人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

「モーツアルトハウス・ウィーン・イン・ジャパン2014」ガラ・コンサートを聴く~よみうり大手町ホール

2014年11月03日 07時00分53秒 | 日記

3日(月・祝)。わが家に来てから37日目を迎えたモコタロです 

 

          

            おねーちゃん、北海道から早く帰ってきてよ~

 

  閑話休題  

 

一昨日に続いて昨日、よみうり大手町ホールで「モーツアルトハウス・ウィーン・イン・ジャパン2014」(第4公演:ガラ・コンサート)を聴きました プログラムはモーツアルト①ピアノ四重奏曲第1番ト短調K.478、②歌劇「皇帝ティトの慈悲K.621」よりヴィテリアのロンド”花の美しいかすがいを編もうと”、③「4手のためのピアノ・ソナタ ハ長調K.521」より第2楽章、④歌劇「イドメネオK.366」より二重唱”我は説き明かしえず、おお神よ”K.489、⑤「レチタティーヴォとアリア”あわれな者よ!おお夢よ」~息吹く微風”K.431、⑥クラリネット五重奏曲イ長調K.581,⑦サラサーテ「モーツアルトの歌劇『魔笛』による演奏会用幻想曲です

 

          

 

自席は一昨日と同じ10列5番、左ブロック右通路側席です。会場は8~9割方埋まっている感じです ステージにはグランド・ピアノを中心に弦楽奏者の椅子が並べられています

 

          

 

最初は「ピアノ四重奏曲第1番ト短調K.478」です。演奏はピアノ=菊池洋子、弦楽三重奏=ストリング・クァルテットARCOのメンバー、双紙正哉(都響第2ヴァイオリン首席)、柳瀬省太(読響ソロ・ヴィオラ)、古川展生(都響首席)という面々です

菊池洋子は一昨日とは衣装を変えて、鮮やかなブルーのドレスで登場します 曲の冒頭、弦楽合奏に続いてピアノが入ってきますが、数少ない短調の名曲です 菊池の演奏を聴いていると、前に出過ぎず、そうかと言っておとなし過ぎず、一昨日のソロの演奏よりも好印象を持ちました ひと言でいえば、彼女の演奏は上品です。彼女はソロも良いけれど、人との関わりの中で演奏する方が、より良い演奏が出来るのではないか、と思いました

演奏終了後、今回の企画の総合監督・ソプラノ歌手の中嶋彰子が登場し、次の曲、歌劇「皇帝ティトの慈悲K.621」からヴィテリアのロンド『花の美しいかすがいを編もうと』について解説し、ペーター・シュミ―ドルのクラリネット、ニルス・ムースのピアノの伴奏に乗せて歌います 滅多に聴く機会がない曲ですが、やっぱりモーツアルトです 中嶋彰子の迫力あるソプラノで聴くといっそう曲の良さが分かります

続いて「4手のためのピアノ・ソナタ ハ長調K.521」から第2楽章が菊池洋子とニルス・ムースによって演奏されます 演奏前に「4手のためのソナタ」の意義についてインタビューを受けたムースは「作曲家がある曲を作曲してもそれを演奏するオーケストラがなかったり、演奏する機会がなかったりしたので、二人の連弾で気軽に弾ける曲に編曲して普及を図ったのです」と答えていました

ムースが左側(低音部)に、菊池が右側(高音部)に座って演奏しました。この曲は第1楽章は比較的良く耳にしますが、第2楽章は珍しいですね どちらかと言うとムースが菊池に寄り添って 仲良く穏やかに演奏しました

次いで、中嶋彰子とテノールのライナー・トロストが登場、歌劇「イドメネオK.366」から二重唱『我は説き明かしえず、おお神よ』をムースのピアノに乗せて高らかに歌い上げました

休憩後の最初はレチタティーヴォとアリア『あわれな者よ!おお夢よ~息吹く微風K.431』です。ムースの伴奏でトロストが輝くテノールで歌いました

そして次は”本日のメーン・イベント”クラリネット五重奏曲イ長調K.581です。クラリネットはウィーン・フィルで長年首席を務めてきたペーター・シュミ―ドル、四重奏はストリング・クァルテットARCO(ここで第1ヴァイオリンに札響コンマス:伊藤亮太郎が加わる)による演奏です シュミ―ドルを中央にして、左にヴァイオリン2挺、右にチェロ、ヴィオラという配置をとります。この曲も名曲中の名曲ですね 特に第2楽章「ラルゲット」はクラリネット協奏曲イ長調K.622の第2楽章「アダージョ」とともにクラシック音楽の最高峰と言えるでしょう

演奏中、シュミ―ドルは右のヴァイオリン奏者を見たり、左のチェロやヴィオラ奏者を見たり、忙しく首を傾けていましたが、「キミたちもなかなかヤルじゃん」という顔をしていました

さて、コンサートのトリはモーツアルトではなく、サラサーテの「モーツアルトの歌劇『魔笛』による演奏会用幻想曲」です。演奏はヴァイオリン=三浦文彰、ピアノ=菊池洋子です

この曲を生で聴くのは今回が初めてですが、「魔笛」の中のタミーノのアリアから始まって、パパゲーノのアリア、パミーナのアリアが続き、再びパパゲーノのアリアが現われ、最後はモノスタトゥスのアリアで賑やかに終わるという超絶技巧ヴァイオリン曲でした 三浦文彰のヴァイオりンは素晴らしく、菊池洋子が良くフォローしていました

モーツアルトは定期的にコンサートを主催し「モーツアルト・アカデミー」と名付けていましたが、この日のコンサートはそれに因んで企画されたものです 当時は、オペラ序曲+協奏曲+交響曲といった形ではなく、この日のように、比較的大きな曲の合間に歌劇のアリアなどが挟み込まれた形式が一般的だったようです。当時はモーツアルト自身がナビゲーターになって曲目を解説して自ら指揮をとって演奏したのでしょうか 一度でいいからモーツアルトの時代に遡って彼の主催するコンサートを聴いてみたいものです

 

          

 

  も一度、閑話休題  

 

コンサート会場の入り口で飛鳥新社が創立35周年を記念して発売する「モーツアルト『伝説の録音』全3巻」のカタログ(フルカラー44ページ)が配布されました SP録音時代の伝説の巨匠たちの演奏を最新技術により復刻しCD36枚に収めたもので、書籍も3冊付いてくるというものです 第1巻が名ヴァイオリニストと弦楽四重奏団、第2巻が名ピアニスト、第3巻が名指揮者と器楽奏者・歌手となっていて、各25,000円、3巻で75,000円とのことです 蓄音機で電気を介在さないで音楽を再生するSPレコードは理想的な録音だと聞いたことがありますが、それをCDに落とすということは電気を通す訳で、元々の音は忠実に再現できるんだろうか・・・・・などと考えてしまいます。興味はありますが、ちょっと高いかな・・・・

 

          

コメント
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