とりがら時事放談『コラム新喜劇』

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楽しい街中バスの旅(後編)

2009年08月13日 07時41分08秒 | 旅(海外・国内)
つづき

私の旅先は主に東南アジア。
タイのバンコクとミャンマーのヤンゴンが一番多い。

タイのバンコクは10年ほど前にスカイトレインという3両編成の高架電車が走り始め、数年前には地下鉄も走り始めたからシンガポールを除き他の都市と比較すると各段に都市交通は便利だ。
それでも、圧倒的に電車ではカバーされいない地域の方が多いので、そういう場所を訪れる時はバスを利用することになる。

このバンコク都内のバスが、オモロイのだ。

バンコクのバスを利用するには、まず東京堂書店や紀伊国屋書店を訪れて「バンコクバスマップ」を購入する。
これは日本語で書かれたバンコクのバスガイドで、じつに優れものだ。
路線と主な観光及びショッピングゾーンが記されており、これさえ持っていればバンコクのバスの乗り降りなんか簡単さ、という錯覚に陥ることができる。

実際にこのガイドブックに従ってバスに乗ってみると、自分がこの錯覚のために迷子になってしまうかもしれないという事実にすぐ気がつくことになるのだ。
だいたい、片言のタイ語しかできない私は目的地を車掌に上手に伝えることができない。
この時点で路線バスの旅は危機的状況に陥る。
そしてバンコクでは、同じ番号のバスであっても目的違い、目的地まで行かないバス、まったく関係ないバズなど様々で、走り始めた途端ミステリートレインならぬミステリーバスになることも少なくない。

幸いなことに、タイの人たちは外国人に親切な人たちが多い。
外国人である私に車掌さんや、時には他の乗客が親切に但しバスを教えてくれるのだ。
何番のバスに乗れ。
このバスは違うので乗り換えのできる○○というところで下車しろ。
運賃はいいよ。
といったものだ、と思う。

数字や遠い、近いそして地名ぐらいは聞き取れるのでなんとか教えてくれているのだろう、ということは分かるのだが、詳細まではわからない。
もしかするとからかわれているのかも知れなかったが、みんなの笑顔を見ていると「さすが微笑みの国だ」。タイを目一杯感じるのだった、

そんなこんなで目的地に着いた時は、なんだか大冒険をしたような気分になり、下手に日本でTDLやUSJに遊びに行ったり、冒険企画ツアーに参加するよりも安上がりだし充実感は小さくない。
また町中を走る路線バスからの眺めは観光ではない、ローカルな人の営みを感じ取れる生きた面白さもあってなかなかいい。
そんなこんなでバスの旅に面白さを見いだしたのだった。

以来、地元大阪やひっきりなしに出張している東京では好んでバスを利用するようにしている。
とりわけ天保山へ遊びに行く時は、難波駅前から乗る市バスでの45分間の旅が一番気に入っている。
なんといっても地下鉄なら片道270円が、バスなら200円。
車窓を存分に楽しんで往復140円得した気分は、この世知辛い世の中、小さくないお得感をくれるのであった。


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