人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

奥田英朗著「サウスバウンド」を読む~過激派の父親を持った二郎の物語

2014年11月29日 09時19分22秒 | 日記

29日(土)。わが家に来てから63日目を迎えた正義の味方モコタロです 

 

          

          ぼくの目が赤いうちは世の中の不正は許さないぞ、いいだろう(加山雄三風に

 

    閑話休題  

 

昨日、会社帰りに近隣の飯野ビル地下の飲食店街を偵察に行ってきました テナントとの商談に使えそうなお店を探すため、X部長、若手のT君、K君と4人でこの秋に新しくオープンした何軒かを回りパンフレット類を集めました せっかくなので、そのうちの一軒、焼鳥Oに入ることにしました。この店の”売り”は焼鳥と言ってもお客が自分で焼くところにあります。テーブルの上には排煙ダクトが天井からバズーカ砲のように下がっています

ビールで乾杯していると、炭火焼用の七輪と、モモ肉、ササミ、レバーなどの盛り合わせが運ばれ、さっそく焼き始めましたが、肉が網にくっついてはがれなくなってしまいます かなり頻繁に裏返さないとならないので”焼き係”はゆっくり食べているヒマがありません(私のことです)。向かい側に座ったT君が「この店は会話のない夫婦に向いていますね」と言っていましたが、言い得て妙です その後、自社のビルの地下の焼鳥Oに移って日本酒を飲みました 多分、これから1年以内の仕事の話をしていたのだと思いますが、詳しくは思い出せません

10時頃お店を出たことは確かです。手帳に書いてあったので。そんな訳で、今日は朝から頭が頭痛で絶不調です そういえば今日は午後3時から高校の時のクラス会があるんだよな、と思い出して、また飲むのか・・・・と少しブルーな気持ちになりましたが、まあ、3年ぶりにクラスメイトのみんなに会えるからいいか・・・と気を取り直しました

 

  閑話休題  

 

奥田英朗著「サウスバウンド」(講談社文庫)を読み終わりました 奥田英朗は1959年岐阜県生まれ。コピーライターなどを経て、1997年「ウランバーナの森」でデビューし、その後、「最悪」「邪魔」「空中ブランコ」「オリンピックの身代金」「イン・ザ・プール」「マドンナ」「ガール」「無理」など話題作を発表し続け、数々の文学賞を受賞してきました

 

          

 

上原二郎は中野の小学校に通う六年生。父親は元過激派の活動家 国民年金の取り立てに来ても「払う義務はない」と言って追い返す。とにかく国家権力が大嫌いな人間だ。喫茶店を営む母親もその昔、学生運動をやっていた時、人を刺して刑務所に入っていたらしい 二郎のクラスメイトに黒木という不良少年がいる。中学生に脅されて小学生を脅して金を巻き上げている。二郎は黒木を説得して足を洗うよう説得する。そんなある日、突然、父親が西表島に移住すると言い出す。友達とゆっくり別れをする機会のない中、黒木は不良中学生に戦いを挑む。そして二郎と和解して、二郎は西表島に旅立つ。ここまでが第1部

西表島に移住した上原家だが、父親は、子どもは学校に通う必要などない、と言って困らせる 二郎には気になる同学年の女子生徒がいた。既成事実を作って妹と一緒に通うことにするが、父親は黙認する。上原家が住みついた民家の土地は、あるディヴェロッパーの持ち主であることが分かり、立ち退きを言い渡される 環境を守ろうとする地元の人達を味方に、父は母と勝てない闘いに臨む 父と母は子供たちを島の公営住宅に残し、理想の地パイパティローマに旅立つ。ここまでで第2部が完結

第1部と第2部で合計665ページの超長編です。とにかく、面白い いま時、二郎の父親のような超過激派はいないでしょうが、一人くらいいてもいいじゃないか、と思うような魅力あふれる人物です

『過激派』ということで思い出すのは、大学2年の時のことです。2階の教室で授業を受けていると、表でボカッ、ボカッ、ボカッという人を殴るような音がしたのです 学生達は授業そっちのけで窓に寄り、下を見下ろすと、道路に一人の学生が倒れていました 言わゆる『内ゲバ』です。当時はまだ『中核派』と『革マル派』とが主導権争いをしており、角棒を持って戦っている最中でした 今は昔の遠い思い出です

コメント
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