よっちゃん農場のドタバタ日記

「よっちゃん農場」の日常。
 ~いち農家から小さなブランド作りの奮闘記~~

1本の電話・・・

2008年09月29日 | Weblog
今年、毎週月曜が周辺農家からの唐辛子買取の日。
直ぐに炭火で火を通す為、必然的に身体が唐辛子臭くなる日でもある。

が、このところの冷込み、そしてボチボチ始まった稲刈りで出荷は
一件のみ。
昨年と比べると、天候のおかげで収穫量は大分少ない・・・


とある電話が。
話をしていると、以前東京で行われた綿屋を楽しむ会で出会った
酒米栽培農家佐藤農場ご夫婦のお父さんから。
わざわざ「よっちゃんなんばん」が美味しいっ!!
という伝える為に頂いたのだけれど、話しているうちに
なんだか盛り上がってしまい、長電話に。

話を聞くと、単なるお父さんではなく、とんでもない方!!
三重県で栽培が始まった酒米「山田錦」。
それを、不可能だという声をよそに我が宮城県で一番最初に育て始め成功
させたのがこの方だった。すんごい人でした。

その際、一握りの種籾からのスタート、成功に至るまでの苦労など、
大変参考になる話を沢山聞いた。

「人と同じ事をしていてはダメだ!」
という言葉が印象深かった。
先日息子さんにお話させて頂いた私の想いなども聞いたらしく、
がんばれよ!と励ましも頂いた。

今、農家が苦しんでいる理由として、米が安いとか色々外部的な
ものもあるけれど、農家自身の努力も足りなかったんだろうと思う。

今でこそ直売所が至る所に出来、昔のように市場出荷だけではなく、
自分で参加し、自分で値付けして売る、という選択肢は広がった。
けれども、佐藤農場の先代も話していたけれど「次の一歩」を考える
農家はまだまだ少ない。

それは兼業農家が大部分で、この辺りでもそうだが、跡継ぎがいない、
米野菜はプラスαで、サラリーマン化。
つまりは「農業が柱」の農家は少ないからかもしれない。

では農業で食べて行こう!といっても、直売所に参加しても結局
出荷者の一人、でしかなく、商売として根本の「お客さん」との対話
は極めて少ないのが現状。

私も何とか10年続けて来れたけど、それはやっぱり卸しの販路を広げる
だけではなく、催事、対面販売でお客さんと色々話して来れたからだと
思っている。
時に苦情、時に励まし、時にはヒント。
色んな言葉をもらって今の商品がある。
結局作るのは私で、食べるのはお客さん。
そこに会話が無いと、商売として、生き甲斐として、面白くないんでは
なかろうか?
と思っている私としては、同じ道を歩いて今がある偉大な酒米農家さん
の話はうなずける部分が多かった。

力がみなぎる一日。