ツアーで行く海外旅行(前編)

シカゴ出張から帰ってきて一週間が経過した。
思えば、大変な旅であった。
というのも、出張とはいえ、それをアレンジメントしたのはある非営利団体主催の視察ツアーだったからだ。
その主催者の代行をしたのがＪＴＢ。
つまりＪＴＢのビジネスツアーだったというのが真相だが、ＪＴＢが手配したのは伊丹から成田を経由してシカゴに到る航空券の往復とオヘア空港からホテルまでの送迎バスの往復、そして滞在するホテルの予約。
たったそれだけなのであった。
現地ではフリーなので、あとは客任せということになっていた。
「現地でガイドを雇うと高いので、社員の私を使えばタダ」
という理由で、私が引率者に選ばれた。
えらい迷惑な話である。
バックパック旅行の大好きな私を会社の正式なガイド役に選ぶとは、アホちゃうかと言いたいものはあるが、それはそれで仕方がない。

で、ツアーだから安いかといえばそうではない。
出発前に会社からもらった案内書と見積書を読んだ私は腰を抜かしそうになった。
「お一人様308000円（税別）」
金額を間違えているのではないかと思ったのだった。

速攻、いつものように自分だけの一人旅を想定して旅費を算出してみるとことにした。

まず、シカゴまでの航空券。
シカゴへは関空からも直行便が飛んでいるのでそれをインターネットで調査すると、いつも東南アジアへの旅でお世話になっている旅行社（I社）のページで往復29800円。
東京～大阪往復と似たような金額だ。
つまり伊丹～成田の料金でシカゴへ行けてしまうことになる。
これはきっとマジックで、ここに航空燃料代などが加算されて最終的には70000円ぐらいになるだろうが、それでも安い。

次にシカゴの宿をアップルワールドのホームページで調べてみた。
さすがにアメリカはタイやミャンマーのように安くない。
日本と同程度かそれ以上だ。
それでも１泊100ドルから150ドルぐらいで、ＪＴＢがくれた案内書に記されていた四つ星ホテルは日本円表示で１泊15000円（シングル利用）。私は5泊の予定なので75000円ということになる。

シカゴのオヘア空港からダウンタウンにあるホテルまでは約50ｋｍほどの距離があり、タクシーに乗るとそれなりの料金が必要になる。
しかしアメリカのタクシー料金は日本のボッタクリ料金と異なり、かなり割安なので片道40ドル（地球の歩き方による）。乗合いタクシーを使うと20ドル。
往復でも100ドルしないのだ。
さらにさらに、オヘア空港からダウンタウンまでは地下鉄があるので、これを利用するとわずか数ドルでホテルまで行けることになる（ちょっと歩かなければならないが）。
ということは、私が個人で手配すると、食事代や市内交通費などを除いた旅費は、160000円もしないということになる。
とうことは、あとの150000円はどこに消えるのか。
大いに好奇心をそそったのであった。

ところで、団体ツアーで海外へ出かけたのは今回が初めてだった。
いつも私は航空券だけか航空券とホテルだけを予約して出かけるのが普通なので、完全パッケージツアーというのは初めての体験だったのだ。

つづく