人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

飯野ビル「グランド・オープニング・コンサート」を聴く~佐野優子(ピアノ)+三浦夢子(サックス)

2014年11月08日 07時00分42秒 | 日記

8日(土)。わが家に来てから42日目を迎えたモコタロです 

 

          

                             まいど! いま、わが家の周りをお散歩中ですねん 

 

  閑話休題  

 

昨日は近くの飯野ビルのⅡ期工事が終わり、地下鉄・霞が関駅と直結、新たに飲食店舗がオープンしたことを記念して、同ビル1階ロビーで「飯野ビル・グランド・オープニング・コンサート」が開かれました 6時開演となっていましたが、15分前に着くと約100席の椅子はすべて埋まっていました 仕方ないので中央の見やすい位置でずっと立って待っていると、飯野ビルの営業責任者で飯野ホール支配人でもあるKさんが「どうも、今日はお出でいただきありがとうございました」とあいさつされました。「Kさん、椅子ないんだけど」と言いたい気持ちを理性でカバーして「新しくオープンした地下の飲食店舗を偵察に来たんですが、1階に上がってきたらコンサートがあるというんで待っているんですよ」と大人の答えをしておきました

ロビーにはドイツのグランド・ピアノ”ベーゼンドルファー”が偉容を誇っています これは旧飯野ホールにあった常設のピアノで、ホールのアドヴァイザーであるピアニストの深沢亮子さんが選んだピアノです。新しいホールには、同じく深沢さんが選んだ新しいベーゼンドルファ―が常設されています

6時になり、飯野ビルの担当者のあいさつに続き、ピアニストの佐野優子さんが鮮やかなピンクのドレスで登場しました マイクを持ってあいさつをし演奏曲目の解説をしましたが、相当緊張している様子です 彼女は東京藝大卒、在学中にハンガリー・リスト音楽院で研鑽を積み、昨年秋から英国立音楽院修士課程に留学中という優秀なピアニストです

 

          

 

最初にシューベルト作曲リスト編曲による「アヴェ・マリア」を、次にドビュッシーの「映像第一集」から「動き」を鮮やかなテクニックで演奏し、ロビーに詰めかけた約200人の聴衆を魅了しました

次いで彼女の高校時代の友人で同じ東京藝大卒のサクソフォン奏者・三浦夢子さんが登場、佐野さんの伴奏で最初にガーシュイン作曲三浦夢子編曲による「サマータイム」をムードたっぷりに、続いてピアソラ作曲佐野優子編曲による「リベル・タンゴ」をリズム感豊かに演奏しました

ここで三浦さんが引き揚げ、佐野さんのピアノ独奏によって、スカルラッティの「ソナタ135番」をハープシコードで弾いているように、ショパンの「幻想ポロネーズ」を民族色豊かに、リストの「ラ・カンパネラ」を超絶技巧で、見事に弾き分けました ロビー一杯の聴衆の拍手に迎えられ、三浦さんが再登場し、アンコールに二人で映画「ロミオとジュリエット」のテーマをロマンティックに演奏し、大拍手 の中、記念コンサートを締めくくりました

全体的な印象として、佐野優子という人は相当の実力者だと思いました ピアノを離れて、トーク一つ取ってみても、呼んでくれた主催者への感謝の気持ちを忘れない、人々に良い印象を与えるクレバーな演奏家だと思います いつかきっと、ピアノ・リサイタルを開くでしょう

 

          

 

  も一度、閑話休題  

 

6日付の朝日朝刊のコラム「いちから わかる!」は「フィギュアスケートで歌入りの曲使える?」というテーマでした。記事を超約すると

「これまでフィギュアスケートの男女シングルとペアでは歌詞の入った曲を使用すると1点の減点があったが、今季から減点がなくなった 表現の幅を広げるのが狙い。アイスダンスでは1997年~98年シーズンから認められている。これまで使えなかったのは、歌詞の言語が理解できるかどうかで、審判員の採点が左右される心配があったから。選ばれる曲はミュージカルが多い ストーリーを表現しやすいからだ。ただ、有名なオペラやミュージカルは作品の印象が強く、そのイメージとかけ離れてしまうと、点数が伸びない可能性もある 選曲、使う場面、声色など一歩間違うと、失敗演技になってしまう

たしかに歌声入りの曲を解禁することにはメリットとデメリットがあるでしょう 「アイスダンスでボーカル曲が解禁になった当初は、こぞって選手たちが使っていたが、今はそう多くない。シングルでもペアでもそうなるだろうという見方もある」という指摘もあるようなので、結局は自然淘汰されていくのでしょう

ところで、フィギュアスケートの音楽の使い方でこれまで一番印象に残っているのは、荒川静香選手が2006年のトリノ冬季オリンピックのフィギュア女子シングルで使った「トゥーランドット」です 彼女はヴァネッサ・メイ(Vn)の弾くプッチーニの歌劇「トゥーランドット」からアリア「誰も寝てはならぬ」に合わせて、大きく上体を反らせて滑る「イナバウアー」で観衆を魅了し、アジア選手として五輪フィギュア史上初の金メダルを獲得しました

このトリノ・オリンピックでは開会式で、同じ曲をイタリアのテノール歌手ルチアーノ・パバロッティが歌いましたが、もし荒川静香選手が歌入りの「誰も寝てはならぬ」で滑って1点減点されていたら結果はどうだったでしょうか それでもブッチギリで彼女が金メダルを獲得していた、と私は確信しています

ところで、アイススケートを見るときに気になるのは、やはり誰がどういう曲を使っているのか、ということです 最近ではソチ五輪です。浅田真央選手はショート・プログラムでショパン「ノクターン」を、フリーでラフマニノフ「ピアノ協奏曲第2番」を使いました 一方、高橋大輔選手はショートプログラムで佐村河内守の「ヴァイオリンのためのソナチネ」を選びました。しかし、この曲は、直前になってゴーストライター(桐朋学園大学非常勤講師・新垣隆氏)によって書かれたことが判明しました 高橋選手は悩んだことでしょうが、結局「誰が作曲した曲であろうが、曲自体が素晴らしいのでこの曲で滑る」と決断しました。率直な話「今の今になってそんなこと言われたって、今から曲を変更して本番に臨む時間なんてとてもないぜよ」といったところでしょう

そんなことを考えている折も折、コンサート会場入り口で配られたチラシの中に「フィギュアスケートの音楽で楽しむクリスマス」というチラシが入っていました この公演は12月20日(土)午後4時から紀尾井ホールで開かれます。クラシック音楽ではビゼーの「カルメン」、ハチャトゥリアンの「剣の舞」、ショパンの「ノクターン変ホ長調」、ラフマニノフの「ピアノ協奏曲第2番」などが演奏されます 興味のある方はお出かけになってはいかがでしょうか

 

          

 

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