とりがら時事放談『コラム新喜劇』

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国産旅客機を作りましょう!

2007年03月14日 21時49分38秒 | 社会
いつかやるんじゃないかと思っていたら、やりました。
ボンバルディア・DHC8型機。

昨日の高知空港での胴体着陸は「見事!」「さすが!」「感動した!(小泉かっちゅうねん)」なんて声が数多く上がっているが、やはりあってはならない事故だった。
業績絶好調で事故もほとんどなしで来ている全日空にとってもショックであったことは間違いなく、担当役員さんの今後の処遇が注目される。
なんといっても全日空ははるか昔、青森県三沢上空で自衛隊機とぶつかって墜落した事故以来、死亡事故を出していないわけだから、危うく死亡事故ゼロの記録と信用を失うところだった。

ところで、今回重大故障を起こしたカナダのボンバルディア(私は長い間ブラジルの会社と思っていた=誤解)のDHC機は、昨年引退した国産旅客機YS-11の後継機種なんだそうだ。
もちろん日本製の飛行機ではないのだから純粋の後継機種ではなく営業上の後継機種というわけだ。

そこで疑問に浮んでくるのが、なんで国産の後継機種ができなかったか、ということだ。
もしYS-11の新型が生まれていれば、今回のような事故はなかったかも知れないし、カニかまぼこの作り方を教えてくれないかとごねるようなチンケな国カナダから航空機を買うなんて必要もなかったはずだ。
そこには、ドロドロとした政治の世界が見え隠れし、あの人、あの国の顔が浮んでくる。

20年ほど前に国が総力を挙げて開発した純国産機STOL飛鳥には、当時飛行機大好きな学生であった私も大いに期待をしたものだった。
滑走距離がわずか数百メートル。
離島の小さな空港でも難なく離着陸できる優れものだったはずだが、「開発費用がかかり過ぎ。量産できない」という理由で試作機だけで生産中止。
失望した国内ヒコーキマニアは少なくないだろう。
計画中止に政治の匂いがしたことは言うまでもない。

その後いつまで経っても国産旅客機の開発話は浮いては消えてを繰り返した。
三菱、川崎、新明和といった日本の航空機製造会社が欧米の下請けに甘んじているうちに、昨年、自動車メーカーが小さいながらも国産ジェット機を発売した。
ホンダジェット。
三菱グループがラーメンからミサイルまで、というのであれば本田技研は原チャリからジェット機までと云うところか。
高性能で高燃費。
受注は100機を越えて製産が追いつかないという。

ホンダが自社製ジェット機に成功した理由は2つある。
1つは自動車やバイクで圧倒的な信用を築いたホンダイズムが作用して、「ホンダの作ったジェット機ならば安心だ」という気持ちを抱かせたこと。
そしてもうひとつ。
これが肝心なのだが、ホンダジェットは4人から6人乗り。
これは政治家先生のひも付きボーイングとエアバスの作っていない機種になる。
つまり、何機売れても政治には関係ないということだ。

で、ボンバルディアのDHC機の話に戻るが、この手の50人から100人乗りの飛行機もボーイングやエアバス社の守備範囲外。
ということは。目指すところは1つしかない。

200人乗りの旅客機を日本が作ると「カラーテレビに、自動車に、次は飛行機まで持ってくのか」と欧州と米国が緊張する。
その点、カナダのシェアを奪ったところで誰が文句を言うものか。
もはやB787もA380も日本の技術がなければ作れない時代。

今回のオンボロビア、じゃなかったボンバルディアの胴体着陸は、天が与えたチャンスだろう。

それでは皆さん。
安心の国産旅客機を作りましょう!


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