とりがら時事放談『コラム新喜劇』

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ツアーで行く海外旅行(後編)

2007年03月13日 20時30分02秒 | 旅(海外・国内)
以前から私は海外パッケージツアーには「みっともないもの」という印象を抱いていた。
というのも、小旗を持った旅行ガイドの後ろを金魚のフンよろしくぞろぞろと付いて歩く、あの集団行動に情けなさを感じていたのだ。
なんで海外まで来て農協の組合旅行のごとく日本人同士で束になって歩かなければならないか。
せっかく海外まで来て周囲が日本人ばかりだと意味がないだろう。
という気持ちを強く持っていたのだ。

ところ代わって、バンコクの街中を流れるチャオプラヤ川。
その川を上下する水上バスのチャオプラヤエキスプレス・ボートのティアン船着き場近くには乾物市場があり、私はちょくちょくここでスルメや干し海老を日本への土産として買い求める。
このことは以前ここに書いた。
サトーンにある私の定宿からは、この市場までチャオプラヤエキスプレス・ボートを利用して出かけるのだ。

このティアン船着き場には各駅停車の船しか止まらない。そのため一本を見逃すと平日の昼間なんかは20分ほど待たなければならないこともたまにある。
買い込んだスルメの入った大きなビニール袋を持って、
「暑いな~」
とボートを待っていると、目の前を日本人の団体さんがひっきりなしに通過する。

実はこのティアン船着き場の対岸には暁の寺として有名なワット・アルンがあり、こちら側の乾物市場の前には、これまた巨大な涅槃仏と古式マッサージで有名なワット・ポーがあるのだ。
ティアン船着き場はこれら2つの観光スポットを結ぶ渡し舟の船着き場にもなっていて、地元の人よりも多くの観光客が行き来するというわけだ。
で、とりわけ目につくのが日本人ツアー客。
胸にステッカーなんぞを貼ったりしてウキウキ歩くのは結構だが、せっかく外国に来ているのだからバラバラに行動して、その世界に飛び込めばもっと楽しい旅行ができるものなのに、とつくづく感じるのだ。

幸いなのは、最近とみに目につくようになった韓国人や中国人の団体客に比べると日本人は上品で服装のセンスも洗練されているということか。

ともかくツアー旅行はいただけない。

そのツアー旅行で、それもまさかのアメリカで参加させられるとは思わなかった。

初日の夕食と二日目の夕食はツアーの人たちと一緒にレストランへ行った。
つまり日本人ばかり20人ほどで向かったのだった。
私はできれば一人か二人での夕食が希望だったが、それは無理なのはわかっていたので、多くても会社の皆とだけで食事したかった。
少人数で楽しむアメリカのレストランでの食事はいいじゃない。
店の人との会話も楽しめるかも分らない。
しかしツアーの一人だとそうはいかない。

「まったくアメリカに来た気がしませんね」
と、同行のP氏が言った。
当たり前である。
周りはみんな日本人。
おまけにここはテレビや映画でお馴染のシカゴの街。
まわりのアメリカ人も吹替日本語版で話しているような錯覚に陥るのだ。

日本人が寄り集まると「チップをもらえないかも」ということで、店のウエイター、ウエイトレスも熱が入らないことがあり、あまり歓迎されないことがどこの国でもままある。
私自身がそんな無粋な日本人客の一人と見られているような気がしてイヤだった。

案の定、勘定の時のチップの渡し方がお役所的。
ツアーの幹事さんは旅行慣れしているような素振りをしているが、個人旅行主義の私としては??な対応なのだった。
で、私は自分テーブルの世話をテキパキ焼いてくれた24歳のヤンキーお姉さん(Dちゃん)にテーブル人数分のチップをそっと渡した。
店を出る時、彼女は私にだけ声をかけ手を大きく振ってくれたのは言うまでもない。

ああ、二度と行くまいツアーで行く海外旅行。


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