20日(火)。8月29日(火)13時から浜離宮朝日ホールで開かれる「愛の調べ シネマ&リサイタル 伊藤恵 plays シューマン」(楽画会主催)のチケットを取りました 第1部はシューマンの伝記映画「愛の調べ」、第2部は伊藤恵のピアノ・リサイタルです 後者はシューマン「幻想小曲集」から「夕べに」他、「幻想曲ハ長調」から第1楽章、リスト編曲による「献呈」ほかが演奏されます 映画とライブ演奏の組み合わせは初めてですが、今から楽しみです
ということで、わが家に来てから今日で3080日目を迎え、国連は18日、ウクライナ南部へルソン州でカホウカ・ダムが決裂した問題をめぐり、ロシアによる占領地域へのアクセスが妨げられているため、効果的な人道支援ができていないと明らかにした というニュースを見て感想を述べるモコタロです
プーチンは人の命や生活など何とも思っていない ただ領土を拡張するだけが目的
昨日、夕食に「茄子と鶏肉の炒めもの」「生野菜とツナのサラダ」「冷奴」「舞茸の味噌汁」を作りました 「茄子と~」は小さじ一杯の豆板醤がピリリと効いて美味しいです
昨日、早稲田松竹でマリア・シュラーダー監督による2022年製作アメリカ映画「SHE SAID その名を暴け」(129分)を観ました
2017年。ニューヨーク・タイムズ紙の記者ミーガン・トゥーイー(キャリー・マリガン)とジョディ・カンター(ゾーイ・カザン)は、大物映画プロデューサーのワインスタインが数十年にわたって続けてきた性的暴行について取材を進めるが、ワインスタインがこれまで何度も記事をもみ消してきたことを知る 被害女性の多くは示談に応じており、証言すれば訴えられるという恐怖や当時のトラウマによって声を上げられずにいた 問題の本質が業界の隠蔽体質にあると気づいた記者たちは、取材対象から拒否され、ワインスタイン側からの妨害を受けながらも信念を曲げず、真実を追い求めて奔走し、証言を決意した勇気ある女性たちとともに突き進み、ついにワインスタインによるセクハラの真実を紙面で暴露する
この作品は、映画界に君臨する敏腕プロデューサーのハーベイ・ワインスタインによる性的暴行を告発した2人の女性記者による回顧録をもとに映画化した社会派ドラマです
この映画を観て真っ先に考えたのは、「調査報道」の在り方です ワインスタインの犠牲になった女性たちの多くは、示談金を受け取っていることから、「今の平穏な生活を乱されたくない。今さら過去の忌まわしい事件を掘り返されたくない」と思っています そこを何とか説得し、オフレコ(オフ・ザ・レコード=記録・公表しない)で証言を引き出し、さらに発言に説得力を持たせるためオンレコ(オン・ザ・レコード=公表する)で証言を引き出すのが新聞記者の役割です 被害者の女性たちが最終的に記者の説得に応じたのは、「真実に背を向けて黙っていれば、被害が拡大することになる」と自覚を促されたからです
ここで重要なのは、記者たちがいくら頑張って取材しても、編集幹部がワインスタインの脅しに負けて記事を握り潰すことになれば何にも起こらないということです つまり、記者が自由に取材し記事を書こうと思えば、上に立つ人間が 十分な裏付けのもと それを記事として紙面に反映する覚悟を持っていなければならないということです
もう一つ重要なのは、最終的に紙面化する前に、ワインスタイン側が反論するために2日間の猶予を与えたことです ワインスタインが弁護士とニューヨーク・タイムズに乗り込んできて、過去の女性たちを誹謗中傷して帰っていきますが、結局2日間では何もできない結果に終わります 民主主義国家アメリカらしいフェアなやり方だと思います
ニューヨークタイムスの記事により、世界中のワインスタインの被害者たちが次々と声を上げ、彼のセクハラを暴露し始め、82件の訴訟が起こされました かくしてワインスタインは解雇となり、2020年2月にニューヨークで強姦と性的暴行で23年の禁固刑となり、ロサンゼルスとロンドンでも起訴され、裁判が進行中です この「調査報道」は職場の改善や法改正につながり、世界中の#MeToo運動に火を点けました
ところで、「SHE SAID その名を暴け」とよく似たセクハラ事件が1年前の2016年にアメリカの放送界でありました 米国で視聴率ナンバーワンを誇るテレビ局 FOXニュースの元・人気キャスターのグレッチェン・カールソンが同社CEOのロジャー・エイルズをセクハラで提訴した事件です この事件は2019年に「スキャンダル」というタイトルで映画化されました(ジェイ・リーチ監督。カナダ・アメリカ合作・109分)。出演者はシャーリーズ・セロン、二コール・キッドマン、マーゴット・ロビーという豪華キャストです。感想を2020年8月20日のtoraブログに書きましたので、興味のある方はご覧ください