とりがら時事放談『コラム新喜劇』

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外貨両替は楽しい

2009年08月11日 06時29分49秒 | 旅(海外・国内)
海外旅行の楽しみのひとつに外貨両替がある。
普段は使うこともない外国の通貨でお買い物をするのは、まるでタカラの人生ゲームを生で楽しんでいるような面白さがあるのだ。

私の初めての外貨はUSドル。
初めての海外旅行の行き先がアメリカに住んでいる日系人の親戚のところだったこともあり、USドルが初めての外国通貨になった。

当時は1ドル180円。
学生だったこともあり、そんなに沢山両替できなかったが(今はもっと出来ない)初めて手にしたドル紙幣を見て、
「おおおお、オモチャのお金やんけ」
と思ったものだ。
この時、本当にオモチャのお金を渡されても分からないほど興奮していたのだ。

USドル。
日本人には馴染のない単位の紙幣や貨幣が存在し、若干使いにくかった。
つまり20ドル紙幣とクオーターコインが使いにくかった。
20ドル紙幣は日本の2000円札と同じであまり意味がないように思う。
暗算が苦手な米国人が多いにも関わらずクオーターコインもいかがかと思うのであった。
但し、クオーターコインのおかげで「クオーターは4分の1の意味」と分かるようになった。
英語の苦手な私に知っている単語がひとつ増えて得をしたような気がした。

なお、2000円札と同じようにクオーターを真似て25円硬貨なんか出すと、日本では暴動が起こるだろう。

次に利用したのがシンガポールドル。
1ドル70円という中途半端なレートの為に計算しにくく、おまけにまったく馴染のない通貨だったのでUSドルにも増してオモチャのお金の雰囲気が漂い、滞在中、終始飲んで酔っぱらっていたため、金銭感覚もなくなってしまい無駄遣いをしてしまった。
シンガポールの物価は高い。
でも、私は友人と飲み続けていたのだ。

未だにシンガポールドルを見るとタイガービールと場末のパブの奥の座席で酔っ払ってくだを巻いていたインド人のおっさんを思い出し、グウェッとなる。

最もビックリしたのはベトナムのドン。
初めてベトナムを訪れた時、サイゴンのタンソンニャット国際空港で当座の資金にと10000円を両替した。
すると窓口のオバチャンはおもむろに札束を取り出し、パラパラと数え、数束を鷲掴みにすると、私の前にドシンと置いたのであった。
まさに札束の山。
その額、1200000ドン。(20004年当時。ベトナムは急速な経済発展に伴うインフレの為、今ならたぶん200万ドン)
一挙に大金持ちになったような錯覚に陥った。

私は海外を歩く時はいつも日本円用のサイフと、滞在している国用のサイフを持ち歩いているのだが、この時、サイフは意味がなかった。
そんなちっぽけな入れ物にはとても入りきらないので、札束の収納先に困惑したのであった。

札束持って暫くボーッとしていたが、そのまま立ち尽くしていても仕方がないので他の人に見られないように壁の隅に行って、ごそごそとバックパックの奥に札束をしまい込んだ。
札束でバックパックが重くなったように感じ、
「おれってお金持ちや。面堂終太郎や。」
と私の左右に黒子はいなかったが、分けのわからない快感に浸っていたのであった。

この10000円両替のベトナムドンは滞在した5日間、もし土産物を買わなかったら余っていたかも知れないくらい価値があったのであった。
但し、こういう通貨には問題がないこともない。

有名なマジェスティックホテルの屋上にあるスカイブリーズバーでカクテル2杯とおつまみ1つを頼んで支払いをしようとした私は請求額を見て一瞬ビックリした。
なんと165000ドンと書かれているではないか。
瞬間、それが165000円に見えた為、東京新宿のぼったくりバーで友人二人がぼったくられた話しを思い出し(ビール2本で150000円ほど取られたという)一時的に血の気が引いた。
ところが冷静に考えてみると、これはドンなのであって、日本円になおすと1500円程度にしかならず、外国人が主な顧客であるこの高級バーにしては随分と安い金額であることに気がついたのであった。

ちなみにそれ以外は屋台や地元の皆さんご利用の安食堂で食べていたのだ。

このベトナムドンと同じような経験はミャンマーでも得ることができる。
但し、ミャンマーはベトナムとは比べ物にならないくらい経済基盤が脆弱で、政治も腐敗しているため自国通貨が通じず、支払いの際はタイバーツやUSドルの方が喜ばれるという、情けないところもある。
まったくもってお気の毒だ。

ということで、外貨両替はとっても楽しい旅の要素だ。


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