13日(火)。昨日の日経夕刊文化欄の「語る」欄で指揮者・山田和樹氏が取り上げられていました 山田氏は英国バーミンガム市響首席指揮者兼アーティスティック・アドバイザー、モナコのモンテカルロ・フィル芸術監督兼音楽監督などを務めています 記事の中に次のような記述があります
〔今、世界には戦争をはじめ多くの対立がある。オーケストラが貢献できるとすれば『ハーモニー』だと考える 「交響曲を意味する『シンフォニー』は『シンパシー(共感)』に通じる 聴衆とハーモニーやシンパシーを共有したい」〕
これを読んで思い出したのは、ブレイディみかこ著「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」です この本を読んだ感想は2021年7月25日付のtoraブログに書きましたが、本書のテーマは「シンパシーとエンパシー」です 「シンパシー」は同情や共感など、感情の動きを示す言葉です。一方「エンパシー」は自分と異なる価値観や理念を持つ人が何を考えるのか「想像する力」を意味する言葉です 「シンパシー」が感情的に作用するのに対し、「エンパシー」は知的に考える作業であるとも言えます
演奏を通じて聴衆の「シンパシー」を得ることは出来るでしょう。音楽とはそういうものであり、山田氏は当たり前のことを言っているように思います 一方、戦争のような場合は、対立する者同士がお互いに「エンパシー」の心を持たない限り、演奏家がどのように「シンパシー」を求めて頑張っても戦争を止めることはできません 山田氏の言わんとするところは何となく分かるような気もしますが、実はよくわかりません 音楽の力には限界があると思います
ということで、わが家に来てから今日で3073日目を迎え、北朝鮮の朝鮮中央通信は12日、金正恩総書記がロシアの祝日に合わせて同国のプーチン大統領に「貴国の人民に全面的な支持を送る」と祝電を送ったと報じた というニュースを見て感想を述べるモコタロです
強権主義国家同士で慰め合ってて 涙ぐましいねぇ きっと滅びる時も一緒だろうね
昨日、夕食に「野菜とひき肉のドライカレー」を久しぶりに作りました 材料はナス、ピーマン、トマト、玉ねぎで、塩胡椒、ウスターソース、ケチャップ、カレー粉で味付けしています 辛めのカレーには目玉焼きが良く合います
11日(日)にNHKホールでN響6月定期公演を聴きましたが、ロビーのパンフレット置き場に「オーケストラってなあに?」と「みんなでつくる、N響の”ORCHESTRA”」というタイトルの小冊子が置かれていました 手に取って見ると、前者は各楽器の紹介からオーケストラの楽器の配置までが図解入りで分かり易く書かれていて、コンサート入門者にはとても参考になると思いました 後者はコンサートを聴くときのルール、指揮者の役割、N響の歴史、オーケストラを聴く醍醐味、定期演奏会の3つの会場の音の違い、リハーサル、チケットの種類と購入方法などが紹介されています
「みんなでつくる、N響の”ORCHESTRA”」の中の「コンサートを自由に楽しむためのルール」では、①服装は自由であること、②演奏中は入退場できないこと、③眠ってしまった時は静かに、④演奏者に拍手を、⑤みんなで楽しむための「注意事項」ーが書かれています 最近コンサートを聴いていて感じるのはルール5「注意事項」に書かれている内容の重要性です 冊子には次のように書かれています
「音の出る機器の設定をオフに」というのは、言うまでもなく、スマホやケータイ等の電源を切ることです これは最低限のルールです。また、ここには書かれていませんが、最近ツイッターなどで一番多い苦情が「補聴器が正しく装着されていないことによるハウリング問題」です サントリーホールでのN響B定期2日目公演は、毎回と言ってよいほど問題が発生していました もちろん、主催者側は演奏直前と休憩時間に「補聴器を使用する場合は、正しく装着されていることを確認してほしい」旨をアナウンスしています しかし、当の本人は耳が聞こえないからこそ補聴器を装着しているので、そのアナウンスさえロクに聞こえていない可能性があります ハウリング音を聴いた周囲の人が直接(静かに口頭で、あるいは身ぶり手ぶりで)教えてあげるか、レセプショニストに伝えて注意を促してもらうようにした方が良いと思います このパンフの「注意事項」にも、補聴器の正しい装着について付け加えた方が良いと思います
次に多い苦情は、のど飴などの包み紙を開ける時のチリチリ音です 数年前、都内のコンサートホールで遭遇したことをご紹介します 隣席の高齢女性が演奏中に小袋から飴を取り出してチリチリと音を立てました すると、飴がするっと指をすり抜けてコトンと床に落ち、コロコロと音を立てて転がり出したのです こういうのは最悪です。本人は「恥ずかしい」で済むでしょうが、コンサートを聴いている周囲の聴衆にとっては気が散って大迷惑です なぜ演奏直前に口に入れないのか、と不思議に思いました ひとことで言えば、コンサートを聴く準備が出来ていないのです
私が最近立て続けに経験した迷惑行為は、演奏中に物を落として大きな音を立てるケースです 何を膝の上に乗せていたのか(スマホ? 1キロあるチラシの束? 鉄アレー?)分かりませんが、コンサートホールはどんなに小さな音でも大きく響くように造られているので、ものすごく大きな音に聴こえます 膝の上には硬い物、あるいは重い物を乗せないで床に置いておくべきです
さらに困るのは楽章間における客同士の口喧嘩です その原因は何らかの「音」であったり、隣や前の席の客が身を乗り出したり身体を傾けたりして視界が遮られることだったりします 特に東京オペラシティコンサートホールのような「シューボックス型ホール」の左右バルコニー席での「身の乗り出し」トラブルが多いようです 私は決してオペラシティのバルコニー席のチケットは取りません いくら事前にアナウンスで注意を促しても、必ずといっていいほど、身を乗り出すエゴイストがいるからです いずれにしても、何らかのトラブルが発生した時は、注意する方も される方も 静かに会話してほしいと思います つい先日の某オケの定期演奏会でも、第1楽章が終了した時、1階後方から男性客の声が聞こえてきて、指揮者が第2楽章の演奏になかなか入れませんでした これははっきり言って演奏妨害です うるさい奴は表に出ろい
また、中には 曲に合わせて身体を前後に動かしたり、酷いのになると勝手に指揮を始める ”身の程知らず” の客もいます あんたの指揮を見にきたんじゃないぞ 私は某オケの定期公演で隣席の高齢女性が演奏に合わせて しきりに身体を前後に動かして、気が散って集中できなかったので 新シーズンから席替えをしました 本当は「そっちが席を移れ」と言いたいところですが、お年寄り相手に喧嘩をしても大人げないのでこちらが動きました
以上にご紹介したことを踏まえて、お互いに コンサートは自分一人で聴いているのではないことを自覚して 演奏を楽しみたいものだと思います