼくらの国はますます泥沼に転落していくのか。

 気になるのは国会議員たちの動きだ。

 今回、元々財政規律重視の野田代表が消費減税に転じたのは党内での孤立からだと言われている。

     

 「消費減税なしには参院選を戦えない」という同党議員たちの強い圧力からだ。

 なんということだ。

 財政破綻の危機には目をつむり、
自分たちの当選を最優先するかのような発想にはあきれ果てる。

 いや、立憲民主に限ったことではない。

 少数与党の今、財源を無視した議論ばかりが先行していることには幻滅する。

 出でよ!令和の高橋是清。
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元女性アナウンサーの「やりきれない気持ち」

2025年04月02日 | 日々
 フジ第三者委員会の報告があった。

 この問題は前からずっと報道されていたが、ぼくには
「中居氏と女性とのトラブル」なるものの中身がよくわからず、いったい何が?と思っていたところだった。

 今回の報告でやっとその具体的な中身がわかってきた。

 一言でいえばフジに内在する人権感覚の欠如に尽きる。

 いろいろあろうが、ぼくとしては

中居の性暴力に至る経過はどうみても計画的で悪質、卑劣であること、ここに憤りを感じる。

 中居は自分の強い立場を利用して巧妙にワナを仕掛けたのだから。

 さらに、この事件「処理」にはフジの関係者(元編成部長)が協力していた。

 事件のあと、被害女性が退職したことをこの関係者が中居に連絡。

 それへの中居からの返信メールが公開されている。

「了解、ありがとう。ひと段落ついた感じかな。いろいろ助かったよ」と。

 この関係者から中居への返信。

「例の問題に関しては、ひと段落かなと思います。引き続き、何かお役に立てることがあれば動きます!」と。

 人気タレント中居とフジ関係者たちのいわば「持ちつ持たれつ」の関係が見てとれる。

 報告に対する女性のコメントは「ホッとした」とともに、
報告で初めて知ったこともあり、「やりきれない気持ち」だという。

 100万円の見舞金問題等々、
フジ側がその体制を守るためにとった行動、姿勢に彼女は絶望の思いだったはずだ。

     

 考えてみれば、間もなく投票を迎える岸和田市長選。

 永野元市長の行動もまた、強い立場を利用してのものとの疑いが報じられていた。

 社会の広い分野で繰り返されるこの種の事案には暗澹たる思いだ。

 * なお、事件とは関係ないものの、「ひと段落」、正しくは「いち段落」。

  どうも気になってしまう。
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「日本食の世界化」をめぐって

2025年03月30日 | 日々
 先日NHKスペシャル「ジャポニズム第3集 FOOD 日本食が世界化する」が放送された。

 とても興味深い内容だった。 

 放送によれば、日本食人気の高まりをうけ、
日本食レストランは世界で19万店舗を数えるそうだが、その90%は外国人が経営しているという。

 番組で紹介された「世界化」の中身は多岐にわたった。

 例えばブラジルで人気の手巻き寿司では
マンゴーが入ったもの、あるいは丸ごと揚げたものなど。

     
       ( マンゴー入り手巻き ) 

 フランス料理の中に入り込んだ日本のダシ、さらに魚のikejime(活〆)の応用、
ドイツ人が展開する日本の居酒屋方式レストラン、
アメリカでの「おまかせ」日本料理店の活況など。

     

 どれもこれも興味深いが、
日本食が世界に出て行って大いに変容していることも特徴的だ。

 それらをみていると
「いや、それは本来の日本食とは違うのでは?」と思ってしまいそうになる。

 ところが、日本での修行経験をもたないアメリカのスシ職人は語る。
「もし(自分が)日本でスシ職人をしていたら強い既成観念でがんじがらめになっていたでしょう」
と自分の流儀に自信。

 なるほど、伝統にとらわれない自由な発想がアメリカでの日本料理店の成功につながったというわけだ。

 番組では最後に「このまま日本食が世界で変換され続けた先にどんな風景が?」と問いかける。

 京都菊乃井の村田吉弘社長がインタビューに答えている。
「おいしそう。ぼくも食べてみたい。・・・

(外国で)はやっているということはニーズに合っているということ。

 あんなものは日本料理ではない・・・
ぼくらの方が正しい、ということではない。おいしいのが正しい」と。

 ぼくはこの答えにとても感動した。

 「本家」たる自分たちの位置に固執せず、
世界化したその先端や末端から学ぼうという謙虚な姿勢についてだ。

 とても清々しい。
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せめて帽子程度にしておけば

2025年03月15日 | 日々
 石破総理大臣が苦境だ。

 新人の衆議院議員たちへの「おみやげ」に10万円相当の商品券を送ったとされる。

 与野党からの猛烈な批判にさらされている。

 石破さんという人、ぼくは歴代の総理とは違った印象をもっていた。

 元々知名度は高かったものの、氏の派閥は大きくならず、総理就任もむずかしかった。

 それは氏には政治家によくある俗っぽさが薄かったからだとぼくには映った。

 政治家同士の飲み食いをあまり好まず、読書にいそしむ
勤勉で清廉な人、自分の考えを持ち、率直にモノ申す人という。

 しかし今回のできごと、
少数与党でしかも党内基盤が弱いというなかで起きたことなのかもしれない。

 それでもがっかりだ。

 「おみやげ」というなら、この日だったか
佐々木投手が石破さんに贈った帽子程度にしていれば、平穏だったろうに。

     
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生業の復興支援ということ

2025年03月12日 | 日々
 先の大船渡の山火事に関連して、いくつかの報道でアワビ養殖施設の損害を知った。

 北日本水産というアワビ養殖会社では、
停電や揚水ポンプの損傷などで250万個のアワビがほぼ全滅、アワビだけで5億円の損失だという。

 この会社は、東日本大震災で壊滅的被害を受け、
その後再建し、5年でようやく出荷を再開できるようになったそうだ。

 古川社長の言うところでは、
今回の火災では、津波に比べればまだ養殖施設が残ったことが幸いだという。

 それでも消費者へのアワビ提供には3~4年はかかるそうだ。

 ただ、資金のあてはまだわからないと。
   
     

 しかし古川社長の話を聞いていると、めげずに意欲的だ。

 気づかされたのは、災害からの復興には居住施設の建設が大事なことはもちろんだが、
こうした生業への支援がなければ地域の産業、雇用は守れず、その町は疲弊するという当たり前のことだ。

 大船渡ではワカメ養殖なども盛んだったと聞く。

 こうした生業についても一日も早い支援と復興を祈りたい。
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