6日(火)。わが家に来てから今日で3066日目を迎え、プーチン大統領を批判して収監中のロシアの反政権派指導者アレクセイ・ナワリヌイ氏の釈放を求める支援行動が4日、世界の20か国以上であり、ロシア国内でも多くの人が声を上げたが、ロシア当局はジャーナリストを含む少なくとも100人以上を拘束するなど、大規模なデモや集会を阻止した というニュースを見て感想を述べるモコタロです
ロシアが戦争に負けて プーチンが収監されても 誰もデモや集会をやらないだろう
昨日、夕食に「揚げジャガイモと鶏肉の炒めもの」「生野菜とアボカドのサラダ」「シメジの味噌汁」を作りました 「揚げジャガイモ~」を作るのは2度目ですが、柔らかくて美味しく出来ました
昨夜、サントリーホール「ブルーローズ」で「サントリホール チェンバーミュージック・ガーデン」の一環として開かれたエリアス弦楽四重奏団による「ベートーヴェン・サイクルⅡ」を聴きました プログラムはベートーヴェン①弦楽四重奏曲第2番 ト長調 作品18-2、②同 第11番 ヘ短調 作品95 ”セリオーソ”、③同 第13番 変ロ長調 作品130です ベートーヴェンの弦楽四重奏曲の初期(1~6番)、中期(7~11番)、後期(12~16番)から各1曲ずつ選んだプログラミングです
1曲目はベートーヴェン「弦楽四重奏曲第2番 ト長調 作品18-2」です この曲はルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(1770-1827)が1798年から1800年にかけて作曲し、ベートーヴェンの後援者フランツ・ヨーゼフ・ロブコヴィッ侯爵に献呈された「6つの弦楽四重奏曲」のうち実質的には3番目に完成した作品です 第1楽章「アレグロ」、第2楽章「アダージョ・カンタービレ ~ アレグロ」、第3楽章「スケルツォ:アレグロ」、第4楽章「アレグロ・モルト、クアジ・プレスト」の4楽章から成ります
左からサラ・ビトロック(Vn)、ドナルド・グラント(Vn)、シモーネ・ファン・デア・ギーセン(Va)、マリー・ビトロック(Vc)という並びで、ドナルドとマリーが電子楽譜を使います
4人の演奏で第1楽章が伸びやかな”挨拶”のような楽想で開始されます この音楽を聴きながら2人の会話を思い浮かべていました
A:ええ陽気になりましたなぁ
B:さいでんなぁ
A:今年のタイガース、調子よろしおますなぁ
B:ひょっとすると「あれ」が狙えるかもしれまへんで
A:しっ! それ言っちゃ あきまへんで~
B:そうでしたな。虎は来た道を折り返すって言いますからな。くわばらくわばら
(以上、あくまでも個人の感想です)
第2楽章以下も含めて、この曲ほど「作品18」の6曲の中でハイドンに近い音楽もないだろうと思います ユーモアに満ち、明朗な音楽です あらためて思ったのは4人のバランスの良さです ほのぼのといい演奏でした
2曲目は「弦楽四重奏曲第11番 ヘ短調 作品95 ”セリオーソ”」です この曲は1810年に完成、1814年5月にウィーンでシュパンツィヒ四重奏団により初演されました 第1楽章「アレグロ・コン・ブリオ」、第2楽章「アレグレット・マ・ノン・トロッポ」、第3楽章「アレグロ・アッサイ・ヴィヴァーチェ・マ・セリオーソ」、第4楽章「ラルゲット・エスプレッシーヴォ」の4楽章から成ります なお、「セリオーソ」(厳粛に)は自筆譜に記されている言葉ですが、出版時には外されました
4人の演奏で第1楽章が切羽詰まった厳しい音楽で開始されます ベートーヴェンはこの曲について「限られた玄人向けで、決して公開で演奏されるべきでない」と語ったそうですが、確かに一般人が聴いたら”引く”ような厳しさを持っています それは「セリオーソ」の指定もある第3楽章にも共通し、さらには第4楽章にも引き継がれています しかし、第4楽章では信じられないことが起こります それはフィナーレで突然現われるアレグロの”喜びに満ちた”音楽です まるで、それまでの「セリオーソ(厳粛に)」の世界を打ち消すように、しかめ面をしていた男が突然、破顔一笑して「なんちゃって」と言っているように感じます さらに言えば、私にはモーツアルトのダ・ポンテ三部作オペラ(「フィガロの結婚」、「コジ・ファン・トゥッテ」、「ドン・ジョバンニ」)のフィナーレのように聴こえます すなわち、「いろいろあったけど、終わりよければすべて良し 今までの事はすべて水に流そう」という音楽です この時期のベートーヴェンはモーツアルトのように「悲劇を悲劇(短調)のまま終わらせない。最後は明るく(長調)で終える」というサービス精神を発揮していたのだろうか、と思ってしまいます
4人の演奏を聴いていて思ったのは、一人一人の演奏レヴェルが非常に高く、その上で集中力に満ちたアンサンブルが築き上げられているということです
プログラム後半は「弦楽四重奏曲第13番 変ロ長調 作品130」です この曲は1825年8月に完成、1826年3月21日にウィーンでシュパンツィヒ四重奏団により初演されました 当初は終楽章(第6楽章)に長大なフーガ(「大フーガ」)が置かれていましたが、当時の聴衆には難解で、友人たちの忠告もあったため短い軽快な「アレグロ」が新たに作曲されました 本公演の演奏は第6楽章「アレグロ」版によります。第1楽章「アダージョ・マ・ノン・トロッポ」、第2楽章「プレスト」、第3楽章「アンダンテ・コン・モート・マ・ノン・トロッポ」、第4楽章「ドイツ舞曲風に:アレグロ・アッサイ」、第5楽章「カヴァティーナ、アダージョ・モルト・エスプレッシーヴォ」、第6楽章「フィナーレ:アレグロ」の6楽章から成ります
演奏にあたり、第1ヴァイオリンのサラ・ビトロックがマイクを持ってこの曲の概要を説明し、今回は第6楽章に「アレグロ」を採用した版で演奏する旨をアナウンスし、演奏に入りました
個人的にこの曲の肝は第5楽章の「カヴァティーナ」だと思います もともと声楽曲の名称ですが、弦楽四重奏による歌うような旋律が美しく演奏されます この音楽は3日に聴いた「第15番」の第3楽章「モルト・アダージョ」に通じる穏やかで美しい音楽です そして、第6楽章のアレグロに入りますが、多くの人は「大フーガ」が素晴らしい、と言います でも、私はこの「アレグロ」が大好きです 結果的にこの「アレグロ」がベートーヴェンの”絶筆”となってしまいました
あらためてエリアス弦楽四重奏団は、緻密なアンサンブルが素晴らしいと思いました