人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

「チャイコフスキーコンクール ~ 威信回復狙うロシア」~朝日の記事から / 「アジア・ユース・オーケストラ東京公演2023」のチケットを取る / 中山七里著「隣はシリアルキラー」を読む

2023年06月26日 06時51分53秒 | 日記

26日(月)。一昨日の朝日新聞朝刊第2面(総合2)の「時時刻刻」コーナーに「コンクール  威信回復狙うロシア  『チャイコフスキー国際』23か国から236人 戦時下 欧米8割減、中国6倍」という見出しの記事が載っていました 超略すると次の通りです

「19日に始まったチャイコフスキー国際コンクールには、日本や欧米を含めた23か国から236人が参加したが、前回2019年に比べて、欧米からの参加者は約8割減った 一方で、中国からは6倍となるなど、大幅に様変わりした 中国からは48人が参加、半数以上を占めるロシアに次ぐ人数となった 日米欧など『非友好国』は38人で前回の3分の1となり、ウクライナ侵攻後の世界の対立関係を象徴するような構成となっている ウクライナ侵攻で生じた孤立回避のため、ロシアは音楽の力を使って『威信回復』を狙う ロシアではソ連時代から、国威を高めるためのプロパガンダに、音楽の力を使ってきた。今回のチャイコフスキー国際も、プーチン氏が掲げるロシアの『威信回復』を国内外にアピールするための重要なイベントだ 同コンクールの組織委員長であるワレリー・ゲルギエフ氏は開幕に合わせたメッセージで開催の重要性を訴えたが、プーチン氏にもチャイコフスキー国際の意義を強調していた。プーチン氏は今回の参加者らに『この伝説的なコンクールはかつてのように音楽界の主要なイベントと考えられている』との電報を送った 一連の発言からは、プーチン政権が音楽を前面に出して侵攻への批判をかわす狙いが透けて見える

同じコーナーの中で、同社編集委員の吉田純子さんは、概要次のように書いています

「新時代の才能を探し、各国の国際コンクールに足を運ぶ音楽マネジャーたちが、今回は相次いで現地入りを断念している ロシアという国そのものが主催者だけに、果たして『政治とは無関係』と言い切ることができるのか 音楽業界からはそんな葛藤の声が聞こえてくる。『メディアは今回、結果を含めて一切報じるべきでない』と言う音楽家もいる コンクールの多くがオンラインで公開されるようになり、審査員気分のコメントがSNSを飛び交う 音楽ジャーナリストの林田直樹さんは、従来のコンクールが『巨大なプロパガンダと権威主義を礎に発展してきた』ものの、『現在は多くの人を音楽の多様性に気づかせるポジティブな機会を提供している だからこそ、参加した若者が責められるようなことがあってはならない』と指摘する」

この記事を読んで思うのは、現在の特異な世界情勢の中で、参加者たちはどのような気持ちで参加を決めたのか、ということです 「政治と芸術は別物だ」と割り切った若者もいるだろうし、「今回は参加者が大幅に減るだろう。上位入賞を狙える最高のチャンスだ」と考えた若者もいるでしょう いずれにしても、自己の責任において参加したからには上位入賞を目指して普段の練習の成果を発揮すべきだと思うし、林田氏の指摘のように「参加者が責められるようなことがあってはならない」と思います

WEBサイト「OMTOMO マガジン」によると、日本からの参加者は以下の7名となっています

〇ヴァイオリン部門(5名)

 Takamori  Arai  Kokoro  Imagawa   Eugene Kawai   Issei  Kurihara   Lisa  Yasuda

〇ピアノ部門(2名)

 Koki  Kuroiwa       Marcel  Tadokoro

ということで、わが家に来てから今日で3086日目を迎え、ロシアの民間軍事会社「ワグネル」の創設者プリゴジン氏は24日、声明を出し、「我々はモスクワの200キロ手前まで来た。ロシアの血が流される責任を理解し、隊列の向きを変える」と述べたが、ベラルーシのルカシェンコ大統領が仲介したとみられる  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     プリゴジンの政治駆け引きは失敗したみたいだね 結局 権力の前に腰砕けじゃね?

 

         

 

8月30日(水)19時から東京オペラシティコンサートホールで開かれる「アジア・ユース・オーケストラ東京公演2023」のチケットをイープラス経由で取りました プログラムは①グリンカ:歌劇「ルスランとリュドミラ」序曲、②ストラヴィンスキー:組曲「火の鳥」(1919年版)、③マーラー「交響曲第4番ト長調」です 演奏は③のソプラノ独唱=リデイア・ツウチャア、指揮=ジョセフ・バスティアンです

「アジア・ユース・オーケストラ公演」はコロナ禍で中止されていたので、4年ぶりの再開です 日本を含むアジア諸国の100名の若者たちの真摯な演奏に毎回感動を覚えてきました 本当は31日(木)の公演も聴きたいのですが、読響名曲シリーズと重なっているので諦めました

 

     

     

     

         

 

中山七里著「隣はシリアルキラー」(集英社文庫)を読み終わりました 中山七里は1961年、岐阜県生まれ。2009年「さよならドビュッシー」で第8回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞し、小説家デビュー 音楽を題材にした「岬洋介」シリーズを筆頭に、時事問題をテーマとした社会派小説まで幅広く手掛けており、驚くべき多作活動は「中山七里は七人いる」と言われています

 

     

 

東京都大田区にあるメッキ加工工場で働く神足友哉(こうたり ともや)は真夏の深夜、隣室から聞こえてくるシャワーの音で目が覚める 会社の独身寮は安普請でトイレやシャワーなどの生活音が駄々洩れ状態である 隣人は中国からの外国人技能実習生・徐浩然(スーハオラン)。この日はいつものシャワーの音に加え、何かを斬り落として洗い流すような乱暴な音が聞こえてくる 神足は徐が浴室で返り血を浴びながら、悦びの表情を浮かべながら死体の解体に勤しんでいる姿を想像してしまう それから間もなく、近所で女性の遺体の一部が発見されたこと、さらに数日前から工場の近くで若い女性が行方不明になっていることから現実味がを帯びてくる 気になった神足は真夜中に部屋から出た徐を尾行することにする すると徐は衝撃的な場面を目撃してしまい、やはり徐は連続バラバラ殺人事件の犯人、危険なシリアルキラーであると確信する

一方、神足は徐を警察に告発しようにも、身元を明かせない過去を抱えていた そんな中、神足が思いを寄せている同じ職場で働く紗穂里の身に危険が迫る 神足は彼女を救うべく行動に移る ところが、とんでもないどんでん返しが待っていた

 

     

 

小説の冒頭から、隣人が殺人犯に間違いないと思わせる描写が展開しますが、そこは「どんでん返しの中山七里」です。そう単純には行きません 一つだけ疑問に思うのは、神足が匿名で警察に電話して「隣人が怪しい」と徐浩然の名前を挙げて通報したのに、警察がすぐに家宅捜査をしなかったことです 早めに家宅捜査が進むとストーリーが短くなってしまうので、長引かせたのかもしれませんが、読んでいて違和感がありました

コメント
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