とりがら時事放談『コラム新喜劇』

政治、経済、映画、寄席、旅に風俗、なんでもありの個人的オピニオン・サイト

大阪デパート激戦区

2006年07月12日 20時47分02秒 | 経済
産経新聞、今日の朝刊に「なんばシティ」の改装計画に関する記事が載っていた。
しかも一面に。

なんばシティは大阪ミナミ、南海電鉄「なんば駅」下に位置する大型のショッピングモールだ。
高島屋本店や大阪球場跡地に建てられたなんばパークスに隣接。
開業30年の専門店街だ。

この秋、このなんばの駅前に東京資本の丸井が進出する。
日本の映画興行発祥の地「南街劇場」跡に建設中の丸井はその工事もほぼ終り建物の全容を見ることが出来る。
丸井は一昨年関西初の店舗を神戸三ノ宮にオープンしたが、店舗規模もさほど大きくなく、地域に及ぼすパンチ力はさほどではなかった記憶する。
神戸三ノ宮は土地柄そごう三ノ宮店や大丸元町店など高級志向の店舗がひしめき合い、どちらかという月賦屋出身でしかも関西での知名度ゼロの丸井が関西ファッション小売業界に強烈パンチを食らわせることが出来るとは思えなかった。

しかし「なんば駅前」となると話は違う。
なんばは全国に「ミナミ」のエリア名で知られた代表的繁華街の一つであり、しかも客層は丸井のコンセプトに合致する。
そこで、丸井開店を恐れたなんばシティが大改装に手を付けることになったというわけだ。

ところで、大阪のデパート競争は熾烈だ。

先々週には阿倍野市街地再開発で最後の残されたJR天王寺駅に面した角地の開発権利を東急不動産が獲得。
そのグループの東急ハンズの進出が決定した。
阿倍野はキタの阪急村に対して近鉄村と呼ばれる地域だ。
その近鉄村の本陣となる近鉄百貨店阿倍野本店は今春発表した増床工事後、日本最大の百貨店になる。
また周囲には近鉄の開発した数多くの商業施設が点在する。

もちろんキタも負けてはいない。
電鉄系百貨店の老舗「阪急百貨店梅田本店」は現在立て替え中で、周囲にはグループの商業施設がひしめき合っている。
JR大阪駅の南側の阪神百貨店は阪急グループの一員をなし、その向かいには大丸大阪店が控えてる。
そして現在JR大阪駅の全面改装工事に伴い、ここに三越大阪店が出店するというのだから驚きだ。

殴り込みをかけてきている東京資本の百貨店と、地元関西の百貨店には、いったいどういう思惑があるのだろう。
「より良い商品をより安く」
というのはディスカウントストアやスーパー量販店の売り文句。
百貨店に求められるものはそんな安直なものでは決してない。

意地の張合いが商都大阪をデパート激戦区にしているのなら、それらに顧客への配慮がちゃんとなされているのか、冷静に観察してみる必要がありそうだ。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿