15日(土)。わが家に来てから49日目を迎えたモコタロです
ぬいぐるみの白いハラワタをほじり出してしまったモコタロ
この顔は反省しているように見えるが、反省していない
モコタロの犯行により20針の大手術を受けたぬいぐるみ
閑話休題
昨夕、初台の東京オペラシティコンサートホールでロシアのピアニスト、ユリアンナ・アヴデーエワのピアノ・リサイタルを聴きました プログラムは①モーツアルト「ピアノ・ソナタ第6番ニ長調K.284」、②ヴェルディ作曲リスト編曲「歌劇アイーダ」より「神前の踊りと終幕の二重唱」、③リスト「巡礼の年第2年イタリア」から「ダンテを読んで」、④ショパン「24の前奏曲」です
自席は1階17列6番、左ブロック、列の真ん中です。会場は8割方埋まっている感じです アヴデーエワの演奏を聴くのは、2010年に彼女がショパンコンクールで優勝した翌2011年1月にオーチャード・ホールで開かれたショパンコンクール入賞者ガラ・コンサート、同年11月に東京オペラシティ・コンサートホールで開かれたピアノ・リサイタル、昨年4月にすみだトりフォニーホールで開かれたブリュッヘン指揮18世紀オーケストラ公演(ショパンのピアノ協奏曲第1番と第2番)に次いで今回が4回目です
拍手の中、アヴデーエワは上がシルバー、下がブラックのパンツ・ルックで登場、1曲目のモーツアルトのピアノ・ソナタ第6番の演奏に入ります 彼女の演奏を聴いていて思うのは”自然体”で”理知的”だということです この曲は第3楽章が主題と12の変奏から成りますが、アヴデーエワは今ここで音楽が生まれたばかりのように新鮮な感覚で変奏曲を展開します。実に爽やかな演奏です
この曲はあまり聴く機会がないので、ここ数日、ピリスのCDで予習しておきました
次に演奏したのは、リストがヴェルディのオペラ「アイーダ」の中から「神前の踊りと終幕の二重唱」をピアノ演奏用にアレンジしたものです 聴いているうちに、METライブビューイングや新国立オペラで観た「アイーダ」の神秘的な”神前の踊り”のシーンと終幕の静謐な”二重唱”のシーンを思い起こしていました
続いて同じリストの「巡礼の年第2年『イタリア』から”ダンテを読んで”」です。この曲の標題は、文豪V.ユーゴ―の詩集から取ったもので、神曲の第1部『地獄篇』を描いたものです。アヴデーエワは超絶技巧曲を何の苦労もなく(と見える)自然体で弾き切ります
この曲はまったく聴く機会がないのでNAXOSのCD(ピアノ:ヤンドー)で予習しておきました
休憩後はいよいよメーンイベント、ショパンの「24の前奏曲」です。1曲1曲は極めて短いのですが、ショパンのエッセンスが込められています この曲はアヴデーエワ本人が今年入れたCDで予習しておきましたが、第1番を聴いた印象は大分違いました 生で聴いた方が、振幅が大きく深みのある演奏です。CDの演奏も良いのですが、やっぱりCDはパッケージ音楽で、生で聴く音楽には到底及ばないということを痛感しました 10枚のCDよりも1回のコンサートを
コンサート終了後、このCDにある変化が・・・・・・
全体的に、モーツアルトを聴いた時と同じ印象で、アヴデーエワの演奏はあくまでも”自然体”で”理知的”です その点、彼女の優勝に先立つこと45年前の1965年のショパンコンクールで優勝したマルタ・アルゲリッチとは対照的です。アルゲリッチが直感的、あるいは動物的とでも言うべき天才的なヒラメキに裏付けられた演奏を展開するのに対し、アヴデーエワはあくまでも自分自身の演奏をどこかで冷静に見つめているような印象を受けます
最後のニ短調を圧倒的なダイナミズムで情熱的に演奏し24曲を締めくくりました 鳴り止まない拍手に、最初にショパンの「ノクターン第4番」を、次に「ワルツ第2番」をアンコール演奏し、拍手喝さいを浴びました ここで私は席を立ち、サイン会に並ぶためロビーに出ました。サインの順番は5番目です。アヴデーエワが現われるまで待ちましたが、会場から3曲目のアンコール曲「マズルカ第5番」が流れてきました。会場を出るのが、ちと早すぎだようです
家から持って来たCDにサインを求めましたが、「サンキュー」と言うと、彼女は日本語で「アリガト・ゴザイマシタ」と答えてくれました 私の後には百数十人の列が出来ていました。老若男女に関係なく人気のあるピアニストです