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とりがら時事放談『コラム新喜劇』



昨年春にヤンゴンを訪れた時、たまたまスーチー女史の自宅前を自動車で通過した。
デモが発生する前のことで周囲は平和そのもの。
家の前には検問所が設けられ、警備を任されている数人の兵士が立っているだけ。
新聞やテレビが伝える物々しさはまったくなく、スーチー女史を監禁しているのか、それともスーチー女史を暴漢から守っているのか分からないような警備だった。

で、ビックリしたのはそこから少し走ったところに新しいアメリカ合衆国大使館が建設されていたことで、
「スーチーさんの家の近所に、アメリカ大使館。これって嫌がらせみたいじゃないか」
と私は思った。

元駐ミャンマー大使の山口洋一氏によると、かつてスーチー女史はアメリカのオルブライト国務長官と毎朝電話で会談。
オバハン同士の密約を話しながらアメリカの指示でスーチー女史は活動していたのだという。

「まさか?」
と思った私もミャンマーへ実際に行ってみて、
「あの噂も、もしかするとホントなのかもわからない」
と思うようになり、ついにスーチーさんの近所にアメリカ大使館が引っ越してくることになるのをこの目で確認するにおよび、
「あの情報もガセではなくて、ホントだったのかもわからない」
としみじみと感じたものだった。

高山正之が週刊新潮に連載しているコラムを集めたのが新潮社刊「スーチー女史は善人か」。
「サダムフセインは偉かった」に続コラム集。

私が初めてミャンマーを訪れたときにインド・ムガール帝国最後の皇帝の墓を訪れた。
「地球の歩き方」にも載っていない。
日経BPのガイドブックにも載っていない。
しかし、このアジア近代史にとってとっても興味のある皇帝の墓が、ミャンマーのヤンゴンにあることを私が知っていたのは高山正之の著書を読んでいたからだった。
一般的なメディアがこんなにも大切な歴史スポットを教えないのに対して、イギリス植民地経営の非道を具体的に伝える高山正之のコラムはかなりなショックを受けるぐらい印象的な内容だった。

実際に日本のメディアはホントのことを伝えない。
日経、読売、朝日、毎日。
どの新聞を読んでみても掲載記事はほとんど同じ。
記者クラブなんてヨイヨイお達者クラブなんかで仕事をしているから、記事の内容が似るのも仕方がない。
まして、日本の記者はサラリーマン。
気軽な身分と来たもんだ。

ということで、メジャー紙唯一のはぐれ者、産経出身の高山正之。
一癖も二癖もあったと記者だったと思えるそのコラムは、私たちの頭の中を奇麗にスカッとさせてくれるのが、魅力的だ。

~「スーチー女史は善人か」高山正之著 新潮社刊~

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コメント
 
 
 
スーチーはミャンマーの田中真紀子 (kazuki)
2009-08-13 21:43:49
スーチーはミャンマーの田中真紀子
とか誰かが云ったのを覚えています。
要は外国(英国・米国、中国)に魂を売り、国民・政府を上から目線で見ている、極めて迷惑なKYおばさんだと。

大体からして、植民地政策を取っていた英国が軍事政権を非難する権利ってあるんだろうか?

 
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